前回は、久々にターゲットの魚(真鯛)が、ボーズに終わった。状況を見続けると、その後は釣れていたので、最悪の日に釣行してしまったようであった。自然相手の釣りは、そんなこともある。5月の後半からは、明石海峡で釣れる魚の最高峰「アコウ(標準和名:キジハタ)」の釣期となる。今回は、今年度の初回である。
←コロナも収束か、良く見ると観光バスが連なって淡路側に走って行くところが見えた。
私は、この美味しい「アコウ」を沢山釣って、知人に食べさせたいと思い、今まで情報を収集して、広島や若狭にも釣行した。そして、釣って来たアコウを料理して、その味を自分で確かめてみた。その結果、今からお伝えすることは、あくまでも私個人の意見として聞いて欲しい。
一番美味しいと感じたのは明石海峡の物で、噛めば身から味が出て来て最高と思える味であった。次に美味しいと思ったのは広島の物で、明石の物ほどしっかりとした味は無いが、そこそこ身に味があった。そして残るは若狭の物、若狭のアコウは、死ぬと魚体が黄色くなる特徴がある。刺身で食べると何となく味が無い感じであった。同じ釣り場で釣って帰った釣り友も、同じ判定であったので、私の判定も間違っていないと思う。この味の差は、察するに食べている餌と思えた。明石・広島では「活けエビ」を餌に使うが、若狭は、事前にサビキで釣るアジかサバが餌である。
明石海峡で、その貴重なアコウを専門に釣らせてくれる釣船は、ほぼ無いに等しい。釣れる場所を知らない、釣るための餌を用意出来ないからである。タイラバでも時々釣れている釣果情報を見掛けるが、一日で何匹も釣れていない。広島では、「アコラバ」というルアーで数釣っている船がある。
この日の予約は、アコウが狙える潮止まりの時刻を確認して決めた。海峡の潮止まりが、朝5時と10時の2回あり、12時までに決着が着くことになる。西田さんと2日前に最終調整をして、当日の出船は、岩屋港で4時頃に決まった。そのため4時に集合することとなった。
3:10にMK氏が迎いに来て下さり出発、コンビニで食糧を調達した後、阪神高速に乗って明石海峡大橋を渡り岩屋港に4時ぐらいに到着した。既にもう一台の車は到着していて、DAISUKEさんと朝の挨拶をした。西田さんも既に来ており、3人揃ったところで釣り座のくじ引きをした。その結果、MK氏がトモ、私は「2番」で左舷前、DAISUKEさんが右舷前の釣り座となった。
この日は、朝イチの時合を狙っての岩屋港出船である。釣り座が決まった後、すぐにタックルの準備に取り掛かった。この日のタックルは、鯛とアコウを一本の竿にしたいので、竿:腰に張りのある7:3調子で、ある程度長い竿が良い。そのためダイワ極鋭真鯛360を使った、リール:ダイワSEABORG 200J、道糸:ソルティガセンサー2号、仕掛けは、アコウ狙いは胴突き1本鈎仕掛け、オモリは60号を使った。
皆さん準備が出来た4:20頃に出船した。船は、15分程で垂水沖のポイントに到着した。そして、期待の第一投…オモリが着底し、棚を取り直した直後、私にいきなりアコウからのアタリが来た。急がずにじわっと聞きを入れたら食っていたので合わせを入れた。すると、かなりの重量感が伝わって来たので、アコウであることが確信出来た。
巻き上げに入り、電動のレバーを回したのであるが、スプールが回らない!。準備の際にドラグを締めて無かったことに気付き、ドラグを締めると巻き上げに入った。大型のアコウは、巻き上げ途中でかなり突っ込む事が予想された。そのため、突っ込んだ時にドラグをすぐに緩める体制を取っていた。するとやはり、かなり巻き上げたところで、凄い突っ込みがあった。それを耐えると水面に姿を現した。デカい…玉網で掬うと50cmぐらいに見えた。
良し、今始まったばかりなので、ひょっとしたら今日は2桁釣れるかも…と非常に甘い期待が生まれた。しかし、現実は厳しく、その後釣れ上がってくるのはカサゴばかり。但し、カサゴと言っても活けエビ餌に掛って来るのは、25cm程の良型ばかりであった。仮にアコウが釣れなくても良いお土産になる。
右舷のDAISUKEさんに2回、アコウと分かるアタリがあったのだが、2回とも巻き上げ途中でバレてしまった。ご自分でアタリがあってから、合わせるのが早過ぎたと言っておられた。その後、40cmクラスのアコウを見事ゲットされた。私も潮の方向が変わってから、40cmクラスのアコウをゲット出来たところで潮が速くなり、鯛釣りにチェンジとなった。
西田さんの話によると、6月1日頃から海水の透明度が良くなり、鯛が全然釣れなくなったと嘆いていた。沖で海中を見ても透明度は分からなかったが、休憩で港に入ると、海底が手に取るように分かるぐらい澄んで見えた。松帆前や江崎灯台下、そして西の鯛のポイントに行ってみたが何の反応も無かったので、一旦、岩屋港で休憩することにした。
←この日も沢山の釣船やプレージャボートが集結していた。最近、青物が釣れ出したようだ。
港に船を係留すると、西田さんが「齋藤さん、喫茶店に行くのなら、すぐそこに新しい喫茶店が出来たんや…」と新しい店を教えてくれたので行ってみた。開店したてなので、岩屋にこんな綺麗な喫茶店は似合わないと思うぐらい綺麗な店であった。3人で釣り談義をした後、船に戻ってアコウの後半戦の準備をした。
9時頃に再出船、アコウのポイントを目指した。15分程で到着し、後半戦がスタートした。既に潮が緩くなっており、あと30分ぐらい早く着て置くべきだったと思った。アコウは、余り潮が緩いと食わない。仕掛けを下ろすとカサゴばかり釣れた。潮の方向が変わり、ちょっと流れて来た時、私に40cmクラスのアコウが釣れたが、その後は潮が速くなってしまい、アコウ狙いが出来ない状況となったため終わりにした。
この日は、早朝から出船してくれたので、もう沖上がりで良いと思っていたが、時刻が早かったので最後に鯛釣りを少しだけやることになった。再度、鯛の仕掛けをセットして合図を待った。私は、どっちみち釣れないのに…と思っていたが、何故か私にファーストヒット!上がって来たのは35cm程の鯛であった。その後もポロポロと釣れて、鯛が全員に釣れたところで沖上がりとなった。メチャメチャ速い潮なのに、鯛が釣れたことについて本当に驚いた。流石西田釣船である。結果、私はアコウを4匹(ミニ含む)、鯛3匹、カサゴ25匹であった。
全体の結果は、アコウ5匹、真鯛6匹、各自カサゴ2桁であった。今年最初のアコウ釣りであったので、もう少し釣れることを期待していた。潮も良い日で、これだけしか釣れないということは、釣り荒れてしまっているのかもしれない。
←悲しいが、これで3人の釣果である。アコウは丸々と肥えていた。逆に真鯛は産卵後で、痩せていた。この日は、不思議と外道の名物、青物とコブダイが一匹も釣れなかった。
この日、期待はしていたが、本当に大型のアコウが釣れたので、先日、熊本でお世話になった割烹「梅鉢」に送ることにした。熊本も天草辺りで美味しい魚が沢山獲れるようであるが、アコウは、明石海峡の物が一番美味しいと思っているので、一度確かめて欲しかったからである。感想は、後日聞けたら報告する。
この日の夕食は、嫁さんとアコウの刺身を食べた。やっぱり私が釣って来る魚の中で、一番美味しいと思った。この身の弾力、噛んだ時の味…マイナスの要素が見つからなかった。来週もアコウ釣りに釣行を予定している。釣れる時に集中攻撃することが、アコウをゲット出来る確率に繋がる。