昨年の9月、美咲丸で知り合ったH氏の誘いで、安芸津港の「晴光丸(せいこうまる)」に乗船してのウマヅラ釣りに釣行した。その当日は、結構雨と風が強かったが、何回か時合いがあって30匹以上釣ることが出来た。この船は、別料金ではあるが、エサに使う川津エビについて、活きた物を用意してもらえることが分かった。私は、ウマヅラ釣りのエサには、活きた川津エビが最高のエサだと思っている。1,000円で思っていた以上に量があった。今回我々は、冷凍のエサも持参するので、1000円分だけ用意してもらった。
広島の釣船は、広島県内でも西寄りに多く、神戸から行くには途中休憩を含め4時間近く掛る。しかし、この晴光丸が出船する安芸津港は、広島の中央ぐらいに位置し、西寄りの釣船に行くより片道で30分ぐらい近い場所にある。近い分、出発を遅くすることが出来るので、少しだけ睡眠時間を長く取ることが出来る。
晴光丸のホームページを見た方はご存じだと思うが、この船は凄く人気があり、半年以上先の予約がびっしりと入っている。今回釣行出来るのも、半年ぐらい前に予約したからである。そんな状況なので、行く気があるならかなり前から予約を入れる必要がある。この日のメンバは、毛糸先生、青物男、Dスケさんと私の4人であった。皆さん半年前から釣行を決めていた。
AM1時前に「もうすぐ到着する」との電話があり、荷物をマンションの1階まで運んだ。すぐに車が到着して荷物を積込み神戸を出発した。今回の経路は、高速代が最小で時間が掛らず、山陽道に入れる効率的な道を走ろうということで、阪神高速→姫路バイパスを経て姫路西から山陽道に乗ることにした。
道中停滞も無く、スムーズに山陽道に入ることが出来た。そして途中2回目の休憩に小谷サービスエリアに入ってもらった。理由は、前回の遠征時に購入して食べた「ゆさんのキムチ」が美味しかったので、購入するためであった。キムチが好きな方には、お薦め出来る一品である。
←ゆさんのキムチ、イカの塩辛が入っている
購入して出発し、5時前に安芸津駅近くのセブンイレブンに到着した。駐車場に一台のトラックが止まっており、毛糸先生が「後ろに晴光丸と書いてある」と教えてくれた。後で分かったのであるが、やはり晴光丸の船頭の車であった。その日の食糧を調達して乗船場に向かった。一回来ているので、すんなりと間違いも無く乗船場に到着することが出来た。
到着すると船の照明が灯り、船頭が来ていることがわかった。やはり先程見たトラックが止まっていて、後ろのドアが開けられており、氷の入ったクーラーが、フタが開いた状態にしてあった。まずは、クーラーに必要なだけ氷を入れた。毛糸先生が、エビ漕ぎの漁師さんから活きた川津エビを4人分買っていてくれていたので、そのエビを船のボックスに入れて船まで運んだ。
その後、メンバ皆さんクーラーに氷を詰めて荷物を船まで運んだ。この日の釣り座は、左右のトモに2人ずつと指示されていたので、話し合いの結果右舷トモに青物男、前に私、左舷トモに毛糸先生、前にDスケさんが座った。タックルの準備が整ったところで、エサの川津エビを4人で分けて、各自鈎に刺す大きさに切ってタッパーに収めた。
全員揃ったことと、狙いのポイントに早く到着出来るように、5:50頃に出船した。晴光丸は去年出来た新造船であり、今まで乗った船で一番速く感じるスピードであった。我々は、ポイントに着くまで仮眠した。約1時間程ではっきりは分からないが、中島あたりのポイントに到着した。そして、仕掛けにエサを刺し、投入の合図を待った。
この日のタックルは、竿:がま船うまづらはぎ3.3m、リール:ステファーノ200、道糸:PE12本撚り1号、穂先に道糸が絡むのを防止するため、先糸としてフロロの4号を4mぐらい付ける。仕掛けは幹糸4号、ハリス3号、鈎:がまかつのカワハギ王7号の胴突き6本鈎仕掛け。エサは川津エビの胴の部分を鈎一杯の大きさにカットして刺した。
一流し目、合図が出て仕掛けを投入するも、曇天でまだ太陽が昇ってないので、穂先をいつものように水面近くに下げると、アタリが見える状況に無かった。仕方なく自分の目の位置より少し上ぐらいにしてアタリを待った。3流し目ぐらいに穂先にアタリが出て上手く鈎掛りさせることが出来た。上がって来たのは30cmぐらいのウマヅラであった。ボーズになる訳がないと思っていたが、一匹目をゲット出来てホッとした。
その後、連続して3匹釣ることが出来たが、段々と食わなくなり、誰も釣れない流しが続いた。船頭は、少し走った別のポイントに移動した。このポイントでは、何とビックリする程小型のウマヅラが釣れた。広島でこんなに小さいのを釣ったことが殆ど無かった。アタリもしっかり分かったので、合わせてみると掛っているのに重みを感じることが無かった。一度、この小型の3連があった。小型ばかりかと思って釣っていると、同じ棚で何故か30cm以上の良型が釣れるのであった。
船頭は、暫くしてこの日一番の本命のポイントに移動した。そしてプチ入れ食いが始まるのであった。そのポイントは、簡単に言うと2つの潮がぶつかり合うような所であった。指示棚に下ろすとすぐに綺麗なアタリが出て一匹目をゲット。船は昇り直すことなく、居座るような流し方で、何度も投入を繰り返せる状況にあった。このような状況では、手返し早くすることが釣果に直結することになる。
←一気に盛り上がって、短時間に14匹釣れた。
食い気が非常にあるため、入れる→当たる→掛るまでは速攻で決まるのであるが、何故か巻き上げ途中で良く外れてしまうのであった。しかし、何より仕掛けを投入すると、面白いようにはっきりとしたアタリが伝わってくるのであった。1,2箇所目のポイントがパッとしなかったので、アクションカメラを持参していたのであるが、セットしていなかった。このアタリはビデオに撮っておきたかったと後悔する。
船頭は食いが立っている時「齋藤さんこのポイントどうですか…」と自慢げに話しかけてきた。「最高ですね!」としか返す言葉は無かった。広島に来るようになって、沢山釣れることは多々あったが、魚がスレてないのかこのポイントのアタリは大きく分かり易かった。バタバタと釣れたが、時間が経つと、いつもの如く食い気が落ちて食わなくなった。
船頭は、見切りをつけて西の方に暫く走った。その後、何箇所か移動するも、ポロポロと釣れる程度で盛り上がりは無かった。そして最後のポイントに移動した。潮止まりの前後を狙うと言っていた。ひと流し目、乗船者全員ウマヅラを掛けた。しかし、途中で何人かバラしてしまった。よし、これから…と思っていたが、盛り上がることはなく、毎流し2人ぐらいに釣れる状態が続いた。
段々と潮が緩くなり、ウマヅラの食いも悪くなってきた。すると何故かカワハギが釣れ出した。ウマヅラ狙いは漁礁の上を狙って釣っているのであるが、撒き餌に誘われて浮いてくるのか、ウマヅラの仕掛けにカワハキが食ってくるようになった。青物男はカワハギ釣りの名手である。タックルをカワハギ用にチェンジして狙った。するとやはりカワハギ釣りは、カワハギタックルが良いのか、毎流しカワハギをゲットするようになった。
私は、タックルをそのままにして根掛り覚悟で底を狙った。すると漁礁近くに来ると、確実にカワハギが食って来た。普通、カワハギは底の鈎に食ってくるものであるが、3mの仕掛けの上の方の鈎に良く掛って来た。船頭もウマヅラが食わなくなったので、沖上がりにしようとしたが、我々がカワハギをポンポンと釣り上げるので、時間延長して釣らせてくれた。
その結果、最後のポイントでカワハギを8匹釣ることが出来た。青物男も7匹釣っていた。型も良く最大28cmあった。潮のこともあるが、専門に狙ったら30匹ぐらい釣れると思った。楽しい時間はすぐに過ぎるもので、15時頃に沖上がりとなった。
結果、私がウマヅラ32匹とカワハギ8匹と真鯛1匹、青物男がウマヅラ12匹とカワハギ7匹、毛糸先生ウマヅラ8匹カワハギ3匹、Dスケさんウマヅラ10匹に終わった。青物男は数年ぶり、Dスケさんは初挑戦であったが、ウマヅラ釣りの楽しさを十分に楽しめたようであった。楽しさを知ったということは、逆に難しさも分かったようであり、再挑戦したいと言っておられた。
帰港する前、同乗した岡山のグループの方が、私に「いつもブログ見させていただいてます」と声を掛けて下さった。今まで、山口、広島、兵庫、大阪、神奈川、千葉の方からメールをいただいたり、船で声を掛けて頂いたことはあるが、岡山も追加となった。また、そのグループの方から、エサの付け方について聞かれたので答えた。本当にウマヅラ釣りで、エサの刺し方は非常に重要なことである。刺し方次第で、良く掛る、水圧でエサが取れない…というメリットがある。
帰港して釣果の撮影が始まった。ミヨシの方の方が沢山釣っていたと思っていたが、私が竿頭ということで、船のステッカーを持っての撮影となった。船頭は帰る前、この日がもっと凪であったら、西の方の良いポイントに連れて行けたのだが…と悔やんでおられた。天気だけはどうしようも無いので仕方ない。この船は、広島の釣船の中で、爆釣させてもらえる可能性が一番高いと思った。来年は、早くから計画を立てて予約を入れようと思っている。
帰宅して最後に釣ったカワハギの刺身と、ウマヅラの煮付けを食べた。やっぱり生肝をポン酢で食べるのは最高であった。広島のウマヅラは、明石海峡で釣れる物と味は変わらない。今回は、誰にもプレゼント告知をしていなかったので、沢山冷凍した。正月に解凍して鍋に入れようと思っている。
来週は、鳴門の鯛釣りを予定している。ビニールの疑似餌で釣る釣り方である。釣れる日は良いが、釣れない日は朝から沖上がりまで、リールを巻いているだけで終わってしまう。何とか食い気のある日に当たりたい。今年も予定している釣りはあと2回となった。一年が早く感じられる歳になってしまった。