2021年7月24日 大遠征・晴光丸のイサギとウマヅラ・快釣

晴光丸

今年2回目の広島遠征である。昨年の夏は、釣行日に強風が予想されたので、イサギには行けず、ウマヅラ狙いだけに終わってしまった。しかし今回は、イサギがメインで、ウマヅラは少ししか狙わないと、船頭から告げられた。ポイントは、佐田岬周辺で、安芸津港から2時間30分掛るとのことであった。そのため、出船は4:30となり、遅れないようなスケジュールを立てた。

←高速船・晴光丸。安芸津港から出船して攻めるポイントは、広島市周辺から出る船と同じ、もしくはそれより遠方である。今回は、特遠征で佐田岬まで行った。

この船のイサギ釣りは、吹き流し釣りである。和歌山県の印南辺りでは、昔から定着した釣り方であり、昨年、一度釣行したことがある。また、私が千葉に単身赴任していたころに関東の釣友の誘いで、房総半島の洲崎辺りのイサギ釣りに連れて行ってもらったこともあり、何回かは経験がある。しかし、瀬戸内で天秤吹き流しの釣りはやったことが無い。

しかも、瀬戸内海で良型のイサギが大漁…、ちょっと想像が出来ないので体験してみるしかない。事前に船頭さんに電話し、最適なタックルについて確認してメンバに伝えた。竿は、60号のオモリが使える8:2調子ぐらいの硬い竿が良い、例えるならタチウオ竿が適しているとの事であった。リールは、広島では浅い場所でも電動リールが定番となっており、楽なので電動を薦められた。また、道糸はこだわりがあるようで、細めのPE1.5号を薦められた。天秤とカゴとバッテリーは船で用意してくれるとのことであった。

この日は、朝4:30出船なので、前日となる23:30に毛糸先生が迎いに来て下さり出発となった。その後、もう一人の参加者であるF氏を拾って、阪神高速→姫路バイパス→山陽道を走り、途中一回休憩してキムチを買うため、小谷SAに立ち寄った。昨年は、キムチが売り切れていてガッカリであったが、今年は沢山置いてあった。

キムチを購入した後、再び山陽道を走って高屋JCで山陽道を降り呉道を走った。途中、下三永福本ICで降りて国道32号を南下し、安芸津駅前のセブンイレブンで食糧を調達して、乗船場に3:40頃に到着した。流石に誰も来ていなかったが、暫くすると小池船頭が来て出船の準備を始められた。

我々は、車から荷物を下ろして、まずはクーラーに氷を沢山入れた後、荷物を船まで運んだ。船頭から右舷トモから3席が我々の釣り座と指示されたので、トモからF氏、毛糸先生、私という釣り座に決めて荷物を置いた。行程は、2時間30分ぐらい掛かると聞いていたので、道中は、出来るだけ仮眠するようにした。

タックル

この日の海は非常に凪で、船は滑るように揺れることなく走り続けた。40分ほどウトウトとしていたが、目が覚めると眠気がなくなってしまった。近くを見渡すと中島が左手に見えていた。更に1時間ほど走った所で南側に鉄腕ダッシュ島が見えた。そして次には青島が見えた。携帯で地図を見ると、佐田岬までまだ30分は掛かりそうであった。

←鉄腕ダッシュ島(由利島)である。行程のまだまだ途中…、ポイントは遠い。

更に凪の海を突っ走り続けると、原子力発電所らしき建物が見えてきた。船は、その発電所を越えた所でスピードを落した。時計を見ると出船して2時間10分が経っていた。やっとこの辺りがポイントかぁ…。確かに西の方向を見ると、佐田岬の先端と、九州の陸地が霞んで見えていた。はるばる遠くまで来たんだなあ…と思った。

由利島灯台

船頭の「準備して下さい」とのアナウンスで各自釣り座で準備を始めた。私は。出船までにほぼ準備をしていたので、天秤に仕掛けを付けるだけであった。アミエビが配られ、私の準備は完了した。この日のタックルは、竿:メタリア・タチウオテンヤSP210、リール:FORCE MASTER 400、道糸:PE1.5号、先糸としてフロロの6号を2mぐらい付けた。仕掛けは、船頭お薦めの「ハヤブサ・イサキ仕掛け4本鈎」を使った。

←伊方原子力発電所。近くの山には、沢山の風力発電機があった。

船は、発電所より少し西に走った所で皆さんの準備が終わるのを待っているような操船をした後、「やって下さい52m」とのアナウンスで、イサキ釣り開始となった。吹き流しの仕掛けが絡まないように注意して、天秤を投入した。

私は、指示された棚より2m深く下ろして一旦止めた後、キュッと細かく強めのシャクリを入れて、天秤を指示棚に合わせた。一流し目はアタリなし。2流し目、天秤を振って棚に合わせると直後に「クックックックッ…」と、穂先にアタリが伝わって来た。最初の一匹目なので追い食いは狙わずに巻き上げた。船頭の差し出す玉網に収まったのは、30cm程のイサキであった。

ボーズになることは考えられないが、何より1匹目をゲットしてホッとした。このポイントは、釣れれば良型が多いと船頭が言っていた。しかし、もう一つ食いが良く無く直ぐに移動した。次のポイントは、発電所近くのポイントで清太郎丸が居た。仕掛けを下ろすと、直ぐに釣れたのであるが型がまちまちで、23~35cmぐらいのイサギがシングル、ダブル、トリプルと、良く釣れるようになった。

周りを見ても、皆さん魚を掛けている状況となった。船は、同じポイントを何回も流してくれるのであるが、食い気が落ちることなく釣れ続けた。吹き流しの鈎には、関東で「イカタン」と呼ばれる、イカを3mm角サイコロのように切ったエサを刺すのであるが、かなり硬いので、そう簡単に取られないと思うのであるが、アタリも無いのに結構取られる。海中にはウマヅラも居るが、何がエサを取っているのか不思議な気がした。

これだけ食いが良いと、天秤をシャクリながら棚に合わせると、必ずと言っていいほどアタリが出てイサキが釣れた。ある程度釣れると、欲が出て連で釣ってやろうと魚が掛ってもすぐには上げない。すると魚の引きが強くなり連で掛かって来るのであった。船頭は、私の釣り座の横に大きなBOXを置いて、ホースで海水を流し続けれるようにしてくれた。私と毛糸先生と二人で、釣った魚をそのBOXに入れて、沖上がりまで活かすことが出来た。

段々と食いが悪くなり、スズメダイが釣れるようになった所で、ウマヅラ狙いを少しの間実施するとのアナウンスを出して移動した。ポイントに到着してすぐに「10~12m」と棚の指示を出した。私は用意出来ていたので仕掛けを下ろすと、待ってましたの如く、ウマヅラとは思えない大きなアタリが出て掛けたのであるが、ウマヅラ名物の途中バレで逃げられた。しかし、すぐに餌を付けて投入すると、またまた大きなアタリで今度は一匹目をゲットした。35cm程の良型であった。

このポイントには、中、小型は居ないようである。暫くするとこぼれた撒き餌を食べに、水面近くに沢山のウマヅラが浮いて来た。しかし、船頭の棚に合わすと必ず餌を食って来た。ウマヅラの入れ食いである。30分程の間に6匹ゲットすることが出来た。潮が流れ出した所で、再びイサキにチェンジとなった。

ポイントは、先程狙っていた所であった。仕掛けを入れるとやはり食いが良く、皆さん快調に釣り出した。しかし、この世にはオモロイ事が起こるのであった。海上保安庁の巡視船が居るのは分かっていたが、何の用事でそこに居るのかは予想出来ていなかった。理由は、原子力発電所を海から来るテロリストから守るためだそうだ。確かに考え方は正しいと思ったが、ホンマにそんな事が起こるのか…。

保安庁

←保安庁の取り調べ?快調に釣れていたのに、ホンマ時間をロスしてしまった。イサキ10匹払え!!!しかし、彼らはこれが仕事である。ご苦労さん。

巡視船から黒いゴムボートが、船に向かって来た。船頭は、それが分かって、ポイントを変えるようにその場所から離れたが、ゴムボートは、ずっと船の後を付けて来た。船頭も諦めて停止するとゴムボートの保安庁の船員から色々と書類を見せるように指示され、温厚に応じていた。

初めから拡声器とかで、指示されたら移動せずに対応出来たのに。本当に無駄な時間を失ってしまったことになる。取り調べが終わり元のポイントに戻りイサキを釣った。良く釣れたので、余計に腹立たしさを感じてしまった。この頃には、BOXが魚で一杯になってしまった。そのため、毛糸先生とウマヅラを全て絞めることにして絞めた。

時刻も14:30となり、船頭はイサキ狙いは終了とし、15時までウマヅラを狙って帰るとのアナウンスを出した。直ぐにイサキのタックルは片付けて、ウマヅラのタックルを再び用意した。初めは10~12mの棚であったが、途中からは8~10mと浅くなった。ウマヅラの食いは抜群、入れれば釣れる状況であった。こんな感じで長時間釣ったら、大型が100匹釣れると思った。

そして15時を迎え、沖上がりとなった。足元のバケツには、この30分で釣ったウマヅラが、バケツで泳げない程すし詰めになっていた。BOXにはイサキが一杯居て、顔が水面から沢山出ている程であった。これだけ釣れてしまうと、今の明石海峡周辺の釣りには行く気にはなれない。本当に納得出来る釣船である。

釣果

←この日釣れたイサキとウマヅラ。ウマヅラは16匹、イサキは小型も含めると48匹釣れた。毛糸先生も同じぐらいの釣果であった。F氏はちょっと少なめであった。

帰りも安芸津港まで2時間30分掛る。船は高速運転で穏やかな瀬戸内海を快調に走った。山口、愛媛、広島の島を見ながら2時間10分程で安芸津港に返って来れた。港では、恒例の釣果写真を写した後、17:30に神戸への帰路についた。

帰りも山陽道は混雑もなく、帰って来ることが出来た。ただ、帰りの出発が遅かったので、自宅には22時に到着となった。帰宅してウマヅラの煮付けと、イサキの炙りを食べた。この日のウマヅラは、肝が入っている個体は少なかった。イサキも思っていたより脂の乗りが良く無かった。

イサキは、調理した結果、これから餌を食べてもっと肥えて脂が乗って来るという状態であった。ウマヅラもイサキ狙いの船が多くなれば、撒き餌を一杯食べて肝も大きくなって来ると思った。その年により海の状況が違うので、一番肥えて脂が乗っている時期を予想することは難しい。

来週は、明石・二見のタコ釣りと、鳥取に遠征して剣先イカを釣りに行く予定である。明石のタコ、今年は最悪の状況である。何でそんなに釣れないのか理由は分からないが、とにかく釣れていない。日本海側のイカは、型が小さくなってきているが、数は釣れている。こっちに期待している。