2021年1回目の広島遠征である。年末の釣行が悪天候で中止になったので、本当に楽しみにしていた。昨年12月からの釣果を見ていると、ウマヅラは、ずっと良い結果が続いている。昨年も1月に釣行し、良い結果を得ることが出来た。年を越しても釣れるようになったのは、やはり近年水温が高くなったからだと私は思う。
年末から大寒波が2回襲来している。水温が急に下がると、ウマヅラが食わなくなるのではないかという不安はあった。しかし、今年に入っても、出船出来れば良い釣果が出ていた。ただ、他の広島の乗合船の釣果を見ると、何コレ?何故こんなに釣れてないの?と思える釣果で、早々とメバルにチェンジした船が見受けられた。
以前にも書いたが、晴光丸は、その時に釣れるポイントを勉強・調査して状況を確認し、お客に釣らせようと努力されている。晴光丸を紹介してくれた広島の釣友のH氏と、この日久々にお会いしたのであるが、このところ廿日市周辺の乗合船では、本当にウマヅラが釣れないので、最近は、晴光丸ばかり乗船していると言っておられた。
2日前からGPVで風の予報を逐次確認していたのであるが、釣り場となる斎灘海域は、10m以上の北東の強風が吹く予報になったいた。ダメかもしれないなあ…と思いながら船頭からの電話を待った。前日の17時に電話があり「出船します」とのことであった。出船することはとても嬉しかったが、やはり強風の事がちょっと気になっていた。
6時集合ということと、道中雨天が予想されたので、余裕を持って私の家を1:30に出発することに決まり、毛糸先生に迎いに来て頂き出発した。次にもう一人の参加者であるF氏を迎いに行き、荷物を積込みすぐに出発となった。今回の経路もいつも使うルートであり、高速代が最小で時間が掛らず山陽道に入れる、阪神高速→姫路バイパスを経て姫路西から山陽道に乗った。道中停滞も無くスムーズに山陽道を走り、途中1回休憩して5時頃に小谷サービスエリアに到着した。コロナの影響か、車がいつもよりかなり少なかった。
いつもの「ゆさんのキムチとカクテキ」を購入し、すぐに小谷SAを出発した。すぐ近くの高屋JCTを降りて呉道から国道32号を通って、5時20頃に安芸津駅近くのセブンイレブンに到着した。食糧を調達した後、最終目的地の安芸津港に向かった。港に到着すると、早過ぎたのか誰も来ておられなかった。暫くすると、小池船頭が来た。船頭から提供される氷を、好きなだけクーラーに詰め込んで乗船場まで荷物を運んだ。
この日のお客さんは10名で、船頭から右舷トモから3人座るように指示された。私は車を運転しないので、座席の狭い真ん中の釣り座に座った。トモから毛糸先生、F氏、私の順の釣り座となった。予定通り6:30出船、エサ切りするため、タッパーとハサミを持って後方でエサ切りをした。終わった後は、仮眠してポイントへ到着するのを待った。道中、斎灘に入るとやはり風と波があり、段々と船の揺れが大きくなって行った。
風が北東なので、中島の島影のポイントに行くことが予想された。1時間ほど経った頃、エンジンがスローになり、準備を始めて下さいとのアナウンスが流れた。周りを見渡すと中島の南西側であった。島影のポイントであったが、既に強風が吹いていた。準備はすぐに出来て、投入のアナウンスを待った。
この日のタックルは、ウマヅラ釣りには最適な竿:剣崎30-270MT、リール:ステファーノ200、道糸:PE8本撚り1号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を2mぐらい付けた。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王8号(ナノスムースコート)の胴突き6本鈎仕掛けで、オモリは25号を使った。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。この日もドンブリ籠は使わなかった。
.暫くして釣り開始のアナウンスが流れ、一斉に仕掛けを下ろした。この時、既に強風…アタリが取り辛い状況であったが、私の竿にはっきり分かるアタリが出て、すんなりと1匹目をゲットすることが出来た。それから1時間ほどの間、結構食いが良く、強風ではあるがアタリが頻繁にあったので、「アタリだろう」というアタリを捉えて、数を伸ばして行った。シケなので何時沖上がりになるかという不安があったので、凄く真剣に穂先を睨んでアタリを取った。
初めのポイントは、アタリは良くあって釣れたが、ウマヅラの型がイマイチであった。初めのポイントの食いが落ちて来て、近くのポイントに移動した。この時点で、26匹釣っていた。次のポイントは、12月に大型が入れ食いになった.所であった。初めのうちは、ポロポロであったが、潮が合ってきたのか、途中からは良く釣れるようになって来た。しかし、風の状況は変わらず、何分か毎に凄い強風が吹いて来て、その時は本当にアタリを取るどころか、穂先が風で吹き上げられる状況であった。
そんな中、私は経験から、極悪の状況でもアタリが分かるのであった。そのアタリの取り方は、単に「勘」としか例えようが無いものであった。穂先がバタバタと振られても、一瞬クッと糸の方向に曲がるアタリや、船が風で引かれる時に、フッと水圧でもないモタレが出て、合わせると鈎掛りするのであった。
経験が豊富でなければ、アタリなのかまずわからないような状況…。この日の状況は、ウマヅラ釣りを40年はやってきたが、最悪と思える状況であった。ワーストだったかもしれない。ただ、明石海峡なら(魚影が薄く)釣れないが、広島では釣れてしまうことが大きな違いである。
この日の右舷の方は、悪いなりにもポロポロと釣っておられ、最悪の状況ではあるが、まずまずの釣果を出されていると思えた。この日が凪であれば、入れ食いで100近い釣果になっただろうと思えた。この日は、こんな状況から、そんなに遠くの別のポイントには行けず、近くの3箇所ほどのポイントだけしか攻めれなかった。
時間が進むに従って、予報通り風が更に強くなって来た。岸からかなり近い場所であるが、いきなりの強風が吹いてくる状況であった。その後もポロポロと私は釣ったが、皆さんアタリが分からず、苦労されているようであった。ただ、水面下は状況が悪くないのか、エサは取られる状況であった。凪なら…本当に悔やまれる一日であった。
←仙人が釣った、執念の51匹。どんな天候・状況であれ、釣る方法はあるのである。その技術を得るために修行する。もう私は、修行は終わった。釣って食べるだけである。
15時、船頭のアナウンスで沖上がりとなった。恐怖はそれから始まるのであった。中島の北端を過ぎる場所は、斎灘をストレートに抜ける強風により、一番波が高くなる所であった。晴光丸は高速船であるが、スピードを出すことが出来る状況ではなかった。
瀬戸内海でこんなに波が高くなるのか…という状況の中、安芸津港を目指した。道中、容赦なく大波が襲ってきて、船の後方は、波風でシャワー状態であった。船の進行方向を見ても、橋のある上蒲刈島が全く見えない。こんな状況が暫く続いた後、やっと島が見えて来た。豊島大橋を越えると、いつもの高速運転になり、20分程で安芸津港に戻って来た。
この日は、防寒服の上からレインウエアを来ていたのであるが、まずは手首から雨と潮波で水が入り、肘までビシャビシャ。首もかなりファスナーを上まで締めていたが、水が入り込んでいた。天候としては、本当にワーストと思えたが、結果、ウマヅラを51匹釣っていた。やっぱり広島は、凄い釣り場だとしみじみと思えた。
この日の釣果は、私が51匹、毛糸先生20匹、F氏19匹であった。こんな状況の日であったが、帰港して写真を撮っているクーラーを見ると、悪いなりにも皆さんそこそこ釣っておられた。皆さんウマヅラが好きで、腕のある方が多かったのだろうと思った。
写真撮影も終わり、17:30に現地を出発して帰路についた。道中は、結構強い雨が続いていた。結構飛ばして20時頃にF氏宅に到着、私の家には20:40頃に到着した。ここ20年ぐらいで、一番しんどい疲れた釣行であった。
←翌日、料理が終わった状態。この時期にこれだけ釣れたら本当に嬉しい。この魚は、評価が高く行き先がすぐに決まる。
帰宅して、煮付け用の料理をした後、お風呂に直行…ああ寒かった。たまたまこの日は気温が高かったが、先週の真冬の寒さであったら、途中でギブアップしていたかも知れない。(そんなことはないが、そのぐらいしんどかった)しかし、この時期でも凪の日は、絶対釣れることが証明されるような一日であった。今年、10月と12月に予約を済ませた。船頭から7月にイサギとメタボウマヅラを釣りに来て下さいと誘われている。日程を調整して行こうと思っている。
※この日は、雨風が強く、写真を撮ることが出来ませんでした。