今年、大阪湾やその周辺で異常な事象が起こっている。それは「クロサバフグ」の異常発生である。単に発生しているだけでは、我々に問題は起こらないのであるが、このフグ、道糸を噛んで切ってしまうのである。数年前からPEの道糸は安価になってきたが、それでも100mで1000円ぐらいする。一日一回ぐらいなら何とか耐えれるが、何回も切られると、その時点で釣り終了に追い込まれる。タチウオ釣りで被害が表面化し、今やどの釣りにも被害が出ている。水温が低くなると居なくなるとの事であるが、本当なのだろうか。
←これが道糸をブチブチ噛んで切る凶悪なクロサバフグである。釣っていると穂先がパンと跳ね上がり、切られたことが分かる。エサを着けた鈎やサビキにも食らいつく。しかし、この大きさになるまで、何処に居たのたろうか?ネットで調べたところ、身に毒は無いようだが、無免許の料理は禁止されている。
前々日に船頭に連絡した際に状況を確認したところ、真鯛も鬼アジもそんなに釣れていないということであった。出船は、日の出が遅くなってきているので、垂水漁港から5:30ということになった。確認出来たことは、すぐに参加メンバに連絡した。
この日の参加メンバは4名で、2台の車に分かれて行くことになった。私は、近くにお住まいのMK氏の車に乗せて頂いた。4:20頃に迎いに来て頂き出発、コンビニと釣具店に立ち寄った後、垂水漁港を目指した。早朝の国道は混雑も無く、5:10頃に到着した。この日の漁港の駐車場は、そんなに混雑していなかった。まずは、乗船場の近くで一旦荷物を下ろして、車を止めてきて頂いた。
当日の他のメンバ2人は、既に乗船場で待っていて、4人揃ったところで釣り座のくじ引きを行った。その結果、私は「2番」を引いて、この日も左舷トモに決まった。暫くすると、西田さんの船が港に入って来るのが見えたので、皆さん荷物を担いで、桟橋の先に移動した。着岸したところで船に荷物を積込んで、すぐに出船してもらった。理由は、朝に良い潮があるからであった。
この日のタックルは、竿:ダイワ極鋭真鯛360、リール:ダイワ・シーボーグ200、道糸:ソルティガセンサー2号、仕掛けは、自作胴突き5本鈎、オモリは60号を使った。餌は船で用意してくれる活きた川津エビの「鼻掛け」である。この釣りのポイントは、船頭が「やって」と指示があった時に、餌を刺してすぐに投入出来る枝鈎の数を決めること大切である。
20分程で岩屋沖のポイントに到着。緊張の一流し目、潮はまだそんなに速く無い。ゆっくりと巻き上げていると、クックックッと穂先が入ったので大合わせを入れた。すると何かが掛ったのであるが、真鯛でもハマチでも無いような引きであった。上がって来たのは、鬼アジには、大きさがちょっと足りないぐらいのマアジであった。
潮は段々と速く流れて来た。次の流しは、ハマチが食って来た。オモリを持ち上げるようなアタリは、殆どがハマチやメジロである。持って帰る気は無いが、鈎に掛かったら取り込まなくてはならない。青物は、巻き上げ途中で暴れまくるので、体力が消耗する。昔、青物が少なかった頃は、青物を狙っての釣行もあったが、ここ2,3年、余りにもハマチ、メジロが釣れ過ぎて、最近は、外道扱いになってしまった。また、何故か殆どのメジロには、身に細長い寄生虫が居るので、食べる気がせず余計に釣りたくなくなった。
そして、かなり潮が速くなった時、私に待望の真鯛がヒット。この日、岩屋沖のポイントでは、30cmぐらいの真鯛が多かったが、私に釣れた真鯛は、40cmを超える良型であった。周りのメンバも、全員朝の時合に真鯛を釣っていた。但し、この日は、朝イチからフグが出現したのであった。DAISUKEさんが、巻き上げ途中に道糸を噛み切られた。フグは、タチウオのポイント辺りにしか居ないと思っていたが、こんな近場にまで存在することが分かった。
←この明石海峡全体で、フグが猛威を振うのか???釣り人にとって、コロナの次にフグが来た。今後の状況が気になる。
初めのポイントは、潮が速くなり移動となった。本日のメインポイントに行く前に、橋のケーソン近くで仕掛けを下ろして見ると、ハマチが入れ食いになった。流石に耐えられず、時間は早いがメインポイントに移動した。そして仕掛け投入。しかし、ここでもハマチ・ハマチ・ハマチ。このポイントには、真鯛も居るのであるが、先にハマチが食って来てしまう。最悪な時は、仕掛けを下ろしている最中に、仕掛けが止まってしまう状況であった。
船頭もたまらず、西寄りの近くのポイントに移動した。するとDAISUKEさんが、このポイントで50cmぐらいの真鯛を釣り上げた。良し、私も釣るぞと意気込むが、釣れ出したのは何と「クロサバフグ」。ここで道糸は切られなかったが、フグを5,6匹釣り上げた。船頭が、から揚げにするとの事で、スチロールに入れた。(最初の写真がそのフグです)
潮が止まって来たので、メインのポイントに戻って来た。そして仕掛け投入、すると大きくないが真鯛が釣れ出した。その時、私は真鯛をトリプルでゲットした。しかし、チャンスは少しの間だけで、餌も取られなくなり、今度は、ケーソン近くの別のポイントに移動した。そんなに水深も深くない所であった。ここで、ある流しに前の釣り座の2人が同時に、良型の丸々としたイサキを釣った。私には、本日の悪魔であるハマチであった。
時刻も12時に近づいて来た。西田船頭に、そろそろ鬼アジに行きたいと言ったところ、「狙いに行こうか、但し釣れるかどうかわからんで…」とのお言葉。皆さん仕掛けを鬼アジ狙いにチェンジした。ポイントについて一投目、いつもの根掛り…。周りのメンバも根掛り…連発。3流し程流して釣れないと見切ったのか、別のポイントに移動した。そして、このポイントで、中アジが入れ食いになるのであった。
仕掛けを投入、オモリが着底したところで毛糸先生にアジがヒット。そして暫くして私にもヒット。しかし、引きが鬼アジ程ではない。上がって来たのは、30cm程のマアジであった。次の流し、仕掛けを下ろしたらすぐにアジがヒットした。その引きが結構強かったので、突っ込んだ時にクラッチを切ったら、前回と同じ故障を起こしてしまい、ハンドルは回るのにスプールが動かず、手で道糸を手繰って上げた。
リールが故障したので、先程まで使っていた真鯛の竿とリールに、アジの仕掛けをセットして釣りを続行した。このポイントではマアジが好調で、皆さん投入したら必ずマアジをゲットされていた。しかし、暫くすると潮が緩くなって来たことも要因なのか、魚を上げている途中で、道糸が切られるのである。
巻き上げ途中は、オモリと魚の重みで竿がかなり曲がっているのであるが、それがピ~ン…と跳ね上がり、電動がスピードを上げて回り出すのであった。この日は、あと一本の竿を持って来ていたのであるが、ウマヅラの竿で手巻きリールであった。しかし、これしかないので、仕掛けをセットして下ろすと、やっぱりマアジが釣れてしまい、巻くのが遅いためか、3連で2回も釣れてしまった。
暫くして隣の毛糸先生が、マアジを掛けて巻き上げていると、穂先がピ~ン…と跳ね上がり、道糸を切られた。その直後、ウマヅラの竿で釣っていた私の竿の穂先がピ~ン…と跳ね上がり、道糸を切られたところで、船頭から「終わりにしましょか」との発言が出て、沖上がりとなった。この日は、根掛りでオモリを失ったのではなく、フグに切られて失った方が多かった。
この日は、スタートは良くなかったが、真鯛とマアジがそこそこ釣れて、まずまずの結果となった。特に肥えたイサギが美味しそうであった。明石海峡では、撒き餌は禁止なのに、これだけ肥えているのは、天然のエサが豊富だからと思っている。最後のマアジが釣れていなかったら、ハマチを一匹持って帰ろうかと思っていた。しかし、マアジが釣れたらハマチは不要である。
←私の釣果は、真鯛8匹、マアジ12匹、ウマヅラ1匹、メジロとハマチ(数は数えず、置いて帰った)であった。
陸に上がったら、垂水漁港のセリをする場所で、魚と野菜と特産品が販売されていた。何がどのぐらいの価格で販売されているのか、ちょっと興味があったので、4人で見学に行ってみた。すると、値段表にはツバス800円、ハマチ1500円と書かれていた。こんな値段で売れるなら、船に置いて帰らずに値引きしてここで売ったら良かったな…と冗談が出る状況であった。
帰宅して、35cm程の真鯛を刺身にして食べてみた。醤油に身を漬けた瞬間、脂がフワッと広がった。これだけ脂が乗ってるのだから、美味しいだろうと口に入れると、やっぱり秋の紅葉鯛と思える美味しさであった。真鯛でこれだけ美味しいのは、やはり明石海峡の真鯛だからと思う。夕飯には、マアジを塩焼きにしてみた。夏の須磨沖のマアジ程、脂は乗っていないが、やはり身にはしっかりと味があって美味しかった。
次回は、2週間後に今日と同じ西田釣船の真鯛と鬼アジ狙いの予定である。これだけ近くで、価値ある魚を釣らせてくれる釣船は少ない。私の釣友は、皆さん同じことを言っている。次回も真鯛と鬼アジに期待している。また、早くフグが居なくなることも期待している。早速、新しい道糸を買って来たが、失った量が多かったので、かなりの出費になってしまった。もうイヤ!!!