2020年9月10日 留萌(るもい)とすすきののマーメイド

黄金岬

今年で遂に30年目…最後は知床岬への旅行と決めているが、まだ、あと1,2年は働くので、今年は留萌に行くことにした。留萌(るもい)という地名、通常では読めない。私は、初めて就職した会社に、留萌出身の同期の社員が居たことで、初めてこの地を知ることが出来た。地図で調べたことがあり、旭川の西の海に面した街であった。北海道で海に面している土地柄であれば、まず間違いなく美味しい海鮮料理があるはずであり、是非行ってみたいと思っていた。

←留萌の観光名所「黄金岬」。ここから見る夕陽は、最高の美しさらしい。そんな時刻までは居られないので、昼間の撮影。

ここ数年、北海道中央バスの日帰りツアーに参加していたが、確認したところ、現在はコロナの影響で全ての運行を中止していた。そんな状況から、興味のあった留萌に高速バスで行って、観光と美味しい海鮮料理を食べることにした。調べたところ、札幌から3時間弱で行くことが出来き、時刻表を確認したら朝9:15に出発すると、現地で4時間滞在して19時には帰って来れることも分かった。

航空券は、コロナが始まる前の1月下旬にSkyの格安航空券を購入していた。往復で11,760円…東京片道運賃より安い。札幌のホテルも半年前の3月に押さえることが出来た。そして時間が流れるにつれてコロナの感染が全国で広がり、遂には、緊急事態宣言まで出る始末。しかし、まだ4月頃は、数ヶ月で収束すると思っていた。その予想は大きな誤算であった。最近は第二波が発生し、感染者数は第一波よりも多いという状況となった。

8月20日、携帯に何やらメール(kekkou_renraku@skymark…)が来た。内容を確認すると、予約していた帰りの便が、コロナの影響で欠航になるとの連絡であった。札幌⇒神戸は一日3便あり、その中の1便が欠航になった。搭乗便の変更は無料ということで、予定より1時間早い便に変更した。当然、こんなことは初めてであった。

ただ、悪い事ばかりでは無かった。最近、GoToキャンペーンなるものの運用が始まった。初めは制度の内容が曖昧で、今回の旅行に関係ないと思っていた。しかし、単独旅行の場合、ホテルがその制度に参加していれば、身分証明(東京除外のため?)をすれば、宿泊費が35%割引となることが分かった。早速、すすきのの東横インに電話で聞いたところ、適用されるとのことであった。

出発

自宅を7:20に出発してJRで三宮まで行き、ポートライナーに乗り換えて、空港には8時頃に到着した。このところ飛行機に乗る機会が無く一年振りである。コロナの影響で減便の空港は、ひっそりと静まり返っていた。フロアを見渡すと、以前あったお土産屋と本屋が閉まっていた。また、1Fにあったファミリーマートが2Fに移動していた。手荷物検査場を通った後、中に入ると人影まばらという光景であった。東京行きと札幌行きが搭乗準備中で、待合の座席も、一人分間隔を空けるように座席に紙が貼られていた。

8:55のアナウンスで、搭乗が始まった。スカイマークは、窓際席の方優先の考え方である。私は、予約の段階で窓際を座席指定していた。そのためさっさと搭乗して、手荷物を頭上の荷物入れに収めた。搭乗が遅くなると既に一杯になっていることが多く、最悪荷物を足元に置かなくてはならなくなる。

コロナの影響で、搭乗者は少ないと思っていたのであるが、GoToキャンペーンの影響か、ほぼ満席という状況で、ちょっとびっくりした。9:20に離陸、道中窓の外は雲が広がり何も見えなかった。そして地上が見えたのは、千歳空港のすぐ近くであった。飛行機は、予定より10分早い10:50に着陸した。

飛行機を降りると、普通は少し涼しいと思う事が多かったが、今回は神戸と変わらないと思う程、気温が高く感じられた。すぐに地下のJR乗場へ行き、快速エアポートで札幌駅を目指した。約40分程で到着し、地下鉄ですすきのまで乗車して、荷物を預けるため「東横イン・すすきの交差点」に立ち寄った。そこで支払いも済ませたのであるが、GoToキャンペーンの対象で、本当に35%オフになった。

その後、まずは最初の目的である回転寿司を食べに、「宮の沢にあるなごやか亭」に向かった。地下鉄東西線に乗るため、すすきのから大通公園駅まで地下を歩いた。平日の昼間ということもあるが人影が本当に無く、ススキノから大通りの改札が見えていた。5,6分で大通りの改札に到着し、東西線に乗り「宮の沢」に向かった。

なごやか亭の寿司

そして、20分程で「宮の沢」に到着。この駅は、白い恋人パークの最寄り駅である。回転寿司は、その反対側にある。出口から5分ほど歩き「なごやか亭・発寒店」に到着した。カウンタは空いていたが、テーブルは満席であった。丁度、テーブルが一個空いたということで、テーブルに座らせてもらった。

←写真では分かり辛いが、イクラの粒が鮭の物より小さいことがすぐに判別出来た。マスコでもイクラなのであろうか?関西の人間にとって、断言は出来ないので、文句は言わなかった。(後で注文した「筋子」もマスコの筋子であった)

まずは、食べたい寿司から注文した。「うに」「ボタンエビ」「こぼれイクラ」「サーモン」「おすすめのマアジ」。最初にマアジが出された。先々週も釣って食べたマアジ、いざ実食…言葉にならないぐらい評価は「×」。見た目に血合いが灰色帯びていたし、口の中に入れた時の臭いがちょっと臭かった。嫁さんも良く分かっているので、同じ指摘が出た。

嫁さんには、北海道の回転寿司は、本当にレベルが高いと言って来ていただけに、このギャップはちょっと恥ずかしかった。次に出て来たこぼれイクラ。二人ともイクラは良く食べて知っているからすぐに分かるのであるが「イクラの粒が小さい」、これは「マス子」である。ボタンエビも透明感なく真っ白だし、ウニもバフンウニではなく紫ウニであった。ウニは、時期が遅いので仕方無いと嫁さんに説明した。

私はまだ実験していないが、イクラについて天然物か人造物か判別する方法があるらしい。ネットで調べた情報によると、熱湯にイクラを漬けると、天然物は皮が白くなるが、人造物は皮が変色しないらしい。「天然いくら」とメニューに書いている店では、チェックする必要がある。

私のHPを見て下さっているならお分かりと思うが、3年前に初めて行った時から、毎年クオリティーが低くなって来たことが分かる。今年は、コロナの影響で外食産業が危機的になっていることは承知であるが、値段が同じであれば、クオリティーは落としてはいけないことだと私は思った。来年行くなら、この店は絶対に外すつもりである。

帰り道、嫁さんに「こんなばずではなかったんやけど…」と言い訳をしてホテルに戻った。今回は、他の回転寿司には行っていないが、どこも同じような状況なら、もう北海道の回転寿司はお薦め出来ない。昨年、なごやか亭に行った時に、んん…何か一昨年よりネタが悪くなっている気がしたため、最後の日はトリトンに行った。そんな経緯がある。クオリティーを下げると、お客さんは敏感に分かっている。後で取り返しのつかないことが待っている可能性があることを、店も認識しているのだろうか?

さっぽろジンギスカン

ホテルに戻って一服し、夜はジンギスカンを食べに行くことにしていた。ジンギスカンの人気店では、予約は出来ない。このコロナの時なので、お客が少ないと思い、昔に行った人気店の「ダルマ本店」に行ってみようとチャレンジしたが、18:00には外に行列が出来ていた。そのため、いつも行っている「さっぽろジンギスカン本店」に行った。これだけ観光客が減っているのに行列が出来る店は、本当に全国の人に知られている証だと思う。

←ジンギスカンの標準セット。肉は皿数で注文する。タマネギと鍋のてっぺんに置いてくれる脂は無料である。肉一皿、現在は1000円弱ぐらいだった。

「さっぽろジンギスカン本店」は、ネットで確認したところ、店の場所が移転していた。以前は「まつだ釣具店」が一階にあるバラックのような2階で営業されていた。ネットの情報によると、南に1ブロック下がった第6桂和ビルの一階に移転したとの情報を入手しており、お店には迷うことなく行けた。こんな言い方して悪いが、以前の店とは違いかなり綺麗な店になっていた。

スープ

メニューを見ると、昨年よりちょっと値段も上がっていたが、肉の素材のクオリティーは同じだと思えた。嫁さんが野菜も食べたいということで、アスパラも注文して食べた。普通の方であれば、あっさりしているので、肉を2,3皿食べられる方が多い。見ていると食欲のある方は、入店から帰るまで肉を沢山食べる方も居た。(一人で8皿ぐらい食べる人も見たことがある)最後に店員の方が、お湯のポットを前に置いてくれる。これは、使い終わったタレにお湯を注ぐと、スープとして頂けるからである。どこのジンギスカンの店に行っても同じことが実施される。

←全て食べ終わった後は、スープを作るためのポットが前に置かれるので、タレにお湯を注いでスープとして頂くのが暗黙のルールである。

スープを飲むと、店の秘伝もあるのだろうが、それぞれのタレの味が良く分かる。嫁さんと帰り道に「あの店のタレに何か入っていたよなぁ」と話題が出て、私は「あの香、ハッカクが混ぜてあったと思う…」と答えると、確かにそうかもしれないと言っていた。美味しい店の羊肉は、独特の臭いも無く肉汁もしっかりあって美味しい。店員さんに初めに注意されたのが、そんなに焼かなくても、ちょっとレアーの方が美味しいですよ…とのことであった。これから行かれる方は、事前の情報として焼き加減を認識して欲しい。(実は、旅行中なので、食あたりが怖くて言われるまで意識して良く焼いていた)

齋藤家は食べるのが早い。この日も18:00に入店して18:40に食べ終わって店を出た。来店した時に先に居た若い女性3人組は、食べ終わった後もおしゃべりばかりして帰らないので、店員の方がヤキモキしている仕草が伝わって来た。居酒屋では無いので、食べたらすぐに店を出ることも暗黙のルールだと思う。

ウニなど

店を出た後、この日の予定は無かった。そのためススキノ界隈を散歩した。その時点で19時であったので、普通ならまずは食事に行かれる方が多い時間帯である。しかし…人通りも少なく閑散としているように思えた。途中、ススキノでは有名な「ラーメン横丁」を見に行ったところ、何と半分以上の店がシャッターを下ろしていた。どこのシャッターにも「当分の間、休ませて頂きます。再開についてはHPでご確認下さい」と書かれていた。

←入口から見ても、沢山の店が閉まっていることがわかる。実際に開いて居たのは、奥の方の1/3ぐらいの店だけであった。

時間があったので、嫁さんにはホテルに戻ってもらい、私は更に街の状況を観察しに行った。最初に狸小路に行ってみると、印象的であったのが、ドラックストアが沢山出来ていたことと、小規模なホテルも増えていたことである。これらは、オリンピックで来日する中国人観光客が目当てであったに違いない。また、店内で食べるのではなく、店の前にテーブルや椅子を用意したスタイルの飲食店もやたら増えていた。それらの需要が消えてしまった今は、業務拡大した分、赤字のネタにしかなっていないだろう。新しい店なのに閉めているところもあった。

その後、ススキノに戻って中心部を散歩してみた。20時頃になれば、通常二次会等に行かれる方が多い時間帯であるが、本当に人通りが少なかった。ススキノ名物の「極悪客引き」も、交差点で暇そうに仲間で雑談していた。すすきの駅の側にあったビル(ラフィラ)も解体中で、街が暗くなるようなことが重なっているように思えた。明日の出発が早いので、ホテルに戻ってデパートで買った刺身をアテに飲んで寝た。

2日目 留萌への一日観光へ

バスご案内

2日目は、今回の旅の目的である留萌への一日観光である。実は、前日の札幌駅に着いた直後に、バスの回数券を予め買うために、バスの窓口に行った。すると定期観光バスツアーが全て中止になっているためか、シャッターが下ろされ切符は一階で買って下さいとの張り紙があった。そのため一階に降りて回数券を買った。回数券を買った理由は、単にお得であるからだ。片道2,650円であるが、4枚綴りで9,300円で購入出来た。(2人往復分)

←いつもならこの窓口に、観光客が長蛇の列を作るのであるが、全て中止…。北海道の観光産業は、ボロボロになっていることが良く分かった。

バスは定期便なので遅れても待ってくれない。そのため8:30にホテルを出てバスターミナルに向かった。そして9:15札幌発の高速留萌号に乗車して留萌を目指した。乗客は10人ほどであった。所要時間は、2時間40分ほど掛かる。そのためバスの最後部にはトイレが付いていた。

行き先案内

出発して高速に入るまで幾つかのバス停があるし、毎度思うのであるが、高速に入るまでの道が朝夕は混んでいて、結構時間をロスしてしまう。9:15に札幌駅を出発して高速に入れたのは9:45頃であった。高速に入った後は、安全速度で走り続けた。ちょっと顔を上げて前方を見ると、北海道の高速道路は真直ぐな道が多いことが良く分かった。高速を1時間程走って深川ICを降り、市街地のバス停を通って留萌に向かった。途中、意外と病院のバス停で降りられる方が居た。何となく留萌直行にせず路線バスを兼ねて運行している理由が分かった。

市街地を通過した後は、留萌に通じる高速道路を走った。この高速道路は無料のようであった。留萌まで30kmの標識が見えた。あと少しである。高速を降りて暫く走ると市街地が見えてきた。途中、役所や自衛隊の駐屯地が見えた。このバスがどのようなルートを走るのか知らなかったのであるが、ふと窓の外を見ると、昼食を食べに行く「蛇の目」が見えた。その数分後、ほぼ定刻の11:50に留萌バスターミナルに到着した。

バスを降りて、目的の「蛇の目寿司」まで歩いた。詳細な地図も用意していたので、何の迷いも無く店に到着した。入口を入ると店員さんが声を掛けてくれたので、「2人です」と言うと一番手前のテーブル席に通された。テーブルの上には、定番のメニューと、その日のお薦めメニューがあった。バフンウニのウニ丼がお勧めメニューに書かれていたが、本日入荷なしのシールが貼られており、がっかりであった。そのため、特上ちらしとタラの三平汁を注文した。

特選ちらし

←留萌・蛇の目寿司の特上ちらしである。このちらしを食べに、わざわざ留萌まで来たのである。表面に見えていないネタが、見えているネタの下にある。ご飯少なめに注文したのであるが、それで丁度良い量であった。

いざ実食…正直言ってどこから箸を入れたら良いのか迷ってしまった。ウニが食べたかったので、まずはウニから食べた。紫ウニであるが、鮮度が良く表面がザラザラとしていた。そこからは箸が入る所から食べて行った。食べても食べてもご飯よりネタばかり…という感じであった。すぐに気づいたのであるが、上のネタの下に違うネタがあるのであった。嫁さんと無言になってちらしを食べた。タラの三平汁も、元々のタラに付いた塩味と汁の味加減が絶妙で美味しかった。このちらしで3,500円である。私は、この内容にしたら絶対にお得だと思った。

海のふるさと館

食事を終えた後は観光である。ただ留萌は、残念だが観光名所が少ない。その中で一番有名なのが「黄金岬」である。前以て調べていたのであるが、蛇の目寿司から徒歩20分ぐらいの所にある。路線バスに乗ろうかとバス停の時刻表を見たが、次のバスまでかなり待つことなるので歩くことにした。携帯の地図を見ながら迷うことなく「海のふるさと館」に到着した。黄金岬はその建物の下にある。

←丘の上が「海のふるさと館」である。建物の中は、留萌の歴史を紹介する展示物が沢山あり、無料で見学することが出来る。留萌も昔はニシンが沢山獲れていたことが勉強出来た。外の階段を降りると「黄金岬」がある。売店で何が販売されているのか覗いたところ「カニ釣り」の仕掛け?が販売されていた。木の枝の先に、イカの細い足が縛られているように見えた。磯場の岩の中からイカを挟ませて引きずり出すのかな?

黄金岬石碑

階段を降りて黄金岬の石碑の前に行った。その場所から見る水平線は、本当に遮る物が何も無かった。ここで夕陽を見たら、本当に太陽が水平線に沈んで行く光景が見れるだろうと思った。その景色が「日本の夕陽百選」に選ばれたと観光案内に書かれていた。是非見たかったが、札幌に帰るのが遅くなってしまうので諦めた。その先は、見えないがロシアの海岸である。

←おばさんと年賀状用の写真撮影。こんな旅行も何時まで出来るかな。

写真も撮れたので、駅前に戻って自宅用の海鮮物を探すことにした。丁度戻ろうと思っていたところ、海のふるさと館前にタクシーが来たので乗った。留萌に着いてから、黄色いタクシーが走っているところを良く見掛けた。運転手さんも齋藤さんであったので話しかけると、留萌では、老人にタクシーチケットを配布しているようで、その需要もあり良く走っているようである。

ネットで地図と観光案内から、駅前に2軒の鮮魚店があることを知っていた。まず、2軒がすぐ近くにあるので、どんな物が売られているか偵察してみた。タクシーの運転手さんが言っていたのであるが、留萌は観光名所が少ないので、観光で来られる方が少ないようである。そのためか、魚屋に行っても札幌や小樽のように、店員さんから声を掛けてくることは無かった。

店には、関西では見ることの無いカレイや生鮭の一本売り、10kgはあるブリが1本2千円台も驚いた。そして旬の筋子などが陳列されていた。生ものと冷凍の商品があり、それぞれ別のコーナーに並べられていた。今回は、自宅に送る冷凍物が必要であったので、塩紅、キンキとホッケの一夜干し、ホヤの塩辛、冷凍のシャコを宅急便してもらった。何となく札幌より値段が安かった。

釣具ローソン

観光と用事を済ませ16:00に高速留萌号で、留萌を後にした。出発してすぐのローソンに差し掛かった時、駐車場ののぼりに「釣具」と書かれているのを発見した。店を見るとガラス窓に「釣具」と書かれた張り紙があった。留萌の港のすぐ側なので、来るお客さんの要望に合わせて置いて居るのだと思った。こんな店でどんな釣具が売られているのか見たかった。

←留萌のローソン、何と釣具を扱っているようだ。

帰りのバスは、滝川経由ということであった。行きの時と違うコースである。留萌を出た後、高速に乗らず国道をひたすら走るルートであった。小さな町があってバス停があり、越えると田んぼばかりになって、また暫くすると町があるということが繰り返された。厳寒期のためか、各バス停には独特の同じ形をした待合所があった。1時間30分ほど走って、JR滝川駅前に到着したのであるが、意外と途中のバス停から乗車される方が居たので、路線バスの役割も果たせていると思えた。

不思議とJR駅前のバス停から数人のお客さんが乗車された。嫁さんとJRよりバスの方が運賃が安いのかな?と話をした。その後は高速に入って札幌に向かった。意外と途中のバス停で降りられる方が居られた。バスは高速を降りてから夕方の混雑に合い、10分遅れで札幌バスターミナルに到着した。

この日の夕食は、昨日、デパートで買ったウニや刺身と、定番のすすきの市場西端のおにぎり屋で買った「おにぎりと豚汁」である。すすきのの飲食店に行くよりも、この食事の方が美味しい。また、お昼に最高の海鮮を食べているので、これで十分であった。

そして…「すすきののマーメイド」である。22時頃にホテルを出て、い・つ・も・の街に消えて行くのであった。しかし今年は事情もあり、その記憶が残っていない…。どこに行って来たんだろう。翌日、何故か財布に覚えのない名刺が入っていることに気づいた。

3日目 最高のラーメン・純連へ

ファクトリー

3日目の予定は、昼に最高のラーメンとネットに書かれていた「純連」に行く予定にしていた。ホテルを9:30にチェックアウトした。純連には、11時頃に行くことにして、それまでの時間は、過去に行ったことのある名所を散歩した。まずは二条市場。お客さんはほぼ無し。いつものように店の前を通り過ぎる際に、売り込みのため店員が声を掛けてきた。昨日の留萌と全く違う。観光客が戻るまで、厳しい状況が続くだろうと思った。

次に足を運んだのは、さっぽろファクトリーである。丁度、ここが出来た時に家族で来た所である。すぐ前にあるホテル「HOTEL CLUBBY」に宿泊し、食事と子供がゲームをするために、ファクトリーに行った記憶がある。現在は、建物も増築されて広々としていた。その後、一旦札幌駅に戻って地下鉄南北線に乗り、純連の最寄り駅である澄川に向かった。

純連本店

南北線でこんなに南まで乗車したことが無かった。一つ手前の駅を出た後、線路は地上を走るようになっていた。地上では、冬に雪が線路に積もらない様、トンネル状の外壁の中を走るような構造になっていた。澄川駅に到着した後、札幌の方向に5分ほど歩いて純連に到着した。その時点で店内の待合の席は既に一杯になっていた。

この店では、事前に自動販売機でチケットを購入し、店員さんが確認に来たら先に渡すシステムになっていた。我々が並んでいると、次に来られた方がチケットをすぐに購入されて列に並んだので、そのルールが分かった。我々もすぐにチケットを購入して待っていると、店員さんが来たのでチケットを渡した。

11時開店なので、我々が到着した時は、開店から来ていた方が一斉に注文した状況であったと思う。そのため、食べ終わる方が中々居なかった。しかし、ポロポロと食べ終わる方が出始めると、一気に食べ終わられて座席が空いた。2巡目のお客さんが帰られた頃にカウンタに通された。予めチケットを渡しているので、座った後すぐにラーメンが出て来た。

帰りのご案内

←純連の味噌ラーメンである。本店の味は、生麺タイプの市販品より、しっかりとした味が付いていて美味しかった。また、このラーメンは、表面が油で蓋をされたようになっており、麺を持ち上げると湯気が出て、本当に熱かった。ラーメンは、この熱さが不可欠だと思っている。

3年前、有名になった「えびそば・一幻本店」に行ってみたが、人それぞれ好みがあるためか、私はそこまで美味しいとは思わなかった。しかし、この純連の味噌ラーメンは、想像を超える美味しさであった。ラーメンのスープとしてコクがあったが、食べた感じはあっさりとしていた。味はちょっと濃いと思ったが、すんなりと食べれてしまった。今まで北海道で食べたラーメンの中では、一番美味しかった。

今回の旅行では、回転寿司は期待に反したが、蛇の目のちらしと純連の味噌ラーメンは、期待していた以上の美味しさであった。実は、いつも札幌に旅行した時に刺身の用意や紅鮭を送ってもらっていたすすきの市場の鮮魚店が、連絡しても繋がらなくなっていた。一日目に店に行ったが、店を廃業しているようでは無かった。しかし、連絡が付かなかったので、何も依頼出来なかった。そのため、今回はデパチカでウニや刺身を買った。また、海鮮のお土産も留萌で買って送った。

すすきの界隈の飲食店は、コロナの影響で大ダメージを受けていた。その店に材料を卸している店も同様である。いつもは、観光帰りで大賑わいの新千歳空港の売店も、天井の照明まで明るさを落としていた。店員さんの人数も減っているように思えた。イベントをやっている広場には何も無かった。

もうすぐ東京からもGoToキャンペーンを利用して、札幌に観光に来れるようになる。観光客はある程度戻るだろうが、中国人観光客が、何時戻って来れるか予想も出来ない。今まで通りの商売を続けるのなら、まだまだきつい状況が続くだろう。観光地も今回の教訓から、外国人に依存から方向性を変える必要があるのではないかと思った。今回の旅行は、苦しんでいる観光地の姿ばかり見たようであった。早くコロナの特効薬が出来て、みんなが元通りの生活に戻れることを期待している。

もうすぐ10月を迎える。先日、淡路の西田船頭に状況を確認したところ、今年は水温が例年より高く、季節が1ヶ月ほど遅れているようだと言っていた。真鯛が食わずハマチが良く釣れているらしい。そのハマチも、水温が高いため、イケスに入れて活かしていても、すぐに死んでしまうらしい。私が釣行する時は、真鯛が釣れるようになっていて欲しい。