2019年4月20日 鳴門のメバル①(福良・正和丸)

渦潮

昨年、4月に鳴門のメバル釣りを、一年前から予約していたが悪天候で中止になった。今年こそは行きたい…と思っていた。天気予報を1週間程前からチェックしていたのであるが、今回は「好天」の予報で、釣行出来ることが確定となった。今回は餌釣りであるが、今年は冬の明石海峡も鳴門もサビキ釣りが不調で、各釣具店には、サビキが沢山吊るされたままである。季節の仕掛けとなるため、安売りを始めた釣具店もあるほどである。

←渦潮ではないが、これが鳴門の潮流である。こんな潮の中で育つ魚は、身が締まって美味しい。

この時期のメバル釣りは、シラサエビを使った餌釣りである。また、この時期に釣れるメバルは、数はそんなに出ないが型が揃うことが多い。この日の予約も、昨年の釣行が中止になった直後に入れていた。正和丸に土日に行きたい時は、それぐらい前に予約を入れないと釣行出来ないぐらいの人気である。

出船は6:30なので、時間に余裕をもって行こうということで、私の家には3:45に迎いに来て頂いた。その後、ポイント摩耶店に行き、エサのシラサエビを各自購入した。私は120グラム購入したのであるが、これで足りるのか少し不安があった。高速に乗り明石海峡大橋を渡って福良を目指した。約1時間程で乗船場の手前にあるローソンに到着、各自食糧を調達して乗船場には6時前に到着した。

荷物を船着き場に運んで、船頭が来るのを待った。暫くすると赤い自転車に乗って船頭が来られた。船頭が、乗船出来るように船首を岸壁に着けてくれた後、乗船となった。この日のメンバは、青物男、DAISUKEさん、毛糸先生と私の4名、後の2人は乗合のお客さんであった。乗船順は車の中で抽選した。私は3番目で左舷ミヨシに座った。この船は、釣り物によりお客の数を限定している。メバル釣りは6人限定なので、比較的釣り座による優位の差は少ない。

予定通り6:30頃に出船した。最初は何処に行くのかと走っている方向を確認すると、鳴門海峡の真ん中辺りに行くのかと思っていたが、更に西に進み徳島の前ぐらいまで走った。その辺りには漁師の船が数隻居たが、何を狙っているのかは分からなかった。エンジンがスローになり、船頭が「準備して下さい」とのアナウンスが出て、鈎にシラサエビを刺して投入の合図を待った。

タックル

この日のタックルは、竿:がま船・瀬戸メバル硬調480、リール:Barchetta200HG、道糸:PE0.6号、幹糸1.5号、ハリス0.8号、鈎5号の7本鈎を用意した。問題はオモリである。事前に聞いたところ、状況に合わせて30号か40号を使い分けるということであったが、結果、一日30号で通せた。また、一回も他人とオマツリすることも無かった。この船は、探検丸が使えるため準備した。

←メバルを専門に釣るならば、専用の磯竿タイプがベスト。長竿を操作出来る技量が要求される。

船頭は、ポイント近くをゆっくり操船しながら魚影を確認していいた。その状況は、探検丸を見ているので良く分かる。探検丸を見ていると、急に5mぐらい浅くなるような駆け上がりのある所で、結構魚影が出ていた。魚影を確認した後、船頭は潮下に船を移動させ「やって下さい」とのアナウンスを出した。

一投目、期待を込めて仕掛けを下ろそうとしたところ、竿掛けから竿を取った時に、衝撃で道糸と仕掛けの間にあるサルカンが穂先に絡んでしまった。その絡みを直して投入するも、ポイントを過ぎていて何もなし。幸いにして誰も釣れていなかったので、気落ちすることは無かった。(しかし、初めからミスをしてしまったことは、ちょっと恥ずかしかった)

次の流しは、駆け上がりの前でアタリが出た。引き方からしてメバルと分ったが、追い食いさせるため少し待ったところ、駆け上がりまで流れていてそのまま仕掛けが根掛りして魚もパー。今の状況では、駆け上がりの前は根掛りするだけと判断し、駆け上がりのてっぺんにオモリが当たるぐらいの棚に合わせた。その狙い方が成功し、次の流しで1匹目をゲットすることが出来た。

次の流しも同じ釣り方をやっていると、アタリが出たのであるが何かメバルと違い弱々しい。上がって来たのは小アジのダブルであった。その後、2,3回流すもアタリは無く、船はポイント移動することになった。次のポイントは、沼島の方向に走り出した。遥か向うに船が3隻ほど固まっているのが見えたが、まさかそこまで行くとは思わなかった。今まで行ったことの無い、最南端のポイントであった。

ポイントに到着して魚影の確認。このポイントも急な駆け上がりを狙った。私は、根掛りを避けるため、今回も駆け上がりのてっぺん辺りの棚で狙ってみた。すると、ポイントに入ると良型のメバルが確実に釣れ出した。型が良いので、突っ込みはあるのであるが、何故かダブル、トリプルで釣れることは無かった。逆に下手に連で釣ろうと待っていると、根掛りしたり、魚が磯に入ったりしてしまうことが発生した。

どこのメバル釣りも、状況が凄く良くない限り、一つのポイントを2,3流しすると釣れなくなることが多い。この日もその通りの展開で、ポイント移動後の2,3流しまでは誰かに釣れるのであるが、すぐに食わなくなった。この船頭は、ポイントを沢山知っているためか、メバルが食う潮のことを熟知しているのか、一つのポイントを深追いすることなく、どんどん場所を変えて釣らせてくれた。

型

3つめのポイントは、福良港近くであった。このポイントは、駆け上がりのような磯であり、磯の手前から上まで魚影が映っていた。ここも磯の上を狙うため、船頭のアナウンス通り、釣り開始時の底から10mオモリを底から切った棚で、仕掛けを動かさずにアタリを待った。すると、磯の上に来ると、クックックッ…キューンと穂先が海中に突き刺さった。何よりこの日釣れるメバルの型が良く、殆どが23~28cmであった。しかも肥えていて元気になっており、突っ込んだ時は、リールをフリーにして道糸を出さなければ、0.8号では持たないような引きであった。

このてっぺんの上の棚で待っている釣り方が、この日は効果抜群で、初めから終わりまでずっと釣れていた。釣り方も大事であるが、メバル釣りで一番大事なことは「エサの鮮度を、いつもベストの状態に保つ」ことである。はっきり言って、毎流し枝鈎の餌を全て付け替えるぐらいが望ましい。私は、いつもメバル釣りにおいては、出来る限り餌を付け替える努力をしている。

私は、このポイントで毎流し釣れるのであるが、連では釣れることは無かった。このポイントでは、結構長時間アタリが続いた。しかし、このポイントも段々と食いが悪くなり、ポイント移動となった。時計を見ると10時を過ぎており、海峡の転流時刻を過ぎていた。今度のポイントは、どこに行くのかなあ…すると海峡より北側に移動した。海峡を渡る際、北から南への潮流はすさまじい速さで流れており、綺麗には出ていなかったが渦を巻いていた。鳴門観潮の船もひっきりなしに運行しているのが見えた。

木の芽

海峡を渡って向かったのは、亀浦港の前辺りであった。ここは、冬に鯛釣りで何回も来たところである。ここも駆け上がりを狙った。初めは釣れなかったが、暫くすると不思議とメバルが釣れ出した。そして私にも掛ったのであるが、シャープな突っ込みが出てこの日初めてトリプルで釣れた。このポイントも数流し全員にヒットしたが、すぐに食わなくなり移動となった。

←鯛やメバルの料理の時に使う木の芽の木を、今年も購入した。過去2回植えたが、2ヶ月程で枯らしてしまった。今回、販売所の方に手入れの方法を聞いたので、実践してみる。

そして次のポイントが、この日の最後のポイントとなった。淡路島の丸山沖辺りと思えるポイントであった。このポイントも磯の上の棚で持っていると、メバルが釣れ続いた。船の流れる場所で少し磯の高い所に当る時があり、何回か根掛りしたが、ダブルも2回発生した。このポイントでは、皆さんコンスタントに釣れて、食いが悪くなってきた14:00に沖上がりとなった。

道具を片付けていると、船頭さんが私の所に来て「今日は齋藤さんDAYでしたね。初めから終わりまで一人で釣ってましたね…」と言われた。確かに棚を決めてエサを動かさずに釣っていたのが良かったのだろう。皆さん見ていると色々と試されて、根掛りばかりさせているように思えた。

港に戻った後は、船頭さんが魚を絞めてくれた。私は、ゆっくりと巻き上げていたし、エアーを抜いてイケスに入れていたので、殆どのメバルは元気な状態であった。エアーを抜くには、タチウオテンヤの防波堤用の小さい物を用意し、鈎のモドリをペンチで潰す。エアーの抜き方は、お腹を押して張った状態にした後、エアー抜きの鈎の針先を肛門から刺す。成功するとプシューと音を立ててエアーが抜けます。この状態でなければ、メバルはイケスで長生きしません。

釣果

イケスは、乗船者2人で1つを共有し、魚には、その日先に釣った方はマークは無し、後となった方は、どこかのヒレを切るなどのマークを入れる。私は先に釣ったので、マークは無しとなった、絞めた後の魚を振り分けて数を数えたところ、26匹のメバルを釣っていた。しかも小型は2匹だけで、後は23~28cmの肥えた魚体であった。

←これだけ型が良くて、20匹以上釣れると満足する。

陸に上がってトモの2人に釣果を聞いたところ、イマイチの結果であった。右舷のミヨシに座った青物男は、17匹釣っていた。この日のメバルは、型が良かったので、数が釣れていなくても、良いおみやげになったと思う。

帰宅して、すぐに1匹刺身にして食べた。三枚に下ろしたところ、肥えていて脂が乗っていることが分かった。刺身をポンズに着けると、脂の膜がパッと広がった。身に甘味もあり本当に美味しかった。嫁さんも美味しいと言っていた。どのメバルも長時間イケスで活かしていたので、プリプリの状態であった。

白ワイン蒸し焼き

この日の夕食は、どのように料理しようか…。メバルの塩焼きや煮付けでは飽きてしまう。嫁さんに相談したところ、以前スズキの身で作った「白ワインの蒸し焼き」をメバルで試してみた。するとかなりこの魚に合った料理で、非常に美味しかった。

←これが「白ワインの蒸し焼き」、大宮勝雄氏の「洋食」という本を参考に作った。この本の料理は、本格的で本当に美味しいと思う。

さて、いよいよ10連休に突入する。どこに何を釣りに行こうか…。前半は、明石海峡の鯛釣に行きたいが、状況が芳しくない。直前まで様子を見て、決めるつもりである。後半は、MK氏に誘われて、和歌山にマアジとイサギ狙いに行く予定である。また、5月にもう一度、正和丸のメバル釣りに行く予定である。その頃になると、弾丸のような強い引きが味わえるだろう。

今年は、本当に良く釣れたという情報を耳にしない。何故かタチウオぐらいである。しかも年を越しても狙うことは、過去には無かった。それだけ釣れるべき魚が、釣れなくなったのだと思う。私が生きている間は、釣れ続けて欲しいと願う。