前回乗船した2月26日は、カサゴと鯛を狙ってみる…という前提の釣行であったが、早過ぎたのか真鯛の魚影は無く、カサゴオンリーの釣りになった。しかし、今回は真鯛の気配があるらしく、真鯛メインにカサゴも狙うと言うことであった。予約の際、私は有給休暇が残っていたため、25日を休みにしており、25日か26日のどちらでも釣行可能であることを伝えた。結果、25日に決めたが、もし天気が悪かったら26日に行くことになった。
←真鯛のポイントには、主にタイラバの釣船が集結していた。確かに集まるだけの理由を釣っていて感じた。
今回用意した鯛釣り仕掛けは、毛糸で作った疑似餌を使ったサビキ仕掛けだ。本当に安くつく疑似餌である。私は、幹になる部分を仕掛け巻きに巻いて持参し、船上で癖の付いて居ないハリスをセットするようにしている。一時、使う鈎にこだわっていたが、結論としては、安価で丈夫な小鯛鈎やグレ鈎で十分ということになった。鯛釣で大事なことは、その時に海底を流れている餌の疑似餌を使うことである。この日は、ミミイカが流れているということで、毛糸を使った。
釣行日が近づいて来て、25日の天気は良く26日は大荒れの予報となり、予定通り25日に行くことになった。当日は、いつものように準備を済ませ、5:20頃に自宅を出発した。そして、JRの一番電車に乗り、六甲道から須磨まで乗車した。この日は、金曜日ということが原因なのか、結構座席が空いて居た。20分程で須磨駅に到着し西側の階段を降りると、船頭の軽トラが止まっていた。階段を降りると車から出て来て、私の荷物を荷台に積んでくれた。
駅から乗船場に向かった車中で、状況について確認した。というのも、前日の仙正丸の釣果を見ると、2時間ほど鯛を狙ったが釣れなかったと書いてあったためだ。船頭は、間違いなく気配があるので、釣れる可能性が高いとの回答であった。会話している中、かなり気持ちが高まっていたので、普通に釣れば釣れることが予想された。
この日の乗船客は6名、私は右舷の真ん中に座るよう指示された。乗船後、私が乗船者名簿を書き終えると、船はすぐに出船した。そして、急いで鯛釣りの準備を始めた。真鯛狙いのタックルは、竿:がまかつ:がま船 真鯛 HYPER SPEC 360(既に廃版)、リール:シマノ Force Master 400DH、道糸:PE1.5号、仕掛けは自作鯛サビキ8本鈎、オモリは40号を使った。
港を出て20分程でエンジンがスローになった。この日の一つ目のポイントは、岩屋港のだいぶ沖合であった。実績があるためか、タイラバに出ている釣船が多数集結していた。見渡すと、虎之助、高砂屋などタイラバで人気のある釣船が既に流していた。
←探検丸には、良い潮になると鯛の魚影が沢山映し出された。釣れた時は、本当に良い映りが出ていた。水深や魚影の有無と棚の高さを見るのに、探検丸は本当に便利である。お客に釣らせるためにも、釣船は設置すべきだと私は思う。
緊張の一流し目、映りはあるものの一人がバラシたとのアナウンスがあった。私にはアタリは出なかった。2流し目、巻き上げと落しを繰り返していると、巻き上げ途中で穂先に重みを感じ、そのまま巻き上げているとコンコンコン…と真鯛独特のアタリが伝わって来た。更に巻き続けると、竿が根元から曲がって、水中に引き込まれた。これで鈎掛りである。引き込まれた時は、ドラグが効いて道糸が引き出された。結構、良型の真鯛だと感じた。
その日の一匹目はバラしたくない。バラしてしまうと一日中不安感が付きまとう。バレるなと心でつぶやきながら巻き続けると、仕掛けが見えて来た。上から3番目の鈎に真鯛が掛っていた。船頭の差し出す玉網に収まったのは、50cmはある綺麗な雌のベッピンさんであった。これでボーズ脱出である。
イケスに入れると、鰭が入り切れない程の良型であった。エアー抜きでエアーを抜くと、腹を向けずに泳いでいた。そして次の流し、船頭が良く映っているとのアナウンスを出した直後、またまた巻き上げ途中に重みを感じた後、竿が引き込まれた。その力は、先程の鯛よりも強く、リールから5m程道糸を引き出した。竿を持ち上げて巻き上げの体制を作ろうとするが、何回も引き込まれ竿が立てれなかった。
しかし、耐えていると段々と巻き上げ出来るようになってきた。途中で抵抗を続けていたが、遂に水面に姿を現した。デカイ真鯛だ、船頭の差し出す玉網に収まり、船頭は釣れたことを非常に喜んでおられた。この鯛、イケスに入れると先程の鯛より大きく、エアーを抜いても泳ぐことが出来ない状況であった。(帰りに測ったら61cmあった)
魚を外して直ぐに仕掛けを投入した。すると仕掛けが底に着くぐらいに何か変な違和感を感じた。巻き上げるとそのまま穂先が海中に入ったが、ピョンと返って来て鈎掛りしなかった。惜しいなあ…一流し2匹のチャンスを逃した。仕掛けを上げると、鈎の強靭さがウリのV2セレクトグレがカエシの部分で折れていた。次の流しもまたまたアタリが来た。重みが乗った後、コンコンコンとアタリが出た後、竿が引き込まれた。ただ、先の2匹程引きは強く無かった。暫くして上がって来たのは、40cm程の真鯛であった。
その後は、急に潮が緩くなってしまい、魚影も消えてしまった。暫く釣り続けたが、私にメバルが一匹釣れただけで、時間だけが過ぎて行った。そのような状況が続いたので、集まっていた他の釣船は、舞子側のポイントに移動して行った。盛和丸もこのポイントを諦めて舞子側のポイントに移動した。
船頭は、新しいポイントに到着した後、魚探で鯛の居る場所をチェックしていた。その状況は、探検丸が見れるので私も良く分かった。一流し目は、魚が映っていた場所を流れなかったのでハズレになったが、2流し目は魚群の中を通ったため、私にアタリが出た。真鯛のアタリが出て鈎掛りしたのであるが、明らかに魚が小さかった。上がって来たのは、玉網も必要のない30cm程の鯛であった。
その後、同様のアタリがもう一回あったが、鈎に乗るまで至らなかった。それからは、真鯛のアタリは出ず、カサゴ釣りにチェンジすることとなった。カサゴ狙いと言っても、真鯛狙いと同じポイントであった。真鯛を狙うかカサゴを釣るか、判断は釣り人に委ねられた。真鯛狙いは、最後にもう一度やるということで、タックルはそのままにして、新しくカサゴのタックルをセッティングした。
船頭の「やってみて…」のアナウンスがあり仕掛けを投入、水深は60m位の所であった。暫くすると、クックックックックッ…とカサゴ独特のアタリが出たところで、少し合わせを入れ電動のスイッチをON。上がって来たのは、カサゴの20cm程のレギュラーサイズであった。船頭は、出船前にカサゴの型がちょっと小さくなって来たと言っていたが、ミニサイズが釣れることなく、そこそこの型のカサゴが釣れ続いた。
そして12時を過ぎた頃に、この日最後のポイント移動となった。朝に真鯛を釣ったポイントをもう一度狙ってみた。しかし、探検丸を見ていたが、朝のような魚影は無く、諦めて垂水の沖にある沈船周りでカサゴを狙って13時に沖上がりとなった。朝の時合がもう少し長く続けは、5匹以上真鯛をゲット出来たと思う一日であった。
←この日の釣果は、真鯛4匹とメバル1匹、カサゴ26匹であった。一番大きい真鯛は、61cmあった。この日釣れた真鯛は、4匹とも肥えていた。
この日は、こんなに良型の真鯛が釣れると思っていなかったし、電車釣行なので、クーラーは21Lを持って来ていた。当然大きな真鯛は入らないので、帰る直前までイケスに氷と一緒に冷やして、荷物を入れて来たバックに入れて帰った。すると、まだ完全に死んで無かったのか、電車の中でバタバタと暴れて、周りの人から変な目で見られてしまった。
帰宅して昼食を食べた後、良く日本酒を送って下さる関東の友人に、真鯛の刺身と煮付け用とカサゴを調理して宅急便で送った。残りは3日間のおかずと、食材が無い時のために冷凍した。これだけ釣れると沢山冷凍に出来た。
この日の夕食は、カサゴの煮付けと真鯛を茶漬けにして食べた。カサゴの味は、いつもそんなに変わらないが、この日の真鯛は、肥えていて脂が乗っており、皮を引くと包丁に脂がベタっと着くぐらいであった。当然食べても、秋のもみし鯛と同じぐらい美味しかった。
まだ、サビキの鯛釣は始まったばかりである。今回良く釣れたので、4月にもう一回行く気になり既に予約してしまった。3月12日は、本当に釣れなかったクログチであるが、このところの情報によると、釣果が上向いていた。広島では時期が無いみたいだが、紀淡海峡では、良く釣れる時期があるようである。状況を見て再チャレンジしたい。