今回は、初めてのヒラメ釣りである。活けのアジかイワシを餌にして狙う釣り方と聞いた。関東ではメジャーな釣りであるが、関西ではそんなにメジャーな釣り方ではない。専用の仕掛けについて、関東の仕掛けの本を読んで、どんな仕掛けか確認した。その結果、孫鈎を餌の魚の肛門辺りに刺して釣る2本鈎仕掛けが主流であった。
←イケスから餌のイワシを積み込むところ
この孫鈎には、普通の鈎かトリプルフックを使う。私が千葉に単身赴任していた2003年頃、渋谷のサンスイ船釣館に釣具を買いに行った際、トリプルフックの鈎1本が逆さまに付けられている鈎を見たことがあった。何に使う鈎か聞いたところ、ヒラメ釣りの孫鈎に使う鈎とのことで、エサに鈎を刺すのが簡単で、方向が安定するらしい。
そのことを知っていたので、メーカーからこの仕様の鈎が無いか確認したところ、がまかつが「泳がせヒラメ」という鈎を販売していた。今回は、この孫鈎を使って仕掛けを用意しようと思い、会員になっている釣具店に電話で置いて居るか聞いてみた。その結果、どこにもこの鈎を置いて居る店は無かった。ただ、この鈎を使ったがまかつの仕掛けを置いて居る店はあった。
この孫鈎を使った、仕掛けだけでも入手してみたかったので、回答のあったフイッシング・ヒカリに行ってみた。早速、仕掛けコーナーに行ってみると、置いて居た仕掛けは、トリプルフックを使った仕掛けであった。店員さんも鈎の形状を余り知らないのだと思った。そして、鈎のコーナーに行ってみたところ、何と私が購入したかった「泳がせヒラメ」の8号があり購入した。
家に戻って仕掛け作りを開始。ハリス6号で上の鈎を先に結び、孫鈎との間隔が13~15cmになるように孫鈎を結んだ。更にもう一つのタイプは、親鈎が自由に動かすことの出来る誘導式を作って用意した。最終の連絡で、前半は、青物の潮があるので用意するようにということなので、ノマセ用に鈎素10号の仕掛けも用意した。
4時に迎いに来て下さり出発、摩耶から高速に乗り、明石海峡大橋を通って三原インターを降り、途中コンビニで食糧を調達した後、福良港まで大体1時間程で到着することが出来た。乗船場に荷物を移動させて、船頭が来るのを待った。すると、5:30頃に自転車に乗って船頭が来られた。
青物男が船頭と調整して、我々4名は、ミヨシ側の釣り座に座ることになった。その場でくじ引きして、私は3番を引いたので、左舷ミヨシに座った。毛糸先生は左舷中、青物男は右舷ミヨシ、DAISUKEさんは、右舷中に座った。船は、予定通り6時に出船した。そして湾内に設置されたイワシを活かしているイカダに船を着けた。そのイカダの網から6人が使うイワシを船に積み込んで港を後にした。
←餌に最高のイワシが準備出来ていたのに…残念。
湾口を出ると、予報通り北風が吹いていたが、予報ほど強くなかった。船は鳴門大橋をくぐって、丸山沖ぐらいにあるポイントに到着した。その頃には、海は結構穏やかになっていた。そのポイントには、漁師やプレージャーボートが沢山集まっていた。船頭は、海底の状況を確認して投入の指示を出した。この船は、探検丸が使えるので水深等は把握出来た。
青物のタックルは、竿:ダイワ・落し込みMH-245、リール:SEABORG300、道糸:PE3号、幹糸、ハリスとも10号、小鯛鈎12号の1本鈎を用意した。オモリは80号を使った。さすが鳴門海峡である。潮は南から北に結構な速さで流れていた。船頭から駆け上がりのポイントなので、底を引きずらずに水深に合わせて、棚を合わすようにとのアナウンスを出した。
ひと流し目、駆け上がりのてっぺん辺りで何人かに同時にアタリが出た。私の竿にもアタリが出たが、何かおかしい。巻き上げていると途中でふわっと軽くなった。なんと道糸の途中から切れていた。恐らく誰かの仕掛けにサゴシが掛り、そのサゴシが私の道糸に絡んだと思われる。切れた付近の道糸は、ザラザラになっていた。
新品の竿とリールで一投目からアクジデント!すぐに先糸を結び直して現状復帰させ、2流し目の途中から参戦出来た。そして3流し目、ちょっと深場からスタート。暫くすると漁師の仕掛けと絡むかもしれないとのことで、巻き上げるように指示が出た。巻き上げをスタートすると20mぐらい巻き上げたところで隣の毛糸先生と私に大きなアタリが出た。
餌のイワシは、20cmぐらいある大きさである。そのイワシを巻き上げ途中で食ってきた。ドラグが効いて突っ込む時は、ズルズルと糸が出た。しかし、ブリほどは大きくないようである。まずは私の仕掛けが上がって来て、メジロが上がって来た。そして毛糸先生にも少し大きいメジロが上がった。次の流しは、アタリが出ているのに、餌が大きいため食い込まない。適当に大合わせすると鈎に掛った。上がって来たのはツバスであった。
釣り上げた後、次の流しを待っているが、船は潮上に登ろうとしない。何で?と思っていると、青物男が「トラブル発生しているみたい…」との発言。暫くして船頭がミヨシに来て「舵が効かなくなってしまったので、港に帰ります」とのことであった。これでこの日の釣りは、終了となってしまった。まだ開始から4回しか仕掛けを下ろしていなかった。
船は1時間ほど海峡で、えい航してくれるおやじさんの船を待った。天気はいいし、餌に最高となるイワシが準備出来たし、後半のヒラメは、絶対に釣れると期待していただけに、ダメージは大きかった。おやじさんが到着し、船はえい航されて福良港に戻った。船頭も申し訳なかったと謝られた。
←福良港近くまで戻って来た。この辺りでヒラメを釣る予定であったはずが…
予定より早く帰って来てしまったが、この日は帰りに由良にある漁師向けのこだわり釣具店「渋谷釣具」に行ってみることになっていた。目的は、ビニール鯛仕掛けに使うビニールと、オタッキーな釣具を購入するためであった。福良から南側の道もあったが、一旦洲本に戻って由良に行く方が、道路が綺麗ということで洲本経由で走った。
途中、洲本温泉街があり、大きな立派なホテルが沢山あった。ネットで店の場所を把握していたので、迷うことなく到着した。店に入ると店主が居られ、船が故障したため、こんなに早く店に来たと説明した。そして目的のビニールについて、実績のあるものをチョイスして欲しいと依頼した。お店には、想像以上の色パターンがあり、7種類の色を選択してもらった。
この店には、本職の漁師向けの道具が沢山置かれていた。我々は、ビニールの他にサルカンや鈎など、100単位で安価で販売されている道具を購入した。皆さん鳴門のビニール鯛釣りが大好きなメンバである。今後始まるビニール鯛釣で、今回買った色んな色のビニールを使って、釣れた色について共有したい。
出船前にエンジンが掛からないということで、出船が中止になった経験は何回かあったが、海の上で釣りが終わったのは初めての経験であった。船の手入れをきちんとやられている船頭でも、このようなことが起こることがあることを、リスクとしなければならないが、こんなことは滅多に起こるものではない。たまたま運が悪かったとして諦めるしかない。来週は、西田釣船の鬼アジと真鯛狙いである。今年は、鯛が少なく沢山釣っていない。西田さんなら釣らせてくれると信じての乗船である。