今年最初のシロイカ釣りである。今まで計4回釣行し、本当のハズレにはまだ遭っていない。このシロイカ釣りは、当りとハズレの日の釣果が全く違うらしい。ハズレとなると、一日で2,3ハイの日もあるらしい。逆に釣れる時は、100パイ以上釣れる。(釣れた日を3回経験した)但し、良く釣れる日は小型が多く、俗に「大剣」と呼ばれる胴長40cm以上は少ない。この釣りをする者は、その大剣を幾つ釣るかに夢がある。
このイカメタルという釣りも、何回かやっているとコツが分かって来た。テレビを見ていると、鳥取や山口では「オモリグ」という、胴突き仕掛けのような仕掛けでシロイカを釣っていた。見ていると大きな違いは、少し大きめのオモリと、スピニングリールを使うことであった。地域によっては、イカメタルと同じ竿・リールで釣っていた。
何となく興味が湧いて来たので、新製品のオモリグ用の竿を2月に注文した。そして、その製品が5月下旬にやっと上がって来た。今回は、新しく買った竿を使って、オモリグも試してみることにしていた。しかし、新しい釣りを始めるためには、新しいスピニングリール(スピニングリールを買ったのは、約20年振り)やら、専用のオモリやら、かなりの出費となってしまった。
前々日、毛糸先生から11:30に迎いに行きますとのメッセージが来た。この時刻に出発となると、現地には14:00には到着するのではないかと思った。この釣りは、夜釣りなので通常の釣りとは全く違う時刻の出発となる。
当日、毛糸先生は予定通りにご自宅を出発したのであるが、国道が混雑していて10分は遅れるとの連絡が入った。何で緊急事態宣言が出ているのに、道路が混雑しているのか不思議に思えた。車が到着したので、荷物を積込み予定より少し遅れて出発、すぐ近くのMK氏を拾って香住を目指した。
六甲トンネルを抜けて北神戸線から中国道に入った。吉川JCから舞鶴道に入り、一回西紀SAで休憩した後、春日で高速を下りて国道483号線で豊岡に向かった。この道路は、信号の無い高速道路で、途中一部有料区間もあるが、豊岡には一番短時間で行くことが出来る道路である。この春には、但馬空港の近くまで延伸されたので、豊岡が更に近くなった。
高速道路は混雑も無く、かなり早めの14時頃に到着した。余りにも早く到着したので、近くの海産物屋にでも暇潰しに行こうかと思ったが、流石に緊急事態宣言が出ているためか、店はどこも閉まっていた。15時頃に他のメンバも到着し、7人全員が揃ったので、釣り座の抽選を行った。私は3番で、左舷トモから2番目に座った。
船頭が到着し、乗船出来るように着岸してもらい乗船開始、各自の席で準備を開始した。とはいえこのイカ釣りはシンプルなため、予め用意した仕掛けとエギやスッテを、スナップサルカンで繋ぐだけである。丁度釣り座がブリッジの入口で、船頭が出て来て会話が弾んだ。
その話の中で得たのが、オモリグの場合は、オモリからエギを付けるハリスを、ちょっと太め(6号)にした方が良いとのことであった。理由はもつれる頻度が減るし、イカには太さは関係ないようである。もう一点は、オモリグに使うサルカンである。見せてくれたのが、オモリを付ける部分の円筒の部分が長い物で、絡まないと言っておられた。今度調べて購入しようと思った。
この日のタックルは、イカメタル用・竿:Emeraldas MX 610LB-METAL、リール:バルゲッタ200HG、道糸:PE0.6号、仕掛けは、小浜リグと呼ばれている2本鈎仕掛け、上の枝には小さなエギを着け、下にはイカメタルの12号をセットした。オモリグ・竿:Emeraldas MX IM OR70MLS-S、リール:CERTATE LE-3000-XH、道糸:PE1号、オモリ:30号、エギは3号をセットした。結果的に、この日は潮が緩かったので、イカメタルで長時間釣った。
何隻が出船して行った後、15:45頃に出船した。恐らく場所をキープするからだと思った、今まで港を出た後は、西側のポイントばかり行っていたが、この日は、初めて東側に進路を取った。そして20分ほどしか走っていない岸に近い所でイカリを打った。船がイカリに馴染んだ所で釣り開始となった。
釣り開始とは言え、漁火が点灯されるまで3時間以上ある。暇なので、イカメタルの仕掛けを落して見るが、何の反応も無い。トモの青物男がオキアミを持って来ており、胴突きで餌釣りを始めた。初めに何回か磯ベラが釣れ、イサギの子が釣れた後、イワシと小アジが掛ったので、アコウを狙うと言って置き竿にした。するとホンマにアコウが来て、上がったのは42cmもあった。その後暫くして、何と同じぐらいのアコウをもう一匹仕留めた。餌が確保出来れば、かなり釣れるのではないかと思った。
19時を過ぎて薄暗くなってきた頃、周囲の船が漁火を点灯し始めた。海晴丸もエンジンを動かして点灯した。そして暫くした時、一斉にイカが当って釣れた。私も本日の1杯目をゲット出来た。即イカを外して投入…するとまたまたヒット。「良し、今から入れ乗りや…」と思ったが、すぐに何も釣れなくなった。
単にイカの群れが、船の下を通過しただけであった。この日は、暗くなっても周りに船が多いことが原因で、小魚の群れが集魚灯に集まらなかった。そのためか、イカが集中して釣れる時間が少なかった。ポロリポロリと釣れる程度であった。但し、釣れる時は、皆さん同じ大きさのイカが釣れた。一時は、大剣ぐらいのばかりが釣れたが、本当にまれであった。
それでも一生懸命、メタルをシャクッていると、ムニッと押さえたり、ヒュッと持ち上げたりとアタリが出て、コンスタントに釣れる時間帯もあった。今まで100杯以上釣ったことがあったので、この日の状況は、良いとは感じなかった。前日の他船の釣果情報から、何より「型」にこだわっていただけに、この日のイカでは満足出来なかった。
余りにも思っていたより釣れなかったので、「沖漬け」を作ることを忘れてしまっていた。22時ぐらいに思い出し、4杯ほど釣ってタレに漬け込んだ。酒のアテには最高なので、イカ釣りに来たら必ず作っている。
←数は40杯ほど釣れたが、殆どが小型であった。イカメタルには大型が釣れない傾向があるように思える。次回は、オモリグをメインに釣って見ることにする。
23:30に「終わりにします」と船頭が声を掛けてきた。最後にポロポロと掛けたところで、時間となり沖上がりとなった。雨もほぼ降らず風も無く凪で、条件としては最高であったが、釣果がイマイチに終わってしまった。それでも普通なら、これだけ釣っていれば良い釣果なのかもしれない。
新製品の竿も準備して、大剣を沢山釣ってやるぞと思ったのが間違いであった。オモリグのオモリは、30~40号が標準と思っていたが、こんなに潮が緩い時は、もっと軽いオモリで良いことも分かった。最後に餌をくくり付けるエギを試したところ、まずまずの型のイカが釣れた。これも一つ経験となった。
0:30に荷物を積込み香住漁港を後にした。出発前、船頭から「鹿」に注意するように指示があった。夜中には道路に出て来ているので、車と衝突しないように…とのことで、なるべく市街地を通る道路を走って帰るように指示された。指示通りに豊岡に向かう途中に、本当に2回鹿に遭遇した。もし、但馬空港に通じる山道を通っていたら、もっと沢山の鹿に遭遇したかも知れない。
深夜は、一般道も高速も空いていて、自宅には2時30頃に帰って来れた。それから風呂に入った後、1杯のイカをイカソーメンにして食べた。料理する時は、当然活きていた。ソーメンつゆでスルスルっと食べたら、甘味があって本当に美味しかった。剣先を釣ったら、この食べ方で味わえる…釣り人の特権である。
来週は、大きい声で言えないのだが、北の大地に行く予定である。緊急事態宣言が出る予定は無かったので、申し訳ないが行くことにした。現在、スカイマークも減便しているのであるが、幸い、今回は予約した便が欠航にはならなかった。今回で札幌と小樽に最後のお別れに行くつもりである。そして来年は、知床に行って北海道への旅行は終わりにする予定である。