2020年1月18日 爆釣・晴光丸のウマヅラ

今年2回目の釣行は、何と広島遠征である。今季は水温が高いので、必ず釣れるという前提での釣行となった。本当は、12月中に行きたかったが、人気抜群の晴光丸であり、大型タチウオも釣れていたため、年内は既に満船になっていた。そのため、11月下旬に船頭にお願いして、この日のウマヅラ狙いの出船となった。過去にも一度、一月にウマヅラ狙いで広島に来た事があったが、その時は、良い結果を出すことが出来なかった。

昨年は、11月の2日間しかウマヅラ狙いに行けなかったが、144匹という人生で最高の釣果を出すことが出来た。ウマヅラ釣りの楽しさは、エサを出来るだけ取られないようにアタリを取り、掛け合わせることである。エサが取られる時は、持ち前の技で釣ることが出来る。他人と競争する気は無く、自分の技を磨き上げる釣りである。

季節が冬なので、一週間ぐらい前から天気予報が気になって来た。予報を見ていると晴になりそうだが、前日の金曜日が雨の予報で、翌日は風が強くなりそうであった。2日前からGPV気象予報で風向きと強さを見ていたが、前日の予報を見るとポイントとなる周辺は、北東の風が10mぐらい出るようであった。前日に恐る恐る船頭に電話したところ、出船するとの回答であった。

この日は、山口県のポイントに行くため、朝5:30出船ということであった。そのため、私の家を0::30に出発となった。前日は、寝る時間が欲しいので、午後有給を使って早く帰宅した。しかし、余りにも早い帰宅なので、帰りに大阪駅のヨドバシにある釣具店ブンブンに遊びに行った。そこで特価の竿を見てビックリ、欲しかったが高価なので買わなかった「Daiwa極鋭ゲームMH-230 AGS」が半額で売られていた。ウマヅラにも使えるかもしれないし、鳴門のビニールサビキ用に購入した。

当日、明朝の0:30前に毛糸先生からもうすぐ着くとの連絡が来た。荷物を持ってマンションの入り口に行くと、丁度毛糸先生の車が到着し、荷物を積んで出発した。次に同行する塩屋のF氏の家に向かった。約40分程で到着し、荷物を積込んで広島に向けて出発となった。

今回の経路もいつも使うルートであり、高速代が最小で時間が掛らず山陽道に入れる、阪神高速→姫路バイパスを経て姫路西から山陽道に乗った。F氏の運転で、道中停滞も無くスムーズに山陽道を走り、途中1回休憩して出発から2.5時間程で小谷サービスエリアに入ってもらった。

このサービスエリアで、遠征時に毎度購入している「ゆさんのキムチ」を購入するためである。皆さんもこのキムチは美味しいという認識で、広島遠征時は、このキムチを購入することが恒例となっている。前回からキムチ以外に私の好きな「カクテキ」が販売されていたので、キムチとカクテキを購入した。

小谷SAを出発し、すぐ近くの高屋JCTを降りて呉道から国道32号を通って、4時頃に安芸津駅近くのセブンイレブンに到着した。途中大雨の影響で崩れた山の補修の場所があり、未だに改修が終わっておらず、簡易な信号ででの交通が続いていた。

食糧を調達した後、最終目的地の安芸津港に向かった。4:30に港に到着すると、船頭は来ていなかったが、お客さんは何人か来ておられた。そして、5時頃に船頭が到着した。皆さんすぐに船頭から提供される氷を好きなだけクーラーに詰め込んでいた。

船頭さんから座る釣り座の希望を聞かれたので、メンバで話し合った結果、右舷のトモから3席に座らせてもらうことにした。ただ、トモから2席は座り易いが、3席目はキャビンの横で、座る幅が狭く体形が肥えている人には不向きである。私は、車を運転出来ないし肥えていないので、3席目に座ることにした。調整した結果、右舷トモにF氏、2番目に毛糸先生が座った。

予定通り5:30に出船した。その後、すぐに持参した海エビをハサミでカットした。カットが終わった後は、道中1時間以上かかるということで仮眠した。エンジンがスローになったのは、出船から1時間10分過ぎた6:40であった。皆さんキャビンから出て、各自準備を開始した。

この日のタックルは、このウマヅラのカゴ釣りのために買った竿:剣崎30-270MT、リール:ステファーノ200、道糸:PE8本撚り1号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を2mぐらい付けた。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王7号(ナノスムースコート)の胴突き6本鈎仕掛けで、ドンブリカゴ25号を使った。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。

前日の電話で、この日のポイントは友香丸や美咲丸で行ったことがあるポイントと聞いていた。船の周りを見渡すと、確かに片島の側であったが、今まで入ったことの無いポイントであった。すぐに準備は終わったが、なかなか投入の合図が出なかった。すると船頭が「齋藤さん、まだ暗いのでもう少し待って下さい」と私に言った。

6:50頃、投入の合図と魚の棚のアナウンスがあり、釣りがスタートした。この時点では、まだ薄暗くて穂先が見えない状況であった。そのため、穂先を自分の目の位置ぐらいまで上げて、空の明るさを使ってアタリを待った。すると薄暗くてもウマヅラは食って来た。しかも朝イチは、警戒心が無いのか結構アタリが大きく出た。

モヨっとアタリが出たところでシャープにキュッと合わすと鈎に乗った。巻き上げ途中にコンコンとウマヅラらしい引きが伝わってきて、一匹目をゲットした。25cmほどの中型であったが、良く肥えてキモも入っているようであった。その後は、明るくなって普通に穂先が見えるようになった。

この一月後半という時期なので、アタリが渋いかもと思っていたが、全くそんなことなく入れ食いが始まった。今季は、暖かく水温が高いためなのかもしれない。このポイントは半転流の中に居る状態で、船がずっと同じ場所に居座っている感じであった。そのため何回でも投入出来る状態であった。

途中経過

餌を刺して撒き餌を詰めて投入、棚で止めてアタリを待つとすぐにモヨっとアタリ、パシッと合わせて鈎掛り、巻き上げて取り込んで鈎外し…。本当にこの繰り返しが続いた。緑のバケツがすぐに一杯になり、次に赤のバケツが一杯に、緑のバケツの魚が酸欠で死にそうになってきたので、一度全部〆てバケツの水を入れ直した。そして釣れた魚を緑のバケツに入れて行くと、またまた一杯になった。

丁度その頃になると潮が流れて来て、ポイント移動となった。一旦全ての魚を〆て、魚を数えてクーラーに入れると、この時点で32匹であった。普通であれば、一日でこれだけ釣れたら満足であるが、晴光丸は、こんなもんでは済まない。まだまだプロローグの段階であった。しかし、これだけでクーラーは、空きがなくなっていた。

2つ目のポイントは、友香丸で来たことのあるポイントであった。このポイントも半転流のタイミングなのか、殆ど船は同じ場所に居座る感じで、何回も投入出来る状況であった。この日の棚は、12~14mで釣れることが多かった。そのため回転が速く、数を稼ぐことが出来た。型も大型が少ないものの、小型も無く殆どか25~30cmの型であった。

一つ目二つ目のポイントとも、食い気は抜群にあったが、時間が経過するにつれて学習効果が出て、餌を食いにくるのであるが、アタリが明確に出なくなってしまうのであった。良くこんな時は、どうすればアタリが取れるのかと聞かれる。非常に難しい質問である。私は、鈎から穂先までを、常に張った状態で釣っていると、小さいアタリでも分かる…と答えている。また、それでもアタリが出ない時は、本当にゆっくりと誘い上げると、アタリが穂先に出ることもあると答えている。

二つ目のポイントも食い気が無くなってきたため、三つ目のポイントに移動した。次のポイントは、島のすぐ側のポイントであった。ここでは居座るのではなく、流し釣りであった。漁礁の上を流しているとのアナウンスがあった。流し釣りなので自分の仕掛けがポイントに入った時しか当たらない。但し、このポイントでは、非常に明確なアタリが出て、本当に簡単に釣れた。通常一流し一回の投入であるが、投入直後に釣れた場合で、他の鈎に餌が残っている場合、そのまま仕掛けを投入出来たら、一流し2匹釣ることが出来た。

時化てきた

←天気予報に反して、朝は風も無く穏やかであったが、10時頃から東の風が強くなり、結構波も高くなった。

三つ目のポイントは、10回ぐらい流すと、何の加減か食い気が一気に無くなってしまった。そのため、船頭は、2号艇からの連絡を受けて、11月に行った中島のポイントまで走った。その間に、魚の角切りと内臓を除去した。この時点で50匹は超えていた。クーラーに入らない魚は、緑のバケツに氷水を作って冷やした。

船がポイントに到着すると、2号艇が既に釣っており、そのすぐ近くで釣りがスタートした。我々が仕掛けを下ろすと、すぐにウマヅラからのアタリが伝わって来た。ただ、ちょっと学習したのか、簡単には鈎に掛らない状況であった。

しかし、ウマヅラが餌を食いに来ているので、数打ちゃ当たる…という信念で、小さいアタリを掛け続けると、その中に良いアタリも出て、鈎に掛るのであった。鈎に掛っても、こんな食いをする時は唇に掛かることが多く、掛った直後や巻き上げ途中で良く外れてしまうのであった。

楽しい時間はすぐに過ぎてしまうもので、14時に船頭が「今日は14:30で終わります」とのアナウンスを流した。あと30分…、実は、冷凍エビを5袋持って来ていたのであるが、ほぼ使い切っていた。そして餌が底をつく寸前に沖上がりを迎えた。何匹釣れたかな?クーラーの中は32匹、足元とバケツ2個にはウマヅラが沢山居た。

釣り座周辺の掃除をしている間に、船頭が数を数えてくれた。その結果86匹居たことが分かった。その魚をクーラーに積み上げて写真を撮っていた。それから港に着くまで「隊長」と呼ばれる地元の釣り師が話掛けてこられたので、色々とウマヅラ釣りの事をお話した。皆さん、もっと上手くなって沢山釣りたいと言う意思が、凄く伝わって来た。

釣果

←神戸チームの釣果である。左からF氏42匹、私86匹、毛糸先生51匹という一月としては、とんでもない好釣果となった。

船は、安芸津港に戻り、記念撮影が始まった。すると先に帰港した2号艇のお客さんが釣果を見に来て、我々の釣果に驚かれていた。その後、駐車所に上がったら、沢山の方から、竿や仕掛け、そしてアタリの取り方などを聞かれた。私の説明出来る範囲で、質問にはお答えした。

その中で、一番気にされているのがやはり「竿」であった。私は、2002年から2003年にかけて、がまかつの方と釣友がきっかけで知り合った。そして、何か要望があればということで、ウマヅラの竿を鈎を作って欲しいと言ったところ、「がま船・うまづらはぎ」が誕生した。その後、イメチェンを繰り返し、現在の「がま船・うまづらはぎSV」に至っている。鈎も「カワハギ王」は、私の要望から出来た鈎である。

この「がま船・うまづらはぎ」は、撒き餌カゴ無しの餌釣り用に開発した竿である。私も広島に行くようになって、何回かはこの竿にカゴを付けて釣ってみた。カゴ自体25号あるし、水圧も掛るので向いて居ないと判断した。そのため、カゴ釣りに適した竿を探した。

TV番組で、ウマヅラ釣りを一番多く放映しているのは「つりごろつられごろ」だと思う。この番組はずっと録画しているので、ウマヅラ釣りの番組が結構あり、何回も再生してお客さんが使っている竿と、魚を掛けた時の調子を見て、どの竿が最適かを考えた。しかし、自分が考える最適な竿は見つからなかった。

そこで、カタログや釣具店に展示されている竿を見て触って考え抜いた結果、ある一本の竿が候補に上がった。その竿が本日使った「Daiwa 剣崎30-270MT」である。前バージョンとなる先鋭剣崎より、手元がスリムになり、軽量化も進んでいた。そして何より大事なのが、25号のカゴを付けて、アタリが取り易い穂先であることである。

この竿を確認するため、昨年は「フイッシングショー大阪」まで足を運んで見に行って来た。そして実物を触って、この竿はウマヅラ釣りに合っていると判断し、即購入した。去年の11月は、時化ていたので短い竿が釣り易いと思い使わなかったが、今回初めて使って、その良さがしみじみと分った。アタリの出方や掛け合わせた時の掛り方について、私の思っていた通りの良さが感じられた。

この日、ご質問で「なぜ2.7mの長い竿が良いのか?」と聞かれた。私の答えは、ウマヅラは宙層に居り棚が広いことが多いので、鈎数が多い方が棚を広く探れて有利となる。そのため、枝鈎を6~7本にしており、仕掛けの全長が結構長くなる。仕掛けが長いと、2mの竿だと仕掛けの方が長くなり、竿に枝鈎が絡んだり、鈎同志がもつれたりとトラブルが多発する。そのようなトラブルを避けるために長い竿を使うようにしている。

スチロール

←30Lのクーラーに入り切らず、船頭に用意してもらったスチロールにも満タンのウマヅラが詰まっていた。単純に考えると、これだけ釣れる時は、60Lのクーラーが必要である。

帰りもそんなに渋滞もなく、20:30に帰宅出来た。帰宅してすぐに刺身と煮付けにして食べた。船頭が言っていた通り、本当にキモが沢山入っていて美味しかった。この日の魚は、船の上で全て内臓を除去していた。しかし、皮は剥いていなかったので、翌日は、朝から皮剥きとなった。全て料理が終わったのは午後になっていた。料理が終わり、それから実家や同僚にプレゼントした。それでもまだまだ沢山のウマヅラが残っていた。

そのため、今回ウマヅラの干物を作った。毛糸先生が干物が美味しいということを教えてくれたので作ってみた。表面に薄皮があるので、塩水で塩味が付くのか不安であったが、食べて見るとしっかりと味が付いていて美味しかった。直近の広島遠征3回で、101匹,144匹,86匹釣ることが出来た。平均すると100匹/1回を超える。こんなことは今まで無い。今の時期でこれだけ釣れたのだから、今年の秋冬は非常に期待している。晴光丸のHPを見ると、この秋に私がウマヅラの勝負をすることになっていた。何かわからんが楽しみである。