2021年10月9日、10日 釣れるねえ!晴光丸のウマヅラ①

大人の遠足…今年秋の広島遠征である。前回行った7月はイサギがメインで、ウマヅラは釣る時間が殆ど無かった。今回は、ウマヅラオンリーなので、ウマヅラ釣りが堪能出来る予定である。毎回、目標を一日あたり50匹にしている。広島で余程悪い日に当らない限り、この数はクリア出来ている。この魚、美味しいので待っている人が沢山居り、期待に報えるように捕獲したいと思っている。

ペンション村

去年から何故か、広島のウマヅラのキモの入りが悪いように思える。過去の釣行の写真を見返してみると、やはり昔は魚体が大きくなくても、大きなキモが入っていた。キモは、魚が冬の寒さに備えて、栄養をため込むので大きくなると思っている。そう思うと、寒くならないので、必要が無くなって来たのかも知れない。

←周防大島にあるペンション村(と勝手に思い込んでいる)、時が経ち建て替えられて、新しくなった気がする。特に右の方の青い建物は、過去に無かった気がする。

しかし、このキモは本当に美味しい。フグのキモは食あたりすると死に至ることもあるが、ウマヅラやカワハギのキモには、毒は無いので安心して食べれる。但し、余り食べ過ぎると、人により痛風になると言われている。私はなったことが無いので気にしないが、なったことがある人は、その痛みを思い出すと、キモは食べれないとのことである。

出発2日前に船頭に連絡したところ、天候は問題なく予定通り5時出船とのことであった。前日の午後、注文していたドライアイスを元町に買いに行って来た。冷凍にしたエビは、一度解凍してしまうと、再び冷凍しても二度と解凍前の鮮度に戻らない。そのため、2日目のエサと、良く釣れて追加解凍するエサは、ずっと凍らせた状態で保存する必要がある。そのため考え着いたのが、保冷力の強いクーラーに、ドライアイスと一緒に持って行くことである。

1日目

前日の夜は20時に寝て24時に起きた。忘れ物が無いように、エサや飲み物を積込んで迎えを待った。0:25に「あと少しで到着する」との電話があり、荷物を持って入口で待った。一泊での釣行は、持ち物が多い。0:30に迎いに来て下さり出発した。須磨のM氏の家まで行って、M氏の車に乗り換え神戸を出発した。今回の経路もいつも使うルートであり、高速代が最小で時間が掛らず山陽道に入れる、阪神高速→姫路バイパスを経て姫路西から山陽道に乗った。道中停滞も無くスムーズに山陽道を走り、途中1回休憩して4時頃に小谷サービスエリアに到着した。

この日は、私のお気に入りである「カクテキ」が無く、「キムチ」のみを購入して小谷SAを出発した。そして、すぐ近くの高屋JCTを降りて呉道から国道32号を通って、4:30頃に安芸津駅近くのセブンイレブンに到着した。食糧を調達していると、船頭もいつものトラックで来て、食糧を買っていた。港に到着すると、既に皆さん集合しておられた。すぐに船頭から提供される氷を好きなだけクーラーに詰め込んで、乗船場まで荷物を運んだ。

この日は、活けエビを用意してもらえなかったので、冷凍エビを十分に用意して行った。船頭から右舷に4人座るように指示された。私は車を運転しないので、座席の狭い中央の釣り座に座った。予め乗船前に相談して、皆さんに好きな所に座ってもらった。その結果、前から毛糸先生、私、F氏、M氏となった。4:50出船、エサ切りするため、タッパーとハサミを持って後方でエサ切りをした。終わった後は、仮眠してポイントへ到着するのを待った。

刺し餌と撒き餌

←刺し餌の川津エビと撒き餌のアミエビ。暖かい日は、このアミエビの臭いが最悪である。しかし、これを使うと寄りが良い。

1時間20分程で、周防大島の東端近くの片島沖を通過して、沖家室島周辺でエンジンがスローになり、準備を始めて下さいとのアナウンスが流れた。すぐに釣り座に座り、準備を開始した。そして、皆さんが準備出来た頃に釣り開始となった。

この日のタックルは、ウマヅラのカゴ釣りには最適な竿:剣崎30-270MT、リール:ステファーノ200、道糸:PE8本撚り1号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を2mぐらい付けた。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王8号(ナノスムースコート)の胴突き6本鈎仕掛けで、ドンブリカゴ25号を使った。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。

一投目、私にアタリが出て良型が釣れたのであるが、魚体の皮に変色した部分のある病気のウマヅラであった。ここ数年、黒い紋の入ったような病気のウマヅラを良く見掛ける。一日で数匹混じることが多くなって来た。ネットで調べたら、成魚になるとこの状態になる個体があるらしい。病気なのかは分からなかった。機会があれば、どこかの水族館で調べてもらいたい。

一流し目は釣れたのであるが、その後はアタリが無い流しが続いた。しかし、ある流し、丁度2つの潮がぶつかっている所で、入れ食いが始まった。その時は、船頭がアナウンスで「撒き餌は入れずにやって下さい」とのことであった。確かに撒き餌を入れなくてもアタリが続き、ここで20分程の間に計7匹釣ることが出来た。長く続いてくれたら釣果も延びるのだが、上手くは行かない。

釣り風景

次のポイントは、沖家室島の周りに点在するポイントであった。一昨年か昨年に来たことのあるところであった。今回の釣行では、不思議とポイントを替わって、1,2流しは食い気が出て、良いアタリが出て鈎掛りするのであるが、3回目の流しぐらいから、全く釣れなくなるような事象が多かった。

←10月というのに夏の気温であった。本当の夏の熱さで無かったが、服装は夏の半袖半パンで十分という日であった。こんなに暑いからウマヅラが食わないのかな?

魚が少ないのか、水温の関係で食いが悪いのか、原因は分からなかった。しかし、場所を替わると必ずと言っていい程、数匹はゲット出来た。ただ、船全体の状況はイマイチで、釣ってない方は、本当に釣れていなかった。すると船頭が「20分ほど移動します」とのアナウンスをした後、全速力で西の方向に走り出した。私の釣果は、この時点で27匹であった。そして20分ほど走った所に釣船が2隻居た。晴光丸の僚船であった。

後で聞いたのであるが、沈船のポイントということであった。そのポイントでは、一気に入れ食いということは無かったが、結構コンスタントに良型のウマヅラが釣れた。型が良いためか、途中で良くバレてしまうのであった。巻き上げ途中で「プチッ」と口の皮が千切れる感触は、本当に悔しい。

このポイントも、そんなに長い間釣れ続く事は無かった。食わなくなったので、東に向かって安芸津港に戻る道中にあるポイントを攻めながら移動した。ポロポロと釣れたポイントもあったが、潮の加減か何が原因か、魚探に魚影が出ないようで、最後には中島のポイントも確認したが魚影はなく、沖上がりとなった。

釣り風景

←私の釣果は、47匹であった。皮付の魚の下には、既に宅急用に皮も剥いた魚が居るのてある。写真を写した後は、更に皮を剥かなくてはならない。

この船は、安芸津港に戻り、記念撮影するのが恒例となっている。しかし、今日釣れた魚は友人に宅急便するため、港に帰るまでに皮を剥き、内臓を取り除く必要がある。船頭に全部皮を剥いて良いか聞いたところ、上の方に15匹ほど皮の付いた魚を残して欲しいということで、そのままにした。

港に帰ったら恒例の写真撮影。皆さんのクーラーを並べてパチリ…であるが、この日は、天候は良かったのだが、全体的に釣果は良く無かった。本日も西条のホテルを予約しており、ホテルに向かう途中にあるクロネコの東広島営業所に立ち寄り、宅急便を出してからホテルに向かった。この日は、束村船頭のご紹介で、ホテル近くの料理屋「しおり」に魚を持ち込んで料理してもらうことになっていた。まずは、ホテルに入る前に魚を預けてホテルに入った。そして、皆さんシャワーを浴び19:20にロビーに集合した。

店は、ホテルから歩いて10分程の所であった。入店してテーブルに着いた後、飲み物が出たところで宴会スタート。早速釣ったイサギとウマヅラの造りが出て来た。皆さん一斉に食べたのであるが、刺身にした魚は、私がBOXでずっと帰るまで活かしていたので、鮮度が抜群でプリプリであった。

刺身の次は、ウマヅラの煮付けが出て来た。関西よりもちょっと濃い味に仕上っていた。しかし、食べて見ると、濃い味付けでも魚に合って非常に美味しかった。メンバーも帰ったら、今度はこれぐらいの味加減で、煮付けてみようと言っておられた。車で来ていないので、皆さん好きなお酒を好きなように飲んで、21時頃に宴会はお開きとなった。

ホテルに戻る途中、コンビニに寄ってお酒と翌日の朝食を買って帰った。我々の泊まったホテル(グリーンモーリス)は、面白いサービスがあって、半玉のラーメンが無料で食べれる。そのため、4人揃って部屋に戻る前にラーメンを食べに行った。その後、明日は4時にフロント集合ということで、各部屋に戻った。

2日目

2日目も5時出船ということで、ロビーに4時に集合して出発した。この日も、安芸津駅近くのセブンイレブンで食糧を調達し、乗船場に向かった。到着して、まずはクーラーの中を空にして、氷を一杯入れて船まで運んだ。昨日、タックルは船が預かってくれたので、受け取って準備を開始した。釣り座は昨日と同じで右舷に座った。調整の結果、トモの2人が釣り座を入れ替わった。

沖家室島への橋

5時出船、この日もエサ切りから始まる。2日目は、ドライアイスで保冷状態の冷凍エビを、必要な分だけ解凍した。私は釣果を期待して、3袋(頭を落したエビ300グラム)解凍して切った。切った後は、どこのポイントに行くのか聞いて居ないので、仮眠してエンジンがスローになるのを待った。

←周防大島から沖家室島に掛る橋である。広島や山口は、島が沢山あり橋も多い。通っている車は少ないと思うが、島で生活している人にとっては生命線となる大事な橋である。

ふと気がつくと、船は昨日とは違い片島の北側を走っていた。そして暫くするとエンジンがスローになり、船頭から「準備して下さい」とのアナウンスがあり、一斉に準備に取り掛かった。昨日と同じ釣り座であり、ロッドホルダのサポートを着けたままにしていたので、準備はすぐに終わった。

最初のポイントは、過去に友香丸で何回か来た周防大島の小さい岬の前であった。暫くすると「はい、やって下さい、xxメーター」とのアナウンスがあり、釣り開始となった。朝イチは、初めの流しで釣れることが多い。この日も初めは良いアタリが出て、綺麗に鈎掛りした。しかし、最近の「すぐに釣れなくなる」になってしまうのであった。

原発

近くの別のポイントに移動しても、釣れ続くような食いは無かった。釣り始めて2時間程経った時、船頭がマイクで「料金上がりますが、佐田岬に行きますか、良く釣れていると電話が入りました」と告げた。我々4人は「ハァ~イ、行きます」と答えた。このままこの辺りで釣っていても、昨日の状況から大漁は期待出来なかった。

←伊方原子力発電所である。放射性物質が漏れてなければ良いのであるが…。

他の皆さんもOKということで、40分の移動となった。昨日も本日も、穏やかで船は滑るように走った。そして始めは見えなかった伊方原発が段々と大きく見えてきた。そしてその前を通り過ぎてポイントに到着した。既に僚船がウマヅラを釣っていた。一投目、船頭のアナウンスに合わせて投入、魚の棚は何と45mとのことであった。しかし、流れて行くうちに棚が40mとのアナウンスになった時、アタリが出て鈎掛りした。上がって来たのは30cm程のウマヅラであった。

水深があったので、超大型を期待していたのであるが、そんなに大きくは無かった。船頭は、3回程流した後、近くの棚の浅い別のポイントに移動した。棚は20m程で、一流しに上手く行けば2回落せるような状況で、ポロポロと釣れて数を伸ばして行った。しかし、その後は何処のポイントも食いが悪く、折角ここまで来たのに、こんな状況で終わってしまうのか心配な気持ちになった。

暫く落ち込むような状況が続いたが、何故このポイントまで来たかである。ポイントを移動すると、一瞬バタバタと釣れた後、ウマヅラが水面近くまで浮いてくるようになった。潮止まりである。覗いていると、カゴから出るアミエビは食べても、刺し餌には注意している様子が良く見えた。

BOX

暫くすると潮が流れ出した。すると今までがウソのようにウマヅラが食い出した。帰港して船頭に聞いたところ、この潮で釣れることが分かっていたようだ。一流しで上手く釣れば、2匹釣ることが出来る状況にあった。仕掛けを投入すると、早い時は直後にアタリが出て釣れる状況が続いた。

←型が揃っている。こんな釣り場は、本当に少なくなった。一番上のウマヅラの顔と尾っぽ辺りが、黒くなっている。こんな個体が毎回数匹混じる。病気なのだろうか?

流石、佐田岬のポイントである。周防大島周辺では、この大型がこれだけ長時間釣れ続くことは無い。はっきりしたアタリが続き、船頭が用意してくれたBOXが、良型のウマヅラで一杯になった。これが広島のウマヅラ釣りである。車で4時間、船で2時間30分掛けて来る価値がある。この釣れっぷりを味わうための大人の遠足である。

我々は遠足であるが、広島周辺の釣り人は、何時でも来れるのが本当に羨ましい。我々が広島に住んでいたら、最低2週間に一回は乗船していると思う。晴光丸は、釣れるポインについて、色んな情報を入手され勉強されている。昔からのポイントしか行かない釣船は、将来的に釣れない釣船という認識になってしまうと思う。

青島

まだ、釣り続ければ釣れる状況にあったが、15時に沖上がりとなった。ここから帰港するまで2時間30分掛る。進路にまず現れたのが、猫で有名な「青島」である。この島の周りには、良く釣れるポイントが数多くあるらしい。この日も近くを通過する際、沢山の釣船や漁船が見えた。

←猫で有名な青島である。この島は愛媛県である。南面に民家がある。(北側から見た青島)

沢山BOXに活かしていたので、帰る道中は絞めて内臓を除去する作業に追われた。魚を絞めていて、やはり周防大島周辺で釣れたウマヅラより、型が良いことが感じられた。しかも痩せている個体は、本当に少なかった。処置が終わった魚をクーラーに入れようとしたが、一杯なのでBOXに氷と海水を入れて港に着くのを待った。

次に見えてきたのか、鉄腕ダッシュで有名になった由利島。この日は走るルートがいつもと違っていて、由利島の南側を通過した後、通常は中島の西側を通るのであるが、この日は東側を通った。そして快調に走っていると、その横をseikouが、船尾から白い泡を吹きながら抜いて行った。こちらの船もかなり速いが、サーフェイスは尚更速い…。17:15安芸津港に到着し、2日間の釣りは終わった。

釣果

この日の釣果は、私が52匹、2日間で、47+52=99匹…目標に1匹届かなかった。しかし、これだけ良型なので、納得出来た。次回の12月は、100匹以上釣る予定である。結局、クーラーの蓋が閉まらず、同乗されていた方に何匹かプレゼントした。

←神戸軍団の釣果である。釣れる時は「はみ出すほど」釣れるのであるが、この日はそこまで釣れなかった。

この2日間、異常的に気温が高かった、天気予報で知っていたが、ここまで暑いとは思わなかった。一日目に買ったキムチ、車の座席に放置したままにしていた。そのため、帰港してドアを開けると、その臭いがこもっていた。腐ってないか心配になったが、ホテルの冷蔵庫で冷やして持って帰ったら、普通に食べれたし、やっぱり美味しかった。この「ユさんのキムチ」は元々美味しいが、今回は熱さでより発酵して、更に美味しくなったのかも知れない。

同乗した地元の方の話によると、今年のウマヅラは良くないと言っておられた。確かにネットで最近の釣果を見ていると、他船は、余りウマヅラ狙いに出ていない。つまり、良くないからだろうと思う。しかし、我々はウマヅラを釣りにわざわざ来て居るので、船頭も釣ってもらおうと、いつも超サービスしてくれる。ただ時々、もう帰らせてくれないかなぁ…と思うこともある。

ウマヅラ釣りは、やっぱりオモロイ。次は12月に一泊の釣行と、大晦日は新幹線で「GO-TO-ウマヅラ」に行くことにしている。ウマヅラは美味しいし、個体が大きいので食の人気は高い。2日目に釣った魚も、翌日には自宅分のみになってしまう。これでキモパンなら、帰って来るのを、家の前で待ち伏せされるかも知れない。