2020年7月11日 小浜・佐藤丸のアコウ

佐藤丸

昨年の初釣行は、4匹しか釣ることが出来なかった。原因を考えると、釣り座も悪かったが、釣り方にも原因があったのだと思った。特に、ポイントにもよるが「投げて釣る」ことが出来ていなかった。投げて釣るためには、スピニングリールを使うタックルが必要である。この釣船に精通している方は、その釣り方が良い事を知っており、その準備をされていた。今年は、その事も知っていたので、投げて釣るためのタックルも用意した。

数日前、この日の予約をしてくれた珍テスターから、このところの悪天候を考慮して、出船の判断は、前日の17時に連絡ということになっていた。前日の14時に連絡があり、出船するかしないか微妙なので、19時に連絡するとの電話があった。直後にメンバにそのことを伝えた。そして19:15頃、珍テスタから連絡があり、「出船する」とのことであった。すぐにメンバに伝えて早めに寝た。

当日、予定通り3時にMK氏が迎えに来て下さり出発。須磨のM氏の家まで行ってM氏の車に乗り換えて神戸を後にした。北六甲-山陽道-中国道-舞鶴自動車道と高速を使い小浜ICを目指したのであるが、舞鶴自動車道の舞鶴西から小浜まで、何と工事で通行止め…国道を走って小浜を目指した。途中、毛糸先生から電話があり、珍テスターが同じルートで走ったのであるが、やはり舞鶴西から国道を走ったということで、到着が予定より30分ほど遅れると答えた。

国道は混雑して無かったが、やはり時間が掛り6:15に乗船場に到着した。この日仕切ってくれた珍テスターが、先に行って釣り座を7人分押さえてくれていた。右舷トモと左舷6人分を押さえていてくれたので、MK氏のくじ引きソフトを使って釣り座を決めた。私は最後となる「7」であった。その結果、左舷のミヨシから3番目(ド真ん中)となった。昨年の実績からトモに座りたかった。しかし、これがラッキーなことになるのである。

釣り座が決まった所で、各自荷物を持って釣り座に移動し準備を始めた。準備は、まず餌の小アジ釣りからである。この餌釣りで注意しなければならないのが、「餌が釣れるサビキ」を使うことである。餌が確保出来なければ、アコウを狙うことが出来ない。私は、昨年来た時に釣り友から教えてもらった「マルフジの豆アジトリックの鈎5号」を使った。

他のお客さんも揃い、6:45頃に出船となった。まずは、餌の小アジ釣りである。20分程走って小さな島の側に到着した。昨年もこの場所でエサ釣りをした。船頭がエンジンを切ったら釣りスタートとなることが、この船の暗黙のルールである。仕掛けを投入すると水深8mぐらいで小アジが釣れ出した。アタリが出たらすぐに上げないで、その棚で何秒か待つと、沢山鈎に乗って来た。イケスは瞬く間に小アジで一杯になった。

小アジ

皆さん餌が確保出来たところで、アコウ狙いとなった。船は西の方向に30分ほど走った所で、エンジンがスローになった。結構沖合のポイントであった。岸を見ると大飯発電所が見えていた。船の方向を整えたところで、エンジンが切られアコウ狙いが開始となった。皆さん餌の小アジを刺して、一斉に仕掛けを投入した。

←小アジを玉網なくても簡単に捕まえれるように、小さい浮くザルが用意されている。

アコウのタックルは、竿:メタルイカ用のEmeraldas MX 610LB-METAL、リール:ステファーノ200、道糸:PE1号、仕掛けは、鈎:改良チヌ4号、ハリス3号25cm捨て糸50cmオモリ15号と20号を使い分けた。軽いオモリで良いので、穂先が柔らかくて、ある程度腰の強い竿が適していると思う。

オモリが着底した後、仕掛けが垂直になるように、底を切ってはゆっくりと下げて着底させるを繰り返していると、2投目に明確なグイッと押えるアタリが出た。すぐに合わせを入れると、アコウ独特の締め込む引きが伝わって来た。船中1匹目のアコウは、私が釣った。30cm級の中型であった。

スタートダッシュ

その後、何故か私に連続してアタリがあり、大型は釣れなかったが、中小型のアコウが連続5匹釣れた。船のど真ん中であったが、不思議と良く当たった。根掛りした時に分かったのであるが、この日はミヨシが潮先になっていた。良い番号のクジを引かれた方はトモに座られたが、この日は、ミヨシの方が結果的にも良く釣れた。

←ロケットスタート。他の方が殆ど釣れていない中で、5連続でアコウが釣れた。これで昨年釣った分を超えた。

詳しく見ていなかったので、正確にはわからないが、この船は、シーアンカを船首に付けているようで、ゆっくりと流れているように思えた。そのため、釣れるポイントに入ると、一人だけではなく数人同時に竿が曲がることが多かった。そして、段々と水深が深くなって来た所で、遂に40cmクラスのアコウガ来た。そのアタリは、本当にズドン!と穂先をひったくるようであった。すかさず合わせると、竿が根元から曲がった。最初の引き込みは耐えれなくて少し糸を出した。その後は何とか耐えてリールを巻き続け、DAISUKEさんの差し出す玉網に入れることが出来た。

これで目標は達成出来た。後は、どれだけ数を伸ばせるかである。この船では、良い日は2桁が当たり前である。ここまで来ると、2桁釣ってみたかった。その後もコンスタントにアタリが出て、2流し終えた時点で、既に9匹ゲット出来ていた。あと一匹で2桁である。

3流し目、流し初めは当たらなかったが、途中からアタリが良く出るようになり、中型中心にもう一匹40cm近い良型もゲット出来た。これで2桁も達成出来た。この次の目標は20匹超えである。この流しが終わった時点で16匹釣っていた。あと4匹…。船頭は、水潮で食いが悪くなって来たので場所を変えると言って、ポイントを東の港近くに移動した。

近くには、朝、餌を釣った島が見えていた。このポイントは深く、水深が50mぐらいあった。釣り始めてすぐにアタリが出だしたのであるが、釣れてくるのはカサゴばかりであった。それでも粘り強く頑張っていると、隣のM氏に中型のアコウが釣れた。その時、底を探っていると、漁礁らしき物が海底にあることが感じ取れた。仕掛けを上げて元気な小アジに替えて投入した。結果はすぐに出て、大きなアタリがあり、私も中型をゲットした。しかし、このポイントでは活性が低く、その後はアコウのアタリは無く、12:30頃に沖上がりとなった。

釣果

結果、私はアコウを17匹釣ることが出来た。トップはミヨシの珍テスターで20匹釣っていた。くじ運が悪かったが、この日は、そのことが良かったのか、沢山釣ることが出来た。小浜で釣れる日本海のアコウは、明石海峡で釣れるアコウと全く違うところがある。①背鰭の真ん中辺りに黒い大きな模様がある。②通常オレンジ色の部分が黄色味かかった個体が多い。

←死んでしまうと黒い模様が見えにくいが、黄味は死んでからの方が良く出ていた。

アコウ釣りも潮先が有利となる。この日は、左舷ミヨシが潮先になっていた。私は3番目で良い釣り座となっていたので良く釣れた。そのため用意して来た「投げて釣る」タックルは使うことが無かった。昨年と同じタックルであったので、釣果は釣り座による差であったとしか考えられない。潮後の釣り座になってしまった場合は、投げて釣った方が確率は上がると思う。

帰りも高速が途中まで閉鎖されていると思っていたが、解除されており小浜から乗ることが出来た。そのため来る時よりも30分は早く帰ることが出来て、自宅には16時頃に到着した。夕食は、一番大きなアコウの煮付けを食べた。やはり明石のアコウほど身に味は無かったが、アコウはアコウである。甘味も味もあって美味しかった。この皮のゼラチン質は、余り他の魚に無いものがある。

沢山釣れたので、すぐに料理して真空パックにして、関東で暮す娘に宅急便で送った。関東では、余り見ることの無い高級魚である。但し、娘には釣って来て良く食べさせたので、味を知ってしまっている。釣りに行かずに美味しい魚を食べれることは、本当に幸せだなあと思う。釣行時の車内で出る話の中で、釣って美味しい魚は「明石海峡の魚」が皆さんの結論である。食べている餌、海流の速さ…色んな条件がベストマッチしているのであろう。

来週は、今年3度目のマアジを予定している。このマアジ、美味し過ぎて100匹以上釣って帰っても引き取り先がある。特に干物は人気で、「まだあるか?」と良く言われる。作るのは簡単であるが、これだけ湿気が多いと、冷蔵庫で干さなくてはならず、吸水シートは結構高価なのであんまりやりたくない。しかし、この干し物は本当に美味しい。一度食べてしまうと、他のアジの干物は食べれない。