やっと兵庫県のコロナの緊急事態宣言が解除された。大阪、京都、兵庫は、他の都道県より数日遅れたが、条件を満たしたので解除された。3月20日に釣行してからの2ヶ月間、天気の良い休日も自宅で大人しく、時間が過ぎて感染が収まるのをひたすら待った。そして、やっと束縛から解放される日が来た。
この2ヶ月の間、釣りに行けないのでネットで調べていたところ、乗合船においては、出船している船としていない船が顕著に分かれていた。出船している船は、当然のことであるが、コロナ感染対策を色々と実施されていた。①マスク着用は必須。②釣り座の間隔を広く開ける。③キャビンの使用禁止と、船頭の居る操舵室の入出禁止…など。
しかしながら、宣言が解除されていない時に、釣りに出掛けるのには勇気がいると思った。もし、釣りに行ったことが原因で感染してしまったら、何の言い訳も出来ないからである。家族や周りの関係者に迷惑を掛けてしまうので、私は解除が出るまで釣行することを待った。
この日は、自分の好きな釣り座に座ろうと思い、10:00に待合所に着くように9:20ぐらいに出発し、予定通りの時刻に到着した。スタッフの方に乗船順のチケットをもらったところ、私と釣友は、2,3番であった。これで最低3つの端の釣り座が選べることになる。この日は、午前便が既に帰って来ており、防波堤に横付けされていた。無茶ぐちゃ釣れて早帰りしたのかと思ったら、朝早く出たので、早く帰って来たとのことであった。
待ち時間の間に昼食を済ませて待っていると、11:30頃に待合所から船に移動するよう指示が出た。すると皆さんゾロゾロと船に向かって歩かれた。そして一番の方から乗船が始まった。一番の方は、左舷のミヨシに座られた。我々は、右舷のミヨシから2名座った。正直、この日のベストな釣り座はわからなかった。ただ、結構お客さんが多いので、お祭りすることを避けて端に座るようにした。
←皆さん準備は整った。
全員揃ったのか、12時頃に出船した。今の時期は須磨沖でマアジは釣れない。初めから神戸沖を目指した。岸でも風は結構強かったが、沖に出ると南西の風がかなり強かった。この日のタックルは、磯竿1.5号4.8mにリールは軽量なステファーノ200、道糸PE1号に先糸フロロ4号3m、仕掛けは、自作サビキ5本鈎にアミカゴ25号をセットした。
ポイントまでの道中、久々に沖から神戸の街を見た。いつ見ても綺麗な街だと思った。途中、神戸空港の釣り公園前を通過した。釣り物が少ないのか、釣り人はまばらであった。釣れる時は、この公園で船で釣れるマアジと同じサイズのが釣れることもある。船は、更に進んで一つ目のポイントに到着した。皆さん大体行くポイントを知っているみたいで、近づいてくるとすぐに投入出来るように準備された。
←神戸空港の釣り公園である。釣り人は少なかった。
暫くして投入の合図が出た。皆さん待ってましたとばかりに、一斉に仕掛けを投入した。するとすぐに左舷のお客さんにアタリが出てマアジが釣れた。私は右舷ミヨシに居るので、右舷をトモまで見渡せるが、誰一人として釣れていなかった。暫く粘って釣っていると、私にもやっとアタリが出て本日の一匹目のマアジが釣れた。しかも、25cm程の良い型であった。
しかし、皆さんも後が続かず食わなくなったためポイント移動となった。5分も走ることなく2つ目のポイントに到着した。この場所は、東西の風通しが良く西寄りの強風であったため、まるでシケ状態であった。しかし、投入すると皆さん一斉に釣れ出した。マアジ釣りは、この釣れっぷりが醍醐味の一つである。ずっと釣れ続く日もあるが、大抵の場合、30分から1時間ほど経つと食いが落ちて来て釣れなくなることが多い。
強風の中であるが、降ろしたら釣れる状態が続いた。途中から一匹掛ってもそのまま暫く待つと、2連、3連と食ってくるようになった。こうなれば、手返しの速さが釣果の差となる。しかし、本当に強風のため、掛った魚の取り込みが簡単ではない状況が続いた。竿が柔らかくて長いこともあって、必死でロットコントロールして、取り込む確率を上げるように努力した。
どれだけ注意していても、鈎が口の柔らかい所に掛かっていると、水面や空中で口切れしてバラシが頻発した。それでも私が使っている竿は柔らかいので、他の人なら口切れしてしまうような掛りでも、結構取り込むことが出来た。イケスを見ると、底が見えないぐらいのマアジが泳いでいたので、一旦釣りは止めて魚を絞めた。この時点で27匹釣れていた。
暫くすると誰にも食わなくなり、ポイントを移動した。移動と言っても、今度は100mも離れていないポイントであった。そして船頭の合図で釣り再開となった。次のポイントも当初は食いが立ってバタバタと釣れた。この日の潮は、前から後ろに流れているのか、不思議と後方から釣れ出して、段々と前も釣れるようになることが多かった。このポイントも良く釣れて、移動する際に魚を絞めたら、24匹釣れていた。これで計51匹となった。
次のポイントは、どこに行くのか…その辺りのポイントを確認していたが、魚探に映りが出ないのか、結局初めに釣ったポイントに戻った。すると初めに来た時は釣れなかったが、この度は、初めからマアジが食って来た。同じ場所なのに潮なのかな???しかも、この時はミヨシの方が良く釣れた。そのため、私は入れ食いとなり数を稼ぐことが出来た。
食い気が無くなって来たところで、またまた移動となった。次のポイントは、またまた先程釣っていたポイントであった。そんなに食いは良くなく、ポロポロと釣れる程度であった。時計を見ると16:30を回っていた。船は最後のポイントに移動した。有名な某灯台近くであった。移動する間にイケスに入れていたマアジを締めた。その結果、この時点で丁度90匹釣っていた。あと10匹で100匹達成となる。
投入の指示が出てから、暫くの間は誰にも釣れなかったが、ポロリポロリと釣れ出した。不思議とこのポイントで釣れるマアジの型が、ひとまわり大きく、25cmぐらいあった。しかし、本当にポロリポロリであったので、私はこのポイントで4匹しか釣れず17:30の沖上がりとなった。
結果、94匹。今年初めてのマアジ釣りとしては、かなりハイレベルな結果となった。強風で無かったら、恐らく100匹はクリア出来ていたと思う一日であった。2ヶ月間、釣りが出来なかったので、本当に釣りが出来て、また良く釣れたことで、ストレスが大分消えた。釣り師は、やはり釣りに行かなければいけないと思った。
←皆さんたくさん釣れたので、帰りのクーラーに氷を補充していた。
純栄丸のマアジ釣りは、通常の年であれば5月後半からスタートとなるのであるが、今年は今までとちょっと状況に違いがあった。それは、3月頃からマアジが釣れていて、出船していたことである。船頭の話によると、暖冬であったため、近くで越冬していたのではないかということであった。本当の原因はわからないが、ここ数年、今までにない自然の事象が多発している。特に、明石海峡で年中ハマチが釣れているのは何故だろうか?
←釣ったマアジは、絞めるまでイケスで活かしておき、海水と氷を混ぜた冷水に絞めて冷やす。冷えたら氷に直接触れないようにビニール袋に入れてクーラーに保存する。真水に表面が触れると白く変色してしまうので注意。
コロナの影響で、道路が空いていることは、釣り師にとっては嬉しいことであった。通常であれば、混雑していることを前提に、帰宅出来る時刻をメールしていたが、何も混雑なくすんなりと帰宅出来てしまった。
そして楽しみの夕食である。この日のおかずは、マアジの塩焼きとタタキを作って食べた。今日釣れたマアジは、既に脂が乗っていた。刺身醤油に身を浸すと、脂がピュアーと広がった。塩焼きにしても、焼き網の下に脂がポトリポトリと落ちていた。焼き上がったマアジにドバッと醤油を掛けて口に入れると、ジューシーな旨味が口の中に広がった。
余りにも美味しいので、嫁さんも無言でマアジをせせっていた。但し、この後、仕事が残っているのである。魚の処理である。アミエビも食べているので、釣って帰った日に内臓は除去しておく必要がある。また、明日が生ごみの日なので、臭いが出ない間に捨てたかった。
去年、自分で料理をして食べてくれる老夫婦が亡くなってから、全ての魚を私一人で料理しなくてはならないこととなった。今回は、今年の一回目であるが、沢山釣れたので干し物とフライ用の切り身を作ることにした。翌日は、有給休暇を取っていたので、朝から開きと三枚おろしにして、干しカゴで干し物と三枚おろしにした身は、真空パックにして冷凍保存した。気温もそんなに高く無く湿気も少なかったので、夕方までに干し上がっていた。
この時期のマアジは、本当に脂が乗って美味しい。後2回は釣行したいが、6,7月と釣行の予定がぎっしりと詰まっている。その狙いは、真鯛、アコウ、剣先イカ、タコなど。来週は、真鯛とアコウ狙いの釣行を予定している。アコウを何とかして釣って食べたいと思っている。