2022年11月18日 盛和丸のタチウオ

盛和丸

何と4年振りのタチウオ釣りである。何で4年…コロナの事もあるが、私は、タチウオ釣りが、そんなに好きで無いからである。その理由は、釣って帰ったタチウオを、当然家で食べるのであるが、この魚、何かクセがあって、1回は食べて美味しいのであるが、2回続けて食べる気がしないからだ。そのことは、家族も同じことを言うので、沢山釣って帰っても喜ばれない。ただ、新鮮なタチウオの刺身は、家族の評価が高いので、久し振りに食べたくなり、釣行してみることにした。

←盛和丸である。春の真鯛の時に乗船することが多い。JR須磨駅まで送迎もしてくれるが、徒歩でもすぐ近くである。

ここ数年、日本のあちこちでタチウオテンヤの釣りが流行り出した。今までは、大阪湾と広島ぐらいしかやっていないと思っていた。ところが最近の釣り番組を見ていると、やたら「XXのテンヤタチウオ釣り」という番組を多く見掛ける。タチウオがこんなに色んな所に生息していたのかと、番組を見て初めて知ることも多い。特に沖縄のミナミタチウオの大きさには驚いた。

テンヤ

今の季節であれば、日の出が遅くなってくるので、出船時刻も遅くなり電車釣行が可能になる。本来は車の方ばかりなので、全員揃ったら出船…ということになるが、一番電車であれば、車の方の集合時刻と変わらないので、電車釣行の客も待ってくれる。この日も5:20に自宅を出発、JR六甲道5:29の一番電車に乗り須磨駅を目指した。20分程で到着して駅の階段を登ると、海側に盛和丸の軽トラが止まっていた。

←久々に使ったタチウオテンヤ。最近、各メーカーから色んなヘッドデザインの物を販売しているが、釣具店の方に聞いたところ、昔の物を使っても釣果に変わりはなく釣れるとのことであった。実際に私、そして隣の上手い方も、この古い物を使い良く釣れた。

階段を降りて挨拶を済ませ、すぐに荷物を荷台に積んで乗船場に向かった。他のお客さんは揃っており、私が乗り込んだところで出船した。ポイントは神戸沖なので20分ぐらいのところである。このところ、余り潮の大小に関係なく良く釣れている。何とか持ち帰れるサイズが5匹釣りたいなあ…と思っていた。

この日のタックルは、竿:ダイワのメタリア・タチウオテンヤSP 215、リール:SEABORG 200J、道糸:ソルティガセンサー1.5号、市販のタチウオテンヤ40号、リーダはフロロの8号を1ヒロ、餌は船で配られるイワシを使った。

ポイントに到着して、すぐに釣り開始となった。「水深は80mぐらいで結構上の方にも浮いている」とのアナウンスがあった。テンヤを投入してまずは70mぐらいで止めて、ストップアンドゴーで誘い上げてみた。すると朝イチは、アタリがすぐに出た。周りの方にもアタリが出て、小型中心に入れ食いとなった。

ドラゴン

私は、一回目は鈎に掛ったものの途中でバレてしまった。2回目のアタリはガッチリ掛り、何と一匹目から95cm程の良型が上がって来た。こんな型を5匹釣りたいと思っていたが現実は厳しい。その後は、60~70cmぐらいの小型ばかりが釣れた。何とか食べれる大きさのタチウオはキープするものの、小型はすぐにリリースした。生簀は、ガラガラの状態が続いた。

そんな中、一生懸命釣っていると、今までにない強烈なアタリが来た。掛け合わせると、一気に竿が水中に引き込まれる程の強い引きが伝わって来た。バレるなよ…と心でつぶやきながら電動のスイッチをコントロールして水面まで巻き上げた。隣の方が「ドラゴンや」と言ったので、先糸を手繰ってタチウオを船に引き込んだ。110cmはある立派なタチウオであった。

←刺身を食べるために何とか釣った良型タチウオ。これで任務を遂行出来てやれやれ…。釣れる魚の大きさは選べないのが辛い。

もう一匹釣りたいなあ…その後も気合を入れて頑張るも、釣れるのは小型ばかり…。朝イチは入れ食いであったが、時間が経つにつれて、タチウオからのアタリが遠のいて行った。タチウオ釣りでは、このパターンが良く有る。もうすく沖上がりの時間が近づいて来た。船頭は一発狙いで、水深100m程のポイントを攻めた。すると私にはアタリも無かったが、数匹のドラゴンサイズが上がったようであった。

そして時間が流れて、12:30頃に沖上がりとなった。私の釣果は、リリースを合わせると30匹程釣ることが出来た。持ち帰ったのは15匹程であった。色んな釣船の釣果を見て、小さいサイズが多いなあと思っていたが、釣れるタチウオは、本当に小型が多かった。

船頭に須磨駅の階段下まで送ってもらい、階段を上がると改札前に結構人が立っていた。えっ…まさか人身事故???その予想は当たっていた。タチウオは当たらないのに悪い予感は当たるのであった。駅員に尋ねると、今のところ再開は何時になるか分からないとのことで、私鉄の振替で帰ることにした。

船団

嫁さんに連絡したら、今、運転再開したみたいとの連絡が来たので、再びJRの改札に行くと、先程は真っ黒になっていた電光掲示板に電車の時刻が表示されていた。改札を通ってホームに降りると、丁度快速が止まっており、乗車するとすぐに発車した。前に沢山の電車が止まっていたのでノロノロで走ったが、苦労せずに六甲道まで帰れた。電車釣行は、時間通りにスケジュール出来るが、想定外の事で、遅れることが良く有るのが欠点である。

←神戸沖のタチウオ船団。本当に凄い数の船が集結していた。一人10匹釣ったとして、一日に釣り上げられるタチウオの数は途轍もない数になる。それが毎日となると、何匹生息しているのか想像出来ない。

帰宅して早速タチウオの刺身を造って食べた。ネットでタチウオの炙りを調べると、何種類かの刺身が紹介されていたので、①炙り、②皮に細かく切り目を入れる造り、③細かく細く切る造りの3種類を造って食べた。今まで我が家では、②の造りを食べていたが、①と③も確かに美味しかった。今後もこの3種類の造りを造って食べるようにする。

次回は、今年最後の鬼アジと鯛狙いを予定している。明石海峡で釣れる鬼アジは非常に美味しいので、もう一回釣って食べたい。今年は、例年より良く釣れた。逆に真鯛が釣れなかった。温暖化の影響なのか?そろそろ来年の釣り計画を立てる時期となった。一年前の予約は、釣れても釣れなくても行かなければならないリスクがある。そのリスクを背負える人しか、他人より良い釣りは出来ない。