昨年の釣行では、17匹のアコウをゲットすることが出来た。その理由を考えると、潮先に近い釣り座であったため良かったと思う。船釣りの場合、魚種に関係なく、潮先の釣り座が有利になることが多い。そのため、この日も良い釣り座に座れたらいいなあ…と思っていた。
←第七佐藤丸である。この日は、若い女性の中乗りさんが乗船した。船頭との関係を本人に聞いたところ「愛人…」とのことであった。
この日の予約は、年初に珍テスターが仕立てで予約してくれた。数か月前、事前に募集して当日の参加メンバーが決まった。そして一週間前に珍テスターから、出船時刻と状況を教えてもらい、メンバーにメール連絡した。天候に問題が無い限り、連絡はしないということで当日を迎えた。
出船が午前8時なので、MK氏に4:30に迎いに来て頂き出発した。六甲トンネル-北六甲-中国道-舞鶴自動車道と高速を使い小浜ICを目指した。道中、混雑も無く、コンビニに立ち寄って食糧を調達し、港に7:10頃到着した。既に皆さん到着しており、くじ引きソフトを使って釣り座を決めた。私は今回「2番」を引いた。その結果、右舷のトモに座ることとなった。この船は、船を流して釣るのではなく、シーアンカを使って自然に流すので、どこが潮先になるのか全く分からない。
釣り座が決まった所で、各自荷物を持って釣り座に移動し準備を始めた。事前の情報では、小サバをサビキで釣って餌にすると聞いていたが、この日になって小アジを釣るということになった。この餌釣りで注意しなければならないのが、「餌が釣れるサビキ」を使うことである。餌が確保出来なければ、アコウを狙うことが出来ない。私は昨年、札幌の釣具店で買って来た「マルフジのケイムラトリックFTの鈎4号」を使った。このサビキは、北海道のチカを釣るための仕掛けである。実は、昨年使って非常に良く釣れた。
7:30頃、船頭より先に若い女性の中乗りさんが来た。その方が乗船されることは、珍テスターから事前に聞いていた。来て暫くして乗船者名簿の記入を依頼してきた。その際に、船頭とどうゆう関係?と訪ねたら、「愛人…」とのことであった。それ以上のことは聞かなかったが、我々の推測は、「近くの飲み屋の店員で、コロナで仕事が無いため働いているのかな?」ということが結論であった。(真実はわからない)
予定通り8時出船。港を出て何処でエサを釣るのかと思っていると、今まで来た際は、東方の沖の島の側であったが、この日は、西側の陸に近い場所に行った。船頭がエンジンを切ったら釣りスタートとなることが、この船の暗黙のルールである。仕掛けを投入すると水深2mぐらいで小サバが釣れ出した。その小サバ、エサにはちょっと大きい(15cm)サイズであった。その後、小あじも釣れ出したのであるが、こっちはエサには小さい(5cm)サイズであった。もうひとつ食いも良く無く、船頭と愛人が撒き餌を撒いてくれたのであるが、エサを確保するのに1.5時間ほど掛った。
←小アジを玉網なくても簡単に捕まえれるように、小さい浮くザルが用意されている。
皆さん餌が確保出来たところで、アコウ狙いとなった。初めのポイントは、エサを釣っていた場所のすぐ西側であった。まずは、第一投、小アジの口に鈎を掛けて投入した。するとオモリが底に着いた瞬間にアタリが来た。第一号はカサゴであった。このポイントでは、オモリが底に着いた瞬間にアタリが出ることが殆どであった。オモリが着いた場所に居る魚が釣れてくる感じで、アコウかカサゴか磯ベラのどれかが食って来た。
アコウのタックルは、竿:メタルイカ用のEmeraldas MX 610LB-METAL、リール:ステファーノ200、道糸:PE1号、仕掛けは、鈎:改良チヌ3号、ハリス3号1本鈎胴突き仕掛け、オモリは15号と20号を使い分けた。軽いオモリで良いので、穂先が柔らかくて、ある程度腰の強い竿が適していると思う。
仕掛けを下ろすと、オモリが着底した瞬間にアタリが出て、そのアタリで魚が分かる。流石にアコウの場合は、重々しさがあってグッグッと引き込む。カサゴは、アコウほど重みも無く、ビビビビ…とエサを咥えて走る感じである。ここで型の良い40cm程のアコウが掛った時は、オモリが底に着いた瞬間、そのまま竿が一気に引き込まれた。掛け合わせると凄い締め込みがあったが、根に潜られることは無く、何とか底を切ることが出来て取り込めた。
←日本海のアコウの魚体の模様が気になっていたので、活きている時の写真を撮った。このアコウは、瀬戸内海の物と同じ模様であった。
その後も仕掛けを下ろせば何か釣れるのであるが、もひとつアコウが釣れず、船は西の方に移動した。次のポイントの水深は、50mほどあった。初めはエサに小アジを付けていたのであるが、一回、小サバ(大きい)を掛けて下ろしたところ、カサゴは来ず当ればアコウ、しかも良型(40cm前後)ばかり釣れ出した。こんなこともあるんや…と思いながら型も数も伸ばして行けた。
エサが大きいだけに、アタリも大きかった。ただ、鈎が3号なので鈎掛りせずにスッポ抜けることが何回かあった。食いに来ているのが、大型のアコウであることがわかっているだけに、勿体ない気がした。餌取りに悩まされることもなく、小サバをもっと沢山釣って、初めからこの餌で釣った方が良いと思った。
佐藤丸は、流しているラインの途中に磯が当るように流す。そのため、一人が釣れ出すとバタバタと周りも釣れるパターンが良くある。この2つ目のポイントで、私は結構沢山のアコウを釣ることが出来た。そして、船は3つ目のポイントに移動した。丁度、港から真北の方向に位置する所であった。
船頭の話によると、60cmクラスのアコウが居るポイントらしい。ホンマかウソかわからないが、流れて行く途中に粗い磯があった。その磯場の近辺では、やはりアコウが釣れた。ただ、磯が荒いだけに根掛ると、PEから切れてしまうこともあった。3回ほど流し直したところで、13:30となり、沖上がりとなった。
結果、私はアコウを14匹釣ることが出来てトップであった。ミヨシの珍テスターは、調子が悪く7匹、真ん中のM氏は10匹、左舷は、ミヨシのMK氏が8匹、S氏が3匹、毛糸先生が4匹、青物男が9匹という結果に終わった。
←日本海のアコウは、死ぬと黄緑色になる個体が結構居る。
この日、結果的にトモが潮先になった。そのため私は潮上の釣り座となり、好調であった。潮上のため、良くアタリがあったので、チョイ投げをしなくても釣れた。どうしても潮後でアタリが少ない時は、チョイ投げすると良く釣れることがある。日本海のアコウ釣りに行く時は、スピニングタックルを用意して行くことをお薦めする。
仕掛けについて、エサを十分に確保出来ていたので、途中から胴突き2本仕掛けでやってみた。結果としては、「◎」であった。先に下鈎のエサにアタックしてくることが殆どで、下のエサが取られても上は残っているので、釣れるチャンスが持続することと、アコウに対して上のエサが、集魚効果を発揮しているように思えた。過去に珍テスターが2本鈎で良く釣るので、今回試したら、本当に良く釣れることが分かった。エサを十分に確保出来たら、試してみて下さい。
帰りも高速は空いていて17時頃に帰って来れた。夕食は、大きくて良く活かったアコウの刺身と、小型の煮付けを食べた。刺身も煮付けも流石に美味しかった。夏場に一番美味しい魚と言われるだけのことはある。2週間後にもう一度この船に乗る予定である。次回はエサを十分に確保して、初めから2本鈎でやってみるつもりである。