2022年3月12日 小島丸のクログチ

小島丸

昨年、大阪湾でもクログチが釣れることを知り、クログチ狙いで小島港から出船している小島丸に乗船した。初めての対象魚であったが、14匹釣って竿頭になった。広島では「釜借(カマカリ)」と呼ばれ、あまりにも美味しいので、「釜ごとご飯を借りるほど美味しい魚」という意味らしい。非常に美味しい魚ということなので、釣って食べることを楽しみにしていた。食べた感想であるが、無茶苦茶美味しいとは言えないが、確かに美味しい魚だと思った。

←仕立てた「セブン小島丸」。この日は8人だったので、間隔も広く快適であった。料金は、土日祝日は10人まで70,000円である。8人揃えばそんなに高くつかないし、知った仲間だけとなるので、楽しい釣りが出来る。

見た目にシログチそっくりであるが、身はシログチよりしっかりしていた。刺身良し塩焼き良しと、白身で色んな料理に使える魚だなあと思った。ネットで調べたところ、瀬戸内海には少なく、大分や宮崎辺りで良く食べられている魚のようであった。そんなに沢山獲れる魚ではないので、市場に出回ることは少ない。私も色んな魚屋で魚を見て来たが、シログチを見たことがあるが、クログチは見たことが無い。

前回は、何より初めて狙う魚であったため、どんなタックル・餌で釣るのか、調べた結果で望むしかなかった。しかし、今回は前回経験して分かった事を考慮して準備した。竿、仕掛け、餌、適していると思える物を集めての釣行となった。今回の釣行は、クログチを釣ったことがないという釣友に声を掛けたところ、8名集まったので仕立てでの釣行となった。

当日朝3:30にM氏が迎いに来て下さり出発、次に西宮の毛糸先生の家に向かった。山手幹線を通って行ったのであるが、信号機がやたら沢山設置されているように思えた。また、信号機が意図的に幾つかおきに、引っ掛かるように設定されていた。そのため2号線を通った方が良かったということで、帰りは2号線を通って帰ることになった。

その後、湾岸線から阪和道を走り、高速を降りた後は26号線を使って5:20頃に小島漁港に到着した。もう一つのグループは既に到着しており、8人揃ったところで釣り座の抽選を実施した。この日のルールは、2つのグループ分けを決めており、くじで一番を引いた人の属するグループが、船の前方か後方か選択し、それぞれのグループ内でくじ順に釣り座を決定した。結果、私は左舷トモとなった。

皆さん準備が出来た頃、小島港から沢山の釣船が出船し始めた。そして予定通り6時丁度に出船した。船は、地の島と友が島の北側を通って紀淡海峡を目指した。途中、南方を見ると中の瀬戸で加太の釣船が沢山固まっているのが見えた。このところ広島の釣船に乗っていると、凄く速度が速いので、何となく「もっと速く走られないのか…」と思ってしまった。

タックル

←この日のタックルである。竿:ダイワ剣崎60-270MT、リール:SEABORG-300、道糸:PE2号に統一、オモリ:80号に統一、仕掛けは自作胴突き2本鈎仕掛け、餌は、サバかサンマの切り身を各自用意して頂いた。(船でも販売あり)なお、船に電源はあるのだが、昨年釣行した時に、300番の電動の動きが不安定であったので、今回はバッテリーを持参した。

7時ぐらいにポイントに到着すると、既に10隻ぐらいの釣船が居た。どの船もクログチ狙いのようであった。このポイントは、昨年来た際に帰る寸前に釣った所で、昨年は良型のクログチが釣れた。期待を込めた一流し目、水深は120mくらいと船頭からアナウンスがあった。実際には更に5m程糸が出て着底した。底を丁寧に探っていたがアタリは無かった。クログチのアタリは結構はっきりとした強いアタリである。

2流し目、暫くすると隣の毛糸先生にヒット、竿の動きからしてクログチと分かる引きであった。何より水深が深いので、上がって来るのに時間が掛る。やがて船頭の差し出す玉網に収まったのは、40cm程の本命クログチであった。釣れることが分かり真剣に探っていると、遂に私にもクログチがヒットした。ゴンゴンゴン…と強いアタリが来たので、合わせを入れると鈎に乗った。

巻き上げ開始から、かなりの重量感が伝わって来た。何より一匹目なのでちょっと慎重に巻き上げた。電動が停止したので、ハンドルを巻き上げながら海中を覗くと、何とクログチのダブルであった。仕掛けを掴んで2匹を船中に放り入れゲット。今日は、晩飯のおかずが出来てホッとした。

この時は、潮の流れが緩く、再び仕掛けを下ろした毛糸先生に再びヒット。それを見た私も、直ぐに仕掛けを投入した。すると潮なのかポイントなのか、私にも再びヒットし3匹目をゲットした。周りを見ていると右舷トモのM氏にもヒット、M氏もダブルでクログチを釣り上げた。これだけ釣れたので、次の流しに期待が高まった。

3流し目、暫くして私に4匹目がヒット、その時は気付かなかったのであるが、釣り上がったのはシログチであった。その後は、何故かほぼ何も釣れなくなってしまった。この日、近くの他船を見ていたが、私はクログチが釣れている所を一度も見なかった。そして、暫くすると潮が流れて来たので、揃って北の別のポイントに移動となった。

移動する際、クログチ狙いを続行するか、カサゴ狙いにチェンジするか聞かれたので、相談した結果クログチ狙いを続けることになった。暫く走って北のポイントに到着、すぐに仕掛けを下ろしたのであるが、水深は先程のポイントより深く150m。深くても釣れれば良いのであるが、誰にも全く釣れない状況であった。船頭も流石に諦めた様子で、カサゴ狙いに変更しようということで移動となった。

移動の間に仕掛けとオモリを変更した。また、餌もクログチの時より小さい餌を用意した。移動して来たポイントは、小島港のすぐ前であった。岸からそんなに遠く無いので浅いのかと思ったが、仕掛けを下ろすと50mぐらいの水深であった。ちょっと底を引きずるようにしていると、クックックックッ…とアタリがあり、合わせたが鈎に乗らない。隣の毛糸先生が釣り上げたカサゴを見ると、明石海峡ではミニサイズと呼ばれる大きさであった。

そのため、仕掛けを上げて、更に餌を小さく切って付けた。これが良かったのか、カサゴが鈎に乗って来た。このポイントのカサゴは、餌が大きいと食いに来ないことが分かった。明石海峡では、餌が大きくても食いに来るのであるが、ちょっとパターンが違うようであった。ポロポロと釣れる程度で、10匹程釣ったところで12時の沖上がりとなった。

釣果

←本日の釣果である。締めて並べて気付いたのであるが、4匹中一番上の1匹は、シログチであった。同じ場所に居ることも判明した。クログチは、見た目がシログチにそっくりである。しかし、シログチに比べて非常に美味しい魚である。

テレビ番組の解説によると、「広島では季節に関係無く何時でも釣れる魚」と言っていたので、この日の予約を入れた。しかし、釣り荒れなのか時期が違うのか、2週間前も殆ど釣れていなかった。時期ということであれば、今後の釣果を見て、釣れていたら再度チャレンジしたいと思う。今回の釣行で、タックル、仕掛け、餌は、用意して行った物で適合していると思った。

この日は、風も無く波も無く申し分ない天気であったが、魚は居ないのか食い気が無かったのか、本当にアタリが無く暇な一日になってしまった。下船する際、お母さんも「天気は申し分なかったのにね…」と言ってくれた。自然相手である遊びは、自分で状況を変えれないので諦めるしかない。しかし、逆の結果になることも良くあるので、一日一日精一杯やるだけである。

帰宅して直ぐに、クログチの炙りを作って食べてみた。トーチで皮を炙ると、皮の切れ目に脂がにじみ出て、口に入れると脂が口の中に広がり、とても美味しかった。ああ…やっぱり美味しい魚だなあと痛感した。私の感想であるが、この魚は真鯛より美味しいと思った。真鯛より身がしっかりしていて、噛み応えもあった。夕食では、塩焼きにしてみたが、これも味があって美味しかった。翌日は、フライにして食べたのであるが、タルタルソースと相性バツグンと思った。

食べてみて、これだけ美味しいと、また釣って食べたくなった。この先、釣果をしっかりと確認して、釣れていたら会社を休んででも釣行するつもりである。このところ急に春の陽気になってきた。しかし、6月まではこの魚が釣りたいというターゲットが無い。真鯛かメバルぐらいである。暇なので仕掛けを作ると、なんぼでも出来てしまい、仕舞う場所が無くなって来た。