コロナの緊急事態宣言が解除されたので、今後は予定通りの釣行を実施する。今回の釣行は、今年1月に計画して予約していた。事前に参加メンバを募集し、調整して決定していた。メンバの中では、この西田釣船の釣行は人気である。理由は、「釣れる確率が高いし、持って帰って価値のある魚を釣らせてくれる」ことである。また、仕立て船としては5人で乗船すると、料金が乗合船と同じ程度ということも大きい。
←垂水港を5:10に出船。ポイントはすぐ近くである。
今回の目的は、ズバリ「アコウを釣る」であった。今までは、この時期に真鯛が良く釣れるから狙っていたが、正直言って今の真鯛は美味しくない。逆にアコウは、6,7月が一番美味しい時期である。ただ、専門に狙ってくれる釣船は、西田釣船以外に知らない。
今の時期のアコウ釣りのために、一番ネックになるのが「餌(川津エビ)」である。今の時期はそんなに獲れない。タイラバ、アコラバでも釣れるが、西田さんは高齢で、新しい釣り方には興味が無いようである。実は私もルアーには興味は無く、餌での釣りにこだわりがある。アコウ狙いは、根魚なので小潮の日が良く、この日に予約した。
西田さんと2日前に最終調整をして、当日の釣りパターンを決定し、参加メンバに連絡した。この時点では、真鯛狙いからスタートし、潮が緩くなったらアコウを狙うであった。しかし、前日に西田さんから連絡があり「良い餌が十分準備出来たので、アコウ狙いを朝からやってみるか…」との提案であった。当然、この日のメンバの目的と合致するので、朝からアコウを狙うことになった。
垂水漁港の駐車場が、土日は5:00開門ということで、4:00に迎いに来て頂き出発した。道中混雑することなく、4:45頃に駐車場入り口に到着したのであるが、既に開門していた。料金所で確認したところ、開門待ちの車が多いと迷惑になるので、沢山並んでいる時は、早く開門するとのことであった。
駐車場に入って、まずは西田さんが迎いに来てくれる桟橋の前で荷物を下ろして、車を駐車場に置いて来てもらうことになっている。桟橋前に行くと、既に西田さんが来てくれていた。そのため、すぐに桟橋まで荷物を運び、くじで釣り座を決めた。この日のメンバは、毛糸先生、DAISUKE氏、M氏、F氏と私の5名で、結果、私は4番目に引いて、結果は一番を引いた。何故かこの船においては、良い釣り座が当たる確率が高い。右舷ミヨシにM氏、トモに私、左舷ミヨシにDAISUKE氏、F氏、トモに毛糸先生となった。
アコウ狙いということで、私は胴突き1本鈎仕掛けで狙うことにした。昔は、胴突き2本鈎で狙っていたが、私が知っている限り、上の鈎にアコウが釣れたことは無かった。そのためメンバには、アコウのみをターゲットにする場合は。1本鈎仕掛けにするように周知した。今年に限っては、下手に上鈎を付けていると、ハマチが食ってくるので避けるためでもある。
この日のタックルは、竿:腰に張りのある7:3調子で、ある程度長い竿が良い。そのためダイワ極鋭真鯛360を使った、リール:シマノForceMaster400、道糸:ソルティガセンサー2号、仕掛けは、胴突1本鈎仕掛け、オモリは60号を使った。アコウは、鈎掛りした瞬間や巻き上げ途中でも強い引き込みがあるため、ハリスは、最低4号を使うようにしたい。また、潮の速さにより、捨て糸の長さを調整する方が釣果に差が出る。
出船して10分程で、アコウ狙いのポイントに到着した。今、大盛況のマダイサビキのポイントのすぐ近くであった。途中、すれ違う船を見ていると、既に真鯛を取り込む方がちらほらと見受けられた。ポイントに到着して、すぐにやって良いとの指示が出て、一斉に仕掛けを下ろした。アコウ狙いでは、活きた川津エビを鼻掛けして使う。投入の指示が出るまでに、刺して準備しておかなくてはならないが、殺さずに刺すには、慣れないと時間が掛ってしまう。
期待が一杯のひと流し目、すぐにアタリが出たが釣れたのは良型のカサゴであった。エサのエビが結構大きいので、釣れるカサゴは良型が多い。次のアタリ、カサゴのビビビビ…というアタリではなく、ゴンゴンと押えたので大合わせを入れた。すると掛った瞬間からグイグイと穂先に締め込む引きが伝わって来た。隣の毛糸先生が「それ、間違いなくアコウですね」との発言があった。上がって来たのは、本日第一号のアコウで35cm程の型であった。
良し、これからだと気合が入る。同じように釣っているのに、その後は、私にはカサゴが先に釣れてしまい、隣の毛糸先生には、連続でアコウが釣れた。しかし、朝のアコウタイムは短く、30分ぐらいで潮が速くなり真鯛釣りにチェンジとなった。
すぐに疑似餌の真鯛釣り仕掛けに変更した。私の仕掛けは、胴突き8本鈎で疑似餌に毛糸で作ったミミイカを付けた。前のメンバは、ゴムのミミイカを使っていた。タックルも真鯛釣りのために新しく購入した竿、ダイワ極鋭GAME MH-230を使ってみた。
真鯛狙いのひと流し目、オモリが着底後、ゆっくりと巻き上げていると7,8m巻き上げた辺りでコンコンコン…と真鯛のアタリが出た。そのま巻き上げていると鈎に掛ったのであるが、より激しいアタリが伝わって来た。ヤバイ、ハマチか?水面まで巻き上げると、やはり真鯛とハマチのダブルであった。隣の毛糸先生とお祭りしてしまい、一流しで仕掛けワンセット消費…。
気を取り直して新しい仕掛けをセットした。そして投入して巻き上げを繰り返していると、またまたアタリが来た。その時、船中、皆さんにもアタリがあって、あしらっている状況が確認出来た。食いの立っている時は、誰にでも釣れる状況であった。30分程の間は入れ掛りであったが、潮がすぐに速くなって真鯛が釣れなくなってしまった。
←28~55cmの真鯛、毛糸先生と2人の釣果。5人分では沢山居たのでこれだけで写真を撮った。
食わなくなったので、西田さんは淡路側のポイントに移動した。このポイントは、数は釣れないが、釣れたら良い型の真鯛が釣れると言った。仕掛けを投入するとすぐにアタリが来た。まずまずの型のアタリであったが、巻き上げ途中で外れてしまった。次の流しもアタリが出て、今度は確実に鈎掛りした。しかも結構良い引きであった。慎重に巻き上げると水面に姿を現したのは、55cm程の良型真鯛であった。もう一匹追加したところで、全くアタリもなくなったため、真鯛狙いを終了して、一旦港で休憩することにした。
今釣っていたポイントから、西田さんの船を係留している桟橋までは5分ぐらいの距離であった。この時点で、皆さん真鯛はお土産を確保出来ていたので、後半はアコウオンリーの釣りをすることとなった。1時間程休憩した9:30頃に西田さんが、「そろそろ行こか…」と言ったので、陸に上がっていたメンバに声を掛けて再出船した。(釣れない時間、休憩出来るのも仕立ての良いところである)
沖に出でまず狙ったのが、岩屋沖の漁礁である。かなり小さい漁礁なので、船がその上を流すのが難しいようで、中々磯場を感じることが無かったが、遂に磯場に当ててくれた。しかし、潮が複雑で根掛りしてしまった。仕方なく仕掛けを切ろうとリールを巻けるだけ巻いて切ると、オモリが掛っていたようで、切れた直後大物の引きが伝わって来た。
その引きは、間違いなくアコウの大型であることが読み取れた。根掛りしてアコウが釣れた…ちょっと恥ずかしいが釣り上げたら勝ちである。慎重に巻き上げると、遂に水面に姿を現したのは、予想通り大型のアコウであった。毛糸先生が玉網で掬ってくれ、手酌で測ると50cmぐらいある立派な型であった。これで今日の目標がクリア出来た気がした。
←岩屋沖で釣れた52cmのアコウ。重量も2kgあった。
次の流しも磯を捉えてくれたのであるが、アタリを取る前に根掛りしてしまった。これも切ったところ、先程と同じようにアタリが伝わって来たが、すぐに鈎外れしてしまった。残念…アタリからして、先程と同じぐらいのアコウだと思った。このポイントでは、その後はアタリが無く、本日のゴールデンタイムとなり、朝釣れたポイントに移動となった。
本命ポイントに入る前、深場の別のポイントを流したところ、DAISUKEさんが50cmぐらいある立派なアコウをゲットされた。そのポイントでは、それ以外のアコウは釣れなかった。そして遂に本命ポイントに移動した。これから1時間程の間が勝負となる。
流す筋が決まったところで仕掛けを投入した。底の状況が竿に伝わって来るのであるが、まだ少し潮流が速いようであった。しかし、アコウは、本当に潮が緩い状態より少し速いぐらいの方が良く当たる。暫くすると段々と潮が緩くなってきた。すると、アコウのアタリが出だした。
アコウが居る場所には、固まって居るのか、一人掛けると同時に複数の方に釣れるような状況であった。私が掛けると隣の毛糸先生にもすぐに掛ることが頻発した。但し、そんなにたくさん居る魚ではないので、ボコボコに釣れる訳ではない。
12:10頃、西田さんは東の方を指差し、「あの水潮が来たら、今日は終わりや」と言った。その方向を見ると、明らかに上りの潮による波が確認出来た。その波が来ると二枚潮となって、西側に流れ出した。それでも潮はそんなに速くなく、3匹程のアコウが釣れた。しかし、時間が経つにつれて潮が速くなって、13:00に沖上がりとなった。
←本日のアコウだけの釣果。一番最大で52cm、50cm程のが3匹上がった。こんな釣果は、何年ぶりだろうか、納得の一日であった。
結果、私はアコウを5匹、真鯛を7匹、カサゴを19匹釣ることが出来た。アコウと鯛は大きかったので30Lのクーラーが満タンになってしまった。全体では、アコウを0~6匹の結果であった。(一人だけ残念賞)真鯛とガシラは各自、おかずには十分釣っておられた。この日は、ハマチはあまり釣れなかった。
今までアコウを沢山釣りたくて、広島にも通ったが、本当に腕の良い船頭に出会えず、納得行く釣果を得ることは出来なかった。明石海峡では、アコウの魚影はそこまで濃くないが、西田さんのような凄腕の船頭が居れば、釣らせてもらうことが出来る。但し、西田さんは高齢なので、あと何年乗せてもらえるかが心配である。
この日の夕食は、当然アコウである。今の時期のアコウは、本当に美味しい。刺身と煮付けにして食べたのであるが、身に弾力があり、噛むと甘味が出てきた。刺身も美味しいが、私は煮付けにして食べるのが大好きである。身の繊維とその旨味が、他の魚にない物がある。こんなに美味しい魚は、自分で食べたいので、残りのアコウは、料理して真空パックにして冷凍した。
←アコウの煮付けと刺身、本当に身に味があり美味しかった。やはりアコウは夏場の最高の魚である。
今回、アコウも鯛も沢山釣れた。カサゴ19匹も型が良かったので、かなりの体積であった。神戸からすぐ近くの明石海峡で、こんなに美味しい魚を釣ってしまうと、遠征することについてちょっと考えてしまう。しかし、こんな結果を出せるのも西田さんのお陰だと思っている。
数日前、6月に予定している日本海の香住の剣先イカを釣りに行く遊漁船(海晴丸)が、港で火災に巻き込まれて全焼し、釣行中止との連絡が来た。確かにテレビで、その火災がニュースに取り上げられていた。色んなリスクについて考えておくべきであるが、船が焼けてしまうことは、想定出来なかった。但し、釣友が別の船を必死で探してくれ、別の船で行けることとなった。
来週は、またまたマアジ釣りを予定している。今後、7月末までは予定がびっしりと詰まっている。今回沢山釣れたこともあるが、釣りに行けることは、本当に幸せなことだとつくづく感じた。あと何年釣りを続けるだろうか。そろそろ定年後の生活設計をしなければいけない年になってしまった。