一泊二日の大人の遠足2回目である。前回は、食いが悪く20匹程しか釣れなかった。その後は毎日、釣果をチェックしているのであるが、気温も下がり水温も下がって食い気が出て来たのか、このところ釣果は上向いて来ているようであった。前日の昼間に、船頭から5時30分に出船との連絡が来たので、ランクル氏に伝えた。天気予報も毎日見ていたのであるが、風も無くかなり気温が高い予報であった。後は、釣行して釣るだけである。
前日は、ドライアイスを購入するのと出発が早いので、午後有給を取って早めに寝た。12:50に迎いに来て下さるので、12時に起きて紅茶を飲み、ランクル氏が来るのを待った。そして、時間通りに来て下さり神戸を出発、まだ山陽道下り線の赤穂付近のトンネルが復旧していないので、赤穂までは別のルートで行くしかなかった。
ランクル氏も毛糸先生と同じく、阪神高速⇒第二神明⇒姫路バイパス⇒R2⇒R205を通って、赤穂から山陽道に乗り小谷SAを目指した。赤穂から利用できるので、赤穂から暫くの間は他の車はゼロで、快適なスピード(言えないが速い!)で走ることが出来、小谷SAには、4時頃に到着した。トイレ休憩と、このSAでしか買えない「ゆさんのキムチとカクテキ」を買って、安芸津港を目指した。
安芸津駅近くのセブンイレブンで食料を買って、安芸津港に到着した。そこで驚いたのが4:30なのに駐車場に空きが無い。こんなことは初めてであった。理由は、この日の2隻のタチウオ便は、豊後水道に行くため一隻は4時、もう一隻は4:30に出船で、そのお客が先に駐車しているようであった。我々の車は、いつも止めることのない所に止めた。
4:30頃に船頭が到着して、皆さん氷を貰ってクーラーに詰めていた。船頭が集合しているお客さんを確認すると、5時にもなっていないのに、全員集合していることが分かり乗船となった。我々は、いつもの右舷トモからの3席に座った。5時丁度ぐらいに出船、何処に行くのか聞いてないが、とりあえず餌の川津エビを切った。2袋切った後、仮眠してポイントへの到着を待った。
出船して1時間30分程経った頃、沖家室島の南側に到着した。エンジンがスローになったところで、タックルの準備をするようアナウンスが出た。私は、切った餌を持って釣り座に移動して、タックルを準備した。この日のタックルは、ウマヅラのカゴ釣りには最適な竿:剣崎30-270MT、リール:紅牙IC 150H、道糸:PE8本撚り0.8号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を2mぐらい付けた。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王7号(ナノスムースコート)の胴突き6本鈎仕掛けで、ドンブリカゴ25号を使った。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。
←海面が鏡のような凪。12月としては珍しい天気である。日中は、暖かいを越えて暑いという状況であった。昨年も同じ頃に来たが、その時は大荒れとなり、雪が降り2日目は断念した。
タックルの準備は簡単で、ガイドに糸を通してセッティングして来ているので、サルカンと仕掛け、どんぶりカゴを繋ぐだけある。撒き餌の箱が後ろからリレーされて受け取ったら準備完了となる。後は、餌を鈎に刺し、カゴに撒き餌を入れて船頭の合図を待つだけであった。
通常、鈎は8号を使うのであるが、今回、餌が少し小さ目だったので7号を使ってみた。この選択が今回は当たった。結果的に良く鈎掛かりした。皆さん準備が出来たところで、釣りスタートとなった。潮が丁度良い状況なのか、本日一回目の入れ食いタイムとなった。船頭のアナウンスに合わせて棚を合わすと、必ずアタリが出て広島サイズのウマヅラが食ってきた。
モゾモゾとモタレるようなアタリが穂先に出たところで、バシッと合わせを入れる。重みが乗ったら鈎掛かり成功、スッと軽い手ごたえであれば、鈎掛かり失敗。再度、穂先を下げてアタリを待つ。食いの良い時は、間違いなく再度アタリが出る。出来る限り早く鈎掛かりさせることが、大漁に繋がる。
←やっぱり広島サイズはいいですねえ~。釣れるサイズの殆どがこのサイズ!!!ウマヅラ好きにはたまりません。
このポイントでは、大型ばかりではなく、25cm~35cmの型が釣れた。原則、私は玉網で掬うのであるが、この日は大型以外はそのまま引き上げた。ワンサイクルの時間短縮のためである。どうしても玉網で掬うと、次の投入までに時間のロスが出てしまう。朝イチは、本当に食いが良く、あっという間に2桁釣れて、バケツが一杯になった。
その状況を船頭は見ていて、いつもの青いBOX(自称:齋藤BOX)を準備してくれたので、魚はそちらに移した。ずっと海水が出っぱなしのホースも準備してくれるので、生簀と同じ状態で最後まで魚を活かしておける。ただ、ウマヅラも20mより深い棚で釣れた個体は、浮子袋が膨らんでしまうので、エア抜きする必要がある。
入れ食いタイムも、時間が経つにつれて食わなくなり、遂には全然食わなくなった。そこでポイント移動となった。結構近くの別のポイントであった。魚は魚探に映っているようであるが、本当に食い気が無く釣れなかった。近くの別のポイントに移動するも、やはり食いが悪く釣れる状況でなかった。
←ペンションのような建物が集まっている、周防大島のあるエリアである。地図を見ると「大島ビーチファミリー」と書かれていた。変わった建物が固まっているので、沖から見てると不思議なエリアだと思う。
船頭もたまらず「ちょっと走ります」とアナウンスして東の方向に船を走らせた。到着したのは、片島の辺りであった。暫く仕掛けを下したが、私が見てる限り潮が速い状態で、何も釣れなかった。船頭は、状況を見て再び西の方向に走り出した。何処に行くのかと思っていたら、再び沖家室島のポイントであった。船頭が前回来た時に言っていたが、今まで釣れていた近場のポイントでは、本当に魚影が少ないらしい。
元のポイントを流してみるも、やっぱりアタリは無かった。そして時間だけが過ぎて行った。何故釣れないのに、同じ場所で粘るのか不思議に思っていたのであるが、実は、船頭は潮が動き出すと、このポイントで釣れることが分かっていたのであった。ずっと同じポイントを流していたのであるが、潮が流れ出した途端、今までが嘘のように釣れ出した。
本当にあんなに釣れなかったのに、入れ食いが始まった。食いが良いので、鈎が掛かり易い、明確なアタリで合わせるようにした。結局、その方が確実に効率良く釣れる。ビシッ、ビシッ…、コンコンコンと巻き上げの穂先が引きに合わせて曲がる。海水の透明度が高いので、魚が見えて来たところで、玉網を準備して、水面に出たところでサッと掬う。このサイクルが結構長い間続いた。
食いがちょっと落ちて来たところで、船頭が「15:00に終わりにします」とのアナウンスを出した。まだ釣れていたが、十分に釣れたので納得の一日であった。沖上り後は、身の回りの掃除をした後、私は、宅急便で送るため、魚を締めて内臓を除去して皮を剥いた。写真撮影のため、10匹程は皮を残して処理した。全部終わるまで1時間程掛かった。
←一日目の釣果は46匹であった。前回は、20匹で終わったので、納得の釣果であった。今回、ウマヅラ釣りで、こんなに大きなグレが釣れたのが印象的であった。
船は、穏やかな天候のため16:40頃に安芸津港に帰って来た。そして恒例の写真撮影開始。船頭が写真を取り終えたたところで、クーラーを積んで、ホテルに行く途中である宅急便の配送センタを目指した。この日は、宅急便で魚を送った後、ホテルで釣った魚を料理して食べ、その後、お好み焼き店に行く予定にしていた。
港から30分程で配送センタに到着、私は関東の友人2軒にウマヅラを送った。その際、ぇぇ…と思ったのが、一昨年までは、広島から関東への配送は、19時までであれば翌日配送であったが、今回は、翌々日配送となっていた。人手不足はこんなところにまで、影響が出てきていることを痛感した。
ホテルまでの道中、そんなに距離は無いのであるが、車しか移動手段の無い地域のため、どの道も大混雑であった。そしてホテルに到着。ひと風呂浴びて、18:40にホテルのキッチンコーナーに集合となった。今回宿泊した「グリーンモーリスホテル」には、誰でも使えるキッチンコーナーがある。皆さん揃ったところで調理開始。私が刺身を作る担当であった。そして刺身が完成したところで、一回目の宴会を開始した。
ウマヅラ、カワハギ、サンバソウの刺身を食べながら、ビールと焼酎で楽しんだ。これらの魚は、齋藤BOXで活かしていたので、鮮度抜群の状態で美味しかった。その後、お好み焼きの「アジト」という店に徒歩で行き、広島風のお好みとソバ焼きを食べた。かなりボリュームがあり、各自1人前しか注文しなかったのであるが、全部食べ切れなかった。宴会中に船頭からメッセージが届き、明日も5:30出船ということで、ロビーに4時集合ということになった。そして各自部屋に入った。
2日目は、5:30出船ということで、ロビーに4時に集合して出発した。この日も、安芸津駅近くのセブンイレブンで食糧を調達し、乗船場に向かった。到着すると、この日もタチウオ遠征の船が2隻あったため、通常の駐車場は満車状態であった。そのため、昨日と同じ場所に駐車した。
まずはクーラーの中を空にして、氷をビニール袋に入れて船まで運んだ。昨日、タックルは船が預かってくれたので、受け取って準備を開始した。釣り座は、昨日と同じで右舷トモから3人座った。トモの2人が釣り座を入れ替わった。
5:30に出船予定であったが、一人遅刻したため5:40頃に出船、すぐに船の後方でエサ切りを開始した。2日目は、ドライアイスで保冷状態の冷凍エビを、必要な分だけ解凍した。私はとりあえず、2袋(頭を落したエビ200グラム)解凍して切った。切った後は、どこのポイントに行くのか聞いて居ないので、仮眠してエンジンがスローになるのを待った。
←沖家室島の南にある灯台である。広島や山口では、不思議と灯台がある場所の近くに良いポイントがあることが多い。
エンジンがスローになったのは、この日も沖家室島の南であった。この日は、朝イチに良い潮がある事がわかっていたようで、釣り開始と同時に入れ食いとなった。このウマヅラは、始めは入れ食いでも時間が経つにつれて食いが悪くなり、やがて全く食わなくなるパターンが多い。このポイントも潮が止まると全く釣れなくなった。船頭は、遅刻が無かったら、もっと早くこのポイントに入れて、もっと釣れたのに…と言っていた。
その後、近くの別のポイントを攻めたが、暫くは、どこのポイントも魚は口を使わない状況が続いた。数時間が経過した頃、昨日の終わりに良く釣れたポイントを流すと、何故か食い気が出てきて、一時は入れ食いになった。私は、昨日の状況から、沖上り前に食いが立つと思っていたが、この日は、全然違うタイミングで良く釣れた。
しかし、このポイントも時間の経過とともに段々と食いが悪くなり、釣れなくなった。そして、船頭は「15分ほど移動します」とアナウンスして、南の方向に船を走らせた。暫くして到着したのは、小水無瀬島の北側であった。かつてこのポイントに来た事を覚えている。しかし、この日は、ウマヅラは殆ど釣れず、釣れるのはオセンばかりであった。近くの別のポイントも攻めてみたが、釣れるのは、やはりオセンばかりであった。
暫くして船頭は、このポイントに見切りをつけて、北の方向に船を走らせた。そして、到着したのは、またまた沖神室島の南のポイントであった。ただ、新しいポイントは、ちょっと東寄りの別のポイントであった。流し始めた直後は、潮流が流れていた。それでも釣れたのであるが、段々と潮が緩くなるにつれて、ひと流しで複数回投入出来るようになって来た。
その後は、食いも更に立ってきて入れ食いモードに突入となった。ここでは、水面でこぼれたアミエビを食いに、2mぐらいの浅い所まで浮いてきた。海中を覗くと沢山のウマヅラがアミエビを居って走り回っているのが見えた。船頭の指示する棚に下すと、本当に良くアタリがあった。しかし、このポイントのウマヅラは、ちょっと釣り慣れているのか鈎掛かりが悪く、巻き上げ途中にバレることが多発した。
←広島サイズのウマヅラである。広島まで来ると、このサイズのウマヅラを、パラダイス状態で釣ることが出来る。腕に自信がある方は、一度はチャレンジして頂きたい。ウマヅラって、釣れる時はこんなに釣れるんだと、認識が変わると思う。
暫くすると、潮が止まって逆方向に流れ出した。しかし、反対向きの潮は良くないのか、本当にポロっと誰かに釣れるぐらいの状況であった。この日も天気が良くて風も無く、絶好の釣り日和であった。楽しい釣りをしている時は、時間の経つのも早く、沖上りの15時を迎えた。釣り具を片づけて、釣り座の回りを掃除した後、魚の処置を開始した。
エア抜きしていたので、一匹も途中で死ぬことなくBOXの中で泳いでいた。締める上で元気が良いと、魚を掴み難いので送水を止めて少しBOXの海水を捨てた。掴みやすくなったところで作業開始。エラの部分から包丁を入れて締め、肛門から腹を割って、最後は口を切り落とした。この行程を全てのウマヅラに行い、終わったところで一匹一匹ハラワタを除去した。この時、ニガダマを残さないように慎重に除去した。
1時間程で作業は完了した。船頭が最後に写真を撮影するため、好きなように並べれるように、BOXに入れて氷を上から乗せた。その際、数を数えたところ44匹であった。結果、2日間で90匹釣った。これまでは、2日間で目標100匹としていたが、達成は出来なかった。
←何とか2日間で90匹を達成することが出来た。過去のように数が釣れなくなったので、久々の大漁である。今までこれぐらいは、広島の当たり前の釣果であったが、最近は難しくなって来た感がある。
帰りも停滞することなく、新幹線並みのスピードで、思っていたよりも早く帰宅することが出来た。帰宅して、煮付け用に大2匹下ろし、刺身を造って風呂に入った。風呂からあがってくると、煮付けが完成していた。鮮度の良いウマヅラの煮付けは、身がサクサクしていて非常に味もあり美味しい。嫁さんが、釣りたてのウマヅラは本当に美味しいね…と感想を漏らした。刺身も最後まで活かしていたので、本当に透き通っていて、弾力があり美味しかった。それとやっぱり生肝が最高に美味しかった。これは、釣り人の特権である。
沢山釣ったので、自宅だけでは消費しきれないため、前回、西田釣船に同行したシェフと、職場の上司にプレゼントした。後は、3日間の夕食用と残りは翌日に冷凍した。3日後、シェフが「熟成」させたウマヅラの写真と製法をLINEしてくれた。その写真を見ると、3日経つのに身の透明度が非常に高かった。プレゼントしてすぐに調理したのだろうが、3日も経った状態とは、本当に思えなかった。今後、私も「熟成」にチャレンジする予定である。上手く出来れば、一週間ぐらい刺身で食べることが出来る。もう一回大晦日に広島釣行を予定しているので、釣ったウマヅラを「熟成」してみようと思っている。
次回は、紀淡海峡のクログチ狙いである。今までの統計を見ると、12月にクログチが一番良く釣れていることが分かった。泉南の釣船は、2月~4月末まで出船することが多い。これは、12月はタチウオなどの魚が良く釣れるからで、何も釣れなくなってから、クログチ狙いに出ているようである。ただ、場所が場所だけに、少しでも風が強いと中止になる。今年は、穏やかな天気が多いので、行けることを期待している。