今年4回目の広島遠征である。先月の一泊二日の釣りでは、ウマヅラを計140匹釣ることが出来た。今回は日帰りの釣りである。本当は、折角広島まで行くのであれば、毎回泊まりで2日間釣りをしたいが、翌日仕事となると、かなりキツイのでそれは出来ない。秋の3連休も少なくなり、月曜を有給で行くしかない。
釣行日が近づいて来たので、一週間ぐらい前から天気予報を見ていると、強い寒気が降りてくるとの予報であった。但し、釣行日は、一番寒い日からはズレていた。後は、当日に強風が吹かないことを祈るだけであった。前々日、船頭に出船確認の電話をしたところ「出ます」との回答でホッとした。前日に詳しく予報を見たところ、やはり北西の風が、少々強めに吹く予報であった。
1:05に毛糸先生が迎いに来て下さり出発した。次にもう一人の参加者であるF氏を迎いに塩屋に向かった。深夜は道が空いているので国道を走りF氏宅に1:35頃に到着。荷物を積込みすぐに出発となった。今回の経路もいつも使うルートであり、高速代が最小で時間が掛らず山陽道に入れる、阪神高速→姫路バイパスを経て姫路西から山陽道に乗った。道中停滞も無くスムーズに山陽道を走り、途中1回休憩して4:10頃に小谷サービスエリアに到着した。コロナの影響か、車がいつもよりかなり少なかった。
いつもの「ゆさんのキムチとカクテキ」を購入したのであるが、どこのサービスエリアも毎月第二土曜日は、2割引してくれる。前回もたまたま第二土曜日であったので、割引を受けれた。小谷SAを出発し、すぐ近くの高屋JCTを降りて呉道から国道32号を通って、5時頃に安芸津駅近くのセブンイレブンに到着した。食糧を調達した後、最終目的地の安芸津港に向かった。港に到着すると、既に皆さん集合しておられた。すぐに船頭から提供される氷を好きなだけクーラーに詰め込んで乗船場まで荷物を運んだ。
この日のお客さんは8名で、船頭から右舷トモから3人座るように指示された。私は車を運転しないので、座席の狭いミヨシから2番目の釣り座に座った。トモの2人には勝手に決めて頂き、トモからF氏、毛糸先生となった。5:30出船、エサ切りするため、タッパーとハサミを持って後方でエサ切りをした。終わった後は、仮眠してポイントへ到着するのを待った。
1時間ほど経った頃、エンジンがスローになり、準備を始めて下さいとのアナウンスが流れた。周りを見渡すと中島の西側であった。過去に来たことのあるポイントであった。準備はすぐに出来たが、まだ薄暗い状況で、投入のアナウンスは暫く出なかった。
この日のタックルは、ウマヅラ釣りには最適な竿:剣崎30-270MT、リール:ステファーノ200、道糸:PE8本撚り1号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を2mぐらい付けた。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王8号(ナノスムースコート)の胴突き6本鈎仕掛けで、オモリは25号を使った。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。この日は、結果的にドンブリ籠は使わなかった。
←この日は朝から寒かった。防寒服を着ていないと、寒くて釣りにならない。
10分ほどしてだいぶ明るくなって来た時、釣り開始のアナウンスが流れ、一斉に仕掛けを下ろした。しかし、まだ暗いせいか、誰も釣れなかった。やっと次の流しから、ポロポロとウマヅラが食い出した。まだこの時間では、まともに穂先が見えない明るさであった。私は、穂先を上の方に上げて、空にかざしてアタリを取った。すぐにアタリが出ると思っていたが、アタリは出なかった。3流し目ぐらいから、やっと普通に穂先が見えるようになった時、本日初めてアタリが出た。いつものモヨッとしたアタリが出た所で、シャープにキュッと合わすと鈎に乗った。コンコンコン…ウマヅラ特有の引きをしながら、第一号が上がって来た。これでボーズではなくなりホッとした。
それから一気に食い気が上がるかな…と期待したが、ポロポロとしか釣れなかった。ここで、面白い出来事が起こった。船頭の指示棚で持っていたのであるが、どう考えても別の魚が掛ってしまった。魚を外すために巻き上げようとしたところ、途中で急に重くなった。根掛りではないので水面まで上げると、何とヒラメが鈎に掛ったオセンに噛みついたまま上がって来た。玉網の準備をしていなかったし、鈎に掛っていなかったので、水面で暴れた後、そのまま海中に帰って行った。
その後、アタリも無い状況となりポイント移動となった。2つ目のポイントも、過去に来たことがある所であった。ここでは、初めの流しから、結構アタリが良く出て、毎流し確実に釣れた。また、型も良く殆どが30cmぐらいあった。大体、どこのポイントも、朝イチは結構明確なアタリが出ることが多い。2つ目のポイントも食いが悪くなったところで、ポイント移動となった。この時点で13匹であった。
今度は「少し走ります」とのことで、到着したのは周防大島の南側であった。期待していたが、このポイントは小型(25cmぐらい)が多かった。実は、近くのラーメン家のご主人から、干し物にするので小型のウマヅラが釣れたら貰いたい…との依頼を受けていたのて丁度良かった。
この日は、一つのポイントで釣れ続くことが少なく、結構ポイント移動を繰り返した。その中で、小さい島のすぐ前のポイントだけは、潮が速いので一流し一回しか仕掛けを下ろせない状況の中、凄く食いが良く毎流しアタリが出て良く釣れた。私は、このポイントで数を稼ぐことが出来た。
ウマヅラは、潮が速い時は比較的アタリは大きく出る。ところが潮が緩くなってくると、本当にわからない間にエサが取られる。この潮の緩い時にも数を稼げると大漁となるのだが、そう簡単には行かない。私が良くやるのは、小さいアタリでも、ドンドン合わせを入れるようにしている。鈎に掛らなくても食い気はあるので、しゃくり上げた後、穂先を下げて馴染んだ瞬間に聞きを入れて、違和感を少しでも感じたらすぐに合わせることである。
このパターンにハマルと、潮が緩い時でもビシバシ釣れる時がある。ただ、大事なのがエサの刺し方。何回もしゃくると、どうしても鈎先がエサのどこかから出てしまうようになる。この状態になると、ウマヅラがエサを吸っても、鈎先が口の外になってしまうため、何回合わせても掛らない。私は、このエサ付けが、ウマヅラ釣りにとって一番大事なことと考えている。
その後、何箇所か移動したが、パッとすることが無く時間だけが過ぎて行くのであった。そして時計を見ると14時になっていた。船頭は「移動します」と言って、東の方向に舳先を向けて走った。恐らく次のポイントが、この日の最後となると思った。エンジンがスローになった。周りを見たら中島より北の島の側であった。当然初めて来た所であった。
暫く船頭は、ポイント周辺をぐるぐると回り、魚探で状況を確認していた。そして流すラインを決めたのか、潮上に上り、投入の指示を出した。初めは、パットしなかったが、流す毎に状況が良くなってきて、途中から入れ掛りになり、この日一番の状況に突入した。
こんな状況になると、出来るだけエサを取られる前に魚を掛けて、手返し良く釣ることが大漁に繋がる。このポイントは、本当に食いが良く、投入して棚まで仕掛けが降りた直後に、アタリがすぐに出て鈎にも良く掛った。これぞウマヅラの入れ食い…という状態となった。
近くにもう一隻後から遊漁船が来たが、釣れているところを見ることは無かった。まだ続けても釣れることはわかっていたが、残業もほどほどにしないと、帰宅が深夜になってしまう。そのため16時に沖上がりとなった。このポイントだけで、私は20匹以上釣ることが出来た。
この最後のポイントのような釣れっぷりを味わうと、本当に広島に来ることが楽しくてやめられなくなる。楽しい釣りは、あっという間に時間が過ぎてしまうもので、5:30に出船して17:00に帰ってくるまでがあっという間であった。港に着いたら恒例の釣果写真撮影である。この日は数を数えていなかった。どっちみち、船頭が全部出して数えてくれるので、任して道具を車に運んだ。
←神戸軍団の釣果である。左からF氏35匹、私67匹、毛糸先生52匹であった。このところ目標は3桁であるが、この日の天候と食い気ではちょっと難しかった。
残業してくれたので、少し帰るのが遅くなったが、最後の入れ食いは本当に楽しかった。釣果の撮影が終わって帰路についたのは18時近くになっていた。山陽道の道中、結構みぞれに遭遇した。日本海側では雪が降っていたと思われる。これだけ寒くなったのであるが、帰りの車中の会話で「まだ水温や、釣った魚は暖かかった」という言葉が勃発した。私もそう感じた。その影響なのか、今回の釣行で釣ったウマヅラの肝が、例年より小さかった。
翌日、晴光丸のホームページを見てみた。すると、私は「変人」になっていた。変人…、シケの日に釣ったら変人なら、穏やかな日に釣ったら凡人なのか?一年前に予約しているので、当日の天気は予想出来ない。どんな天気でも釣るのが「仙人」なのである。
ああ…寒いけど、楽しい・楽しい・楽しい…、あの憎っくきウマヅラをバシッと合わせて鈎に乗せた時は、セーラー服と機関銃の薬師丸ひろ子でもないが「カ・イ・カ・ン」である。次回は、何と大晦日に新幹線で「GO・TO・ウマヅラ」を予定している。50歳以上で会員になれば、こだま限定という条件で、新神戸から東広島までの往復が、8,000円程である。急に28日からGO・TOトラベルが中止になって、ホテル代の35%引きが無くなったことについては悔しい!!!