2021年5月22日 西田釣船のアコウと真鯛

西田釣船

やっと本格的に予定していた釣行がスタートした。本当は4月に福良のメバル釣りに行く予定であったが、悪天候で中止になった。今回も前日まで大雨が降っていたので、どうなる事か心配であったが、3日程前の天気予報を見て、釣行出来る事を確信した。船釣りは、天候が良くないと行けない遊びだ。自分では何も出来ないので、自然に従うしか無い。

←西田釣船である。朝の時合が終わった後は、昼まで休憩した。仕立てならでは出来る勝手。釣れない時間にどんだけ頑張ってもムダという結論である。

今回の狙いは、「アコウのみ」であったが、アコウは、専門に狙っても、そんなに釣れる魚では無い。そのため、真鯛と2本立てで狙うことにした。釣行の一週間ぐらい前に、当日参加メンバに鯛釣もやることを連絡して、仕掛けの準備をお願いした。この時期は、毛糸かゴムイカを付けた、疑似餌の釣りである。

今の時期のアコウ釣りのために、一番ネックになるのが「餌(川津エビ)」である。また、アコウ釣りには、活きていなければ餌にならない。半年以上前から、アコウ釣りで予約しているので、西田さんは、漁師仲間に頼んで用意してくれた。そんな貴重な餌となるので、アコウ狙いの仕掛けは、1本鈎にするようにメンバに伝えた。

西田さんと2日前に最終調整をして、当日の釣りパターンを決定し、参加メンバに連絡した。出船は、岩屋港で5時ぐらいなので、4:30に集合することとなった。朝イチは、真鯛狙いからスタートし、潮が緩くなったらアコウを狙うことになった。この日の昼の潮止まりが14:30頃なので、途中は港で休憩することとした。

3:20にMK氏が迎いに来て下さり出発、コンビニで食糧を調達した後、阪神高速に乗って明石海峡大橋を渡り岩屋港に4:10ぐらいに到着した。既にもう一台の車が到着していて朝の挨拶をした。西田さんが来るまでに釣り座を決めるくじ引きをした結果、この日は最悪の「5番」で、左舷真ん中の釣り座となった。

最悪と言っても、5人しか乗らない船であり、間隔も広く取っているので、絶対的に良し悪しが決まることは無い。明石海峡では、潮の速い中での仕掛け、釣り方が釣果に繋がる。4:40ぐらいに西田さんが来たので、皆さん荷物を積込み準備に掛った。暫くして準備が整ったところで出船となった。

この日のタックルは、鯛とアコウを一本の竿にしたいので、竿:腰に張りのある7:3調子で、ある程度長い竿が良い。そのためダイワ極鋭真鯛360を使った、リール:ダイワSEABORG 200J、道糸:ソルティガセンサー2号、仕掛けは、胴突5本鈎仕掛け、疑似餌は、ゴムイカ、オモリは60号を使った。

GVPで家を出る前に風向と風速をチェックしていたのであるが、出船する頃は西風が結構強く吹いて、徐々に時間が経つにつれて弱くなる予想になったいた。港を出ると、西風というより北西の風がかなり強く吹いており、結構波が高かった。しかも最悪であったのが、若潮なのに潮流が想定以上に速かった。そのためか、真鯛のポイントを魚探で確認したところ、魚影が全く無かった。予定では、このポイントで、朝の間に真鯛を釣った後、アコウ狙いに行くことになっていたのだが…、自然は厳しい。

魚影は出てなくても、まずは仕掛けを入れてみた。すると道糸が想定以上出されて斜めになり、まともに釣りが出来ない状況であった。暫くして、このポイントを諦めて別のポイントに移動した。新しいポイントでの2流し目、諦めていたがMK氏が真鯛をゲット。良し釣れる…と思って気合が入った。

そして、次の流し私にアタリが来た。西田さんがこのポイントでは、棚が低いのでオモリが底を叩くぐらいでやってと言ったので、その言葉を信じてやっていると、いきなり穂先が引き込まれた。合わせを入れて巻き上げにはいったのであるが、どうもこの引きは、白い悪魔(メジロ)…である。巻き上げ途中、ジッジッジッ…とリールから糸が引き出される。切れてもええから…と強引に引っ張っても、仕掛けの糸が高級なので切れない。仕方なく強引に巻いていると鈎が外れてくれた。

メジロが当ったので、このポイントも諦めて舞子側のポイントに移動した。このポイントには、狙いが真鯛の乗合船とプレージャーボートが10隻ほど集結していた。そして投入2回目の流し、私にアタリが来た。しかし、またまた白い悪魔の引きが伝わって来た。もう取るしかないので、取り込めたのであるが、メンバの仕掛けも巻き込み、ぐちゃぐちゃになってしまった、

私の仕掛けを上げてメジロを外すと、まだぐちゃぐちゃになった仕掛けから魚の反応が伝わって来た。慎重にモツレを解きながら引き上げると、毛糸先生の仕掛けに30cm程の真鯛が2匹掛っていた。その後、数流しやってみたが、何も釣れないのでアコウ釣りにチェンジとなった。

西田さんに、真鯛をアコウ狙いの後に再度するのか聞いたら、「やる」とのことで仕掛け巻きに巻いていると、すぐに仕掛けを下ろした毛糸先生にアコウがヒット…。竿の曲りからして大きいと思ったが、上がって来たのは、何と50cmはある大型のアコウ!!!急いで仕掛けをチェンジしていると、毛糸先生に2匹目のアコウがヒット、今度は40cmクラスであった。

仕掛けを替えて餌を刺し投入すると、今度は反対側の青物男が必死で強い引きに耐えている…。何とか底を切って強い引きをかわして上がって来たのは、外道の定番「コブダイ」の50cmクラスであった。そして私に強力なアタリが来た。合わせを入れた後、凄い力で底から離れない。しかし、底を切るため強引に引いたところで、ハリスが磯に擦れて切れてしまった。引きからして、これはコブダイと思った。

そして次の流し、またまた私にアタリが来た。オモリを底からゆっくり切ると、クンと穂先にアタリが伝わって来た。カサゴであれば、ビッビッビッ…というアタリであるが、アコウやカンダイの場合は全く違ったアタリが出る。少し間を入れて更にオモリを持ち上げると、重みが乗ったゴンゴンというアタリが伝わって来た所で大合わせを入れた。

グングンと強く引くのであるが、アコウの場合は比較的底から離れ易い。カンダイは、底にへばりつくように抵抗しまくり、底を切れなかったら根ズレで糸を切られることが多い。今度は、底を切れたので、途中の引き込みでバラさないように慎重に巻き上げた。そして魚が見えた、アコウである。毛糸先生の差し出す玉網に収まった。40cmぐらいの良く肥えたアコウであった。これで夕食でアコウが食べれることが確定となった。

次の流し、またまた良いアタリが来た。ゆっくりと聞くと大きなアタリが出たので大合わせを入れると、力強い引きが伝わって来た。これがアコウなら50cmは間違いなくある。しっかりとした重量感と、巻き上げ途中で突っ込む引き…、早く上がってこい!魚が見えてきた、赤っぽい…、あああ…コブダイや、一気に悔しさがこみ上げて来た。

暫くすると潮が止まって逆に流れ出した。そんな時、またまた私にアコウのアタリが来た。聞き上げると大きく引き込んだ所で大合わせを入れた。この魚も意外と底は簡単に切れたのであるが、巻き上げ途中で何回も締め込んだ。この途中の締め込みは、アコウの特徴と言える引きである。暫くして上がって来たのは、40cmクラスの肥えたアコウであった。これで毛糸先生と同じく2匹ゲットすることが出来た。

この日は、その後すぐに潮の流れが速くなり、アコウを狙える時間は終わってしまった。少しの間、鯛釣りをやってみたが、アタリなく休憩となった。時刻は、まだ9時であった。次に出るのは、11時ということで、ジェノバラインの乗場の2階にある喫茶店に行って休憩した。その喫茶店は、レトロで昭和に戻ったような哀愁の漂う店であった。

時刻は11時になり、後半戦が始まった。まだ海峡筋は潮が速いので、岩屋港の沖辺りにあるポイントからスタートした。しかし、潮は速いし根掛りするし、本当に釣れる気がしなかった。そして13時頃になると潮が緩んで来た。すると私にアコウのアタリが来た。はっきりとしたアタリで合わせると鈎に掛った。途中何度も締め込んだが、40cm程のアコウが姿を現した。

そして、最後は朝に釣れたポイントを攻めた。私は、釣り方なのか仕掛けなのか、カサゴが入れ食いになった。そして、最後にDAISUKEさんにアコウのアタリがあり、40cmクラスのアコウをゲットされた。その後、潮が止まり15時に沖上がりとなった。私の釣果は、アコウ3匹、コブダイ1匹、メジロ1匹、カサゴ20匹であった。

釣果

全体の結果は、アコウ6匹、真鯛3匹、コブダイ3匹、メジロ1匹であった。今年最初のアコウ釣りであったので、釣り荒れは無く、もう少し釣れることを期待していた。しかし、結果的にイマイチに終わってしまった。この日は、潮の流れが速かったことが、良く無かった原因だと思った。

←悲しいが、これで5人の釣果である。潮が想定より速かったので、アコウを狙える時間が短かった。(他に大コブダイ3匹、メジロ1匹)

この日釣れたアコウは、全て良く肥えていた。その中でも、毛糸先生が釣ったアコウは、50cmを超えており、魚を絞める際、他の5匹とは体積にかなりの差を感じた。こういうアコウを、年に1匹は釣ってみたいものである。

この日は、残念賞が2人出てしまった。元々少ない魚なので仕方ない。この釣りにおいては、ハリスの長さと捨て糸の長さがカギとされる。潮の速さでコントロールした方が良いと思うが、釣り方にも左右されるので、色々と試して自分はコレ…という寸法を決めることをお薦めする。

来月は、日本海のアコウ釣りである。同じ魚なのに、不思議と釣り方が違う。日本海では、小あじをサビキで釣って、活かして置いて餌に使う。明石海峡周辺でも、小あじがあれば川津エビより良く釣れると思うが、6月,7月に小あじは居ないので、川津エビで釣ることになる。逆に、日本海で川津エビが居ないのか、使うことを聞いたことが無い。

アコウの刺身

帰宅して、夕食でアコウの刺身を一年振りに食べた。やっぱりその美味しさには、感動してしまった。明石海峡で釣れる魚の中で、間違いなく一番美味しいと思った。何故、瀬戸内の魚は、身に味があるのかと良く考えることがある。北海道に行ったら、関西ではお目に掛かれない魚を食べるようにしている。今まで、現地でなければ刺身で食べられない、キンキやニシンなどを食べたが、脂は乗っているのに、身に味が無い魚が殆どであった。食べている餌が起因しているのだと思う。

←アコウの刺身。これだけ身に味のある魚は他に無い。感動すること間違いなし。釣った場所まで説明出来るのが、釣った人の自慢である。

この日は、カサゴも20匹釣った。活けエビ餌で釣れるカサゴは、良型ばかりである。カサゴは、夏が美味しいと船頭から聞いたことがある。確かに春に釣れるカサゴは、痩せている個体が多い。しかし、この日釣れたカサゴは、ふっくらとしていた。翌日、煮付けにして食べてみたら、身に厚さがあり凄く味があって美味しかった。私は、メバルよりカサゴの方が美味しいといつも思っている。

来週は、鳴門海峡のメバル釣りである。今の時期、餌となる「シラサエビ」が品切れになっている店が多い。手に入らなければ、サビキの釣りになる。この時期にメバルがサビキで釣れるのか分からないが、エサが無かったらやるしかない。コロナの緊急事態宣言が、またまた延びそうである。ワクチンを打ってもらえたら、全てが解決するするのであれば、早急に打って欲しいと思っている。しかし、今のところ何時になるのか予想も出来ない。ひょっとすると来年になったりして…。