4月…今年も明石海峡での真鯛釣りである。この時期は、サビキで真鯛を狙う。仕掛けは、冬の鳴門の鯛サビキと同じであるが、鈎にはビニールではなく、毛糸の疑似餌を付けて釣る。恐らく海底をミミイカの子供が流れており、真鯛がそのミミイカを捕食しているので、毛糸の疑似餌に掛かって来るのだと思われる。ビニールより毛糸の方が疑似餌が小さく、アタリがあれば鈎に掛かる確率は高い。
←明石海峡大橋が、黄砂の影響で白く霞んで見えていた。中国から良い物は飛んできませんね。
今年は、理由がはっきり分かっていないのであるが、真鯛の釣果が例年に比べてかなり悪い日が多い。例年は、この時期にボーズになる人は少ないのであるが、今年はかなり多く発生している。実は、私も4月1日に釣行して、アタリが一回だけの「完全ボース」になってしまった。ボーズで終わってしまった釣行は、殆ど記憶にない。
前日の釣果は、トップ2桁とこの時期としては、例年並みの状況であった。前日これだけ釣れたのであれば、今回はボーズにならないと思っての釣行であった。天気予報は、風も無く釣り日和であった。当日、朝4時に起きていつものように準備を済ませ、5:20頃に自宅を出発した。そして、JRの一番電車に乗り、六甲道から須磨まで乗車した。須磨駅に到着し南西側の階段を降りると、船頭の軽トラが止まっていた。すぐに荷物を積んで、乗船場所に向かった。
乗船場所に到着すると、右舷のトモから2番目に座るよう指示があった。私が乗船したところで出船となった。すぐに探検丸とタックルの準備に取り掛かった。ただ、私は竿に糸を通してきているし、仕掛けも用意した板から外すだけなので、直ぐに終わった。この日の真鯛狙いのタックルは、竿:シマノ 海春 30-330、リール:ダイワ 紅牙IC 150H、道糸:PE1号、仕掛けは自作鯛サビキ8本鈎、オモリは船頭の指示で50号を使った。
港を出て15分程でエンジンがスローになった。この日の一つ目のポイントは、鯛が良く釣れる垂水の沖合であった。到着した時は、まだ少し上りの潮が残っていたが、暫くすると引き潮が流れ出した。私は、この引き潮の流れ出しに時合があると思っていた。しかし、探検丸に良い映りも出ず、時間だけが過ぎて行った。
暫くしてちょっと映りが出てきたとのアナウンスがあった直後、私に待望のアタリが来た。穂先がじわっと入った後、コンコン、コンコンと真鯛独特のアタリが伝わって来た。良し、何とかコイツを取り込むぞ!と同一速度で巻き続けた。途中、何回も引き込んだので、鈎掛かりしていると思っていた。そして、あと10mを切った時、引き込まれた後、穂先が跳ね上がり鈎はずれとなってしまった。もう少しの所まで上げていたので無念であった。
その後も同じポイントを攻めたが、誰にも当たらず少し移動した。次のポイントは、水深75mから50mぐらいまで浅くなってくる所であった。探検丸を見ると、駆け上がってくる途中に映りが出ていた。船頭は、現在の水深と魚の映りの状況をコマメにアナウンスしていた。
私は探検丸があるので、アナウンスされていることが見えていた。そして、その棚に合わせて巻き上げていると、本日2回目のアタリが来た。今度は、初めから穂先が引き込まれた。その後、ドラグから何回も糸が引き出された。「これは間違いなく良型、取りたい!!!」と心でつぶやきながら巻き続けた。そして、遂に水面に真鯛が姿を現した。よく見ると、もう一匹下の鈎に掛かっているのが見えた。慎重に幹糸をたぐって2匹ともゲットすることが出来た。これで前回からのボーズを脱出出来てホッとした。
これで今晩、娘の友達が来るので、鯛の炙りを食べさせてあげれると一安心した。そして次の流し、同じように巻き上げていると、またまた初めから強く引き込まれるアタリが来た。今回の方が、先程の鯛より力強い引き込みが何度もあった。取れたら良型なのが分かっているだけに、スリル満点であった。そして、魚の姿が見えてきた。良型の真鯛だ、慎重に船頭の差し出す玉網に誘導して3匹目をゲットした。私が釣った3匹は、ラッキーなことに良型ばかりであった。
←釣れた真鯛は、直ぐにエアー抜きすると、帰るまで元気に泳いでいる。真鯛は、何時見ても奇麗な魚だと思う。
その後はアタリが無くなり、明石海峡大橋の舞子側のケーソン周辺に移動してみたが、アタリは出なかった。そして、最後に元の場所に戻って粘ってみたものの、青物が1回当たっただけで、12:30の沖上りとなった。本来であれば、昨日よりこの日の方が釣れる確率は高い潮なのだが、自然は本当に分からない。
←良型の真鯛である。この日は、この3匹で竿頭となった。しかし、いつ見ても明石海峡の真鯛は奇麗で、尾鰭の形と長さにしびれる。
この日の船全体の結果は、私が3匹で他の人は1~2匹、ボーズが半数であった。この日の潮でこの結果は、今までに無い悪い状況だと思った。本来なら1人2桁の釣果があってもおかしくない時期である。今年は、毎日状況が異なり、前日結構釣れていても、翌日は全く釣れないということが多発している。他船の釣果を見ても、どこも良く釣れているという釣果を見かけない。今年は、真鯛が例年より少ない感じがする。私の春の真鯛釣りは、これで終わりとする。
帰宅してお産のため帰ってきている娘と、おやつと言いつつ、真鯛の炙りを造って食べた。皮と身の間の脂がなんとも言えない美味しさであった。そして、夕食は、娘の友達が来てうどんすきを食べた。うどんすきの前に、予定していた鯛の炙りを造ってみんなで食べた。流石に皆さん美味しそうに無言でパクパク食べていた。
今日釣った鯛は、大きな真子と白子が入っていた。もうすぐ産卵すると思われる。料理していて内臓を除去していると、消化していないミミイカが出てきた。大きさは、使っている毛糸とほぼ同じであった。このミミイカを捕食している時は、魚皮のサビキでは釣れない。手間かもしれないが、毛糸でミミイカを作って持参することをお勧めしたい。
←翌日、料理をしたところ、内臓から「ミミイカ」が出てきた。丁度、毛糸のミミイカによく似た大きさであった。真鯛がミミイカを捕食している時の判断は、真鯛の肛門を見れば大体分かる。イカ墨で黒になっていることが多い。
さて、今年も私の釣りが本格的にスタートする。年末までの釣行計画を立てて、仲間と釣船の予約を済ませた。クログチ、アコウ、剣先イカ、鬼アジ、秋の真鯛、ウマヅラ…と、美味しい魚を釣る計画である。今年は、何が沢山釣れるか楽しみである。半年以上前からの予約なので、リスクを覚悟の上の計画である。最近は皆さん予約を早く入れる傾向にあるので、釣れているから予約を入れようとしても、殆どだいぶ前から満船になっていることが多い。
次回は、紀淡海峡のクログチ狙いである。釣果を見ていると、冬より春の方が良く釣れている。私が初めてクログチ釣りに行ったのは5月初旬で、その時は良く釣れた。どこの釣船も4月、5月になると、色んな魚が釣れるようになるので、あえてクログチ狙いをしないのかなあと思っている。何より食べて美味しいので、大きいのを沢山釣りたい。