季節も変わり、そろそろメバルも終わりの時季となった。代わって潮が小さい時は、真鯛狙いの船が多くなって来た。釣り方もさまざまで、鯛カブラやサビキ仕掛けと、各釣船が得意とする釣り方で狙っている。
私は先々週、仙正丸に今年初めての真鯛釣りに釣行し、3匹仕留めることが出来た。その時の仕掛けは、色染した魚皮を使ったサビキ仕掛けで釣った。今回は、長野船頭に事前に仕掛けを聞いたところ、別の仕掛けで狙っているようであった。その仕掛けは市販されておらず、自分で作るしかない。その仕掛けは、過去に作って使ったことがあり、残っていた物があったので持参した。
ゴールデンウイーク3日目の5月1日、いつものように朝4時に起床、準備を済ませて5:20頃に自宅を出発、JRで六甲道から須磨まで乗車した。この日、私は休日であるが、カレンダーでは平日である。一番電車で会社に出勤される方が結構居られた。須磨駅に到着した時、前回と同様に仙正丸が軽トラでお客を迎いに来ているのが確認出来た。私が南西側の階段を下りると、長野船長が車で待っていてくれた。荷物を積んですぐに出発、数分で乗船場に到着した。そして、右舷ミヨシに座るよう指示された。
電車の客は私だけで、私が乗船して準備に取り掛かったところで船は出船した。この日のタックルは、前回と同様に仕掛けが10mぐらいあるので、竿:ダイワOLEGA剛徹3-53、リール:SEABORG 150S、道糸:ソルティガセンサー2号、先糸フロロ6号4m、仕掛けは、幹糸5号、ハリス3号で自作疑似餌の8本鈎、オモリ:50号を使った。なお、仕掛けが長いので、手元の仕掛けが捌けるように、船べりにマグネットシートを用意したい。(初心者は、マグネットシートが無いと全く釣りになりませんよ…)
まず船が向かったのは岩屋沖周辺であった。ポイントに到着すると、船頭は魚探の映りを確認しながら攻めるポイントを選択していた。この日も探検丸を持参し、画面を見ながらの釣りを行った。船頭と同じ画面を見ていることになり、映りを見ていると朝は良い反応が見られなかった。結果的にポイントに到着してから、9時ぐらいまで鯛は釣れなかった。
←探検丸があると、魚の映りを確認出来ることが一番有り難いが、底の状況が良く分かるので、根掛りの防止と釣れる棚を合わせられるという凄い効果を発揮してくれる。持っているのといないのでは、絶対に釣果に差が出る。
時間が経過して、段々と潮が緩んで来た。鯛を狙っている船は、どんどん沖のポイントに移動して行くのが確認出来た。盛和丸も海峡の真ん中から舞子の沖辺りのポイントに移動した。移動した直後は、まだ潮の流れが速く釣れなかったが、ある流しから一気に食い気が出て来た。当然、探検丸の画像を見るとその状況が手に取るように分かった。
流しながら船頭が、「nnメートルぐらいの所で良い映りがあります」とアナウンスしながら、海底の水深を事細かくアナウンスしていた。そして磯の頂上辺りで私にヒット、当然真鯛が来たと思い慎重にリールを巻いた。暫くして上がって来たのは良型のイサギで、丸々と肥えていた。
次の流しは、浅くなって行く途中でアタリが出た。オモリを底に落としては巻き上げるを繰り返していたのであるが、オモリが着底してすぐに巻き上げを開始した時に、根掛りしたように穂先に重みが乗った後、穂先が水中に突き刺さった。今度はコンコンと顔を振る仕草が伝わって来た。但し、そんなに大きくは無い、上がって来たのは30cmちょっとの真鯛であった。
←釣り上げた直後に、エアー抜きで浮袋の空気を抜いてやると、帰りまで活かしておくことが出来る。刺身で食べたいなら、必ずやっておくべきだと思う。
これで鯛ボーズは脱出となった。そして次の流しも浅くなる途中でアタリが出た。先程のパターンと同じで、オモリを切った直後にアタリが出た。今度は先程より少し型が良さそうだ。上げる途中、すぐ近くを仙正丸が通り、ソウハチ君が私がファイトしているところを見ていた。上がって来たのは40cm弱の真鯛であった。釣れる時というか時合にアタリは集中するもので、次の流しもまたまたヒット。しかも型が良い真鯛で強い締め込みがあった。上がって来たのは43cm程の真鯛で、これで4匹連続ヒットとなった。
この頃、私だけが釣れているのでは無く、船中コンスタントに真鯛が上がっているようで、船頭はあちこち玉網を持って走り回っていた。しかし、時合は長続きせず、結果釣れたのは4流し程の間だけであった。潮がかなり緩くなると、真鯛の映りも消えてしまった。
ここで船頭は、カサゴ釣りがしたい人は、真鯛の仕掛けはそのまま置いておいて、カサゴを狙って下さいとアナウンスした。そして、冷凍のイカナゴが配られた。私もすぐにカサゴのタックルを準備して仕掛けを下した。私は餌に魚の切り身を持参して使っている。この餌だと、餌が大きいからか、釣れるカサゴも良型が多い。ただ、小型のカサゴが多いポイントであると、アタリがあっても鈎掛りしないことが多い。この時、カサゴを2匹釣っただけで鯛釣に戻った。
反対向きの潮が流れ出したということで、鯛釣を再開した。そしてそのひと流し目、底を切って暫く巻き上げたところで、コンコンとアタリが出た。そのまま巻き続けると穂先が水中へ入った。但し、型は小さいことが分かった。そんなに大きくもなさそうなので、ごく普通に巻いていたのであるが、途中で魚がグンと引き込んだ後、穂先か跳ね上がりバレてしまった。
この時点から暫くの間は、潮の流れ出しの時合で、釣れる確率が高い。そのため慎重に上げ下しを繰り返した。すると次の流し、ある程度巻き上げた後、仕掛けを下そうとした瞬間に大きなアタリが出た。引きを竿で堪えた瞬間、またまた穂先が跳ね上がり鈎に掛らず…、そして次の流しもアタリが出たのに鈎掛りせず、痛恨の3回連続バラシ。自分でも情けなかった。
毎回バレてしまった後、仕掛けの鈎先を確認したが、甘くなっている鈎は無かった。単に鈎先が鯛の歯の上に乗った状態であったのだろう。流れ出しの時合も、4流し程の間だけで、それ以降は誰にも何も釣れることは無かった。しかし、ここで珍事が起こった。ある流しにえらい船を横にずらすなあと思っていると、何やら左舷の方で玉網を持った方がウロウロしていた。何をやっているかと思っていると、凄く大きなアコウが水面に浮いていて、それを掬ったのであった。しかも、死んでいるのではなく元気であった。
←他のお客さんが寸法を測ったところ、55cmあった。何故、水面に浮いていたのだろうか?過去にも他の釣船で釣りをしていて、浮いていたアコウを拾うことがあった。体にキズも入っていなかったので、網に掛っていた訳でも無さそうである。
その後、淡路島寄りのポイントに移動して粘ってみたが、結局真鯛は釣れることは無かった。そして最後にカサゴを狙い、ポロポロと釣ったところで沖上がりとなった。結果、マダイ3匹、イサギ1匹、メバル1匹、カサゴ8匹であった。この日、掬った大アコウのジャンケン大会が最後に行われた。勝った人がこのアコウをもらえる。最初はグー、ジャンケンポン…、私はまず1回戦を勝った。そして2回戦…も勝って2人だけ勝ち残りとなった。そして相手の方の提案で、半分こしようということになり、片身を頂いて帰った。
船上で2枚に下したのであるが、身は綺麗で病気とかでもなさそうであった。帰宅してまずこのアコウを刺身にして食べてみた。薄造りにしてポンズに薬味を効かせて食べたのであるが、白身の最高峰の美味しさであった。真鯛は先々週にたらふく食べたので、この日は、イサギを造りにして食べてみた。丸々と肥えており、腹には白子が入っていた。脂も結構乗っていて、美味しかった。
←イサギの胃袋に入っていたイカの子供、現在は真鯛も同じ物を食っている。つまり、今使う疑似餌は、このイカの疑似餌が釣果を上げることになる。サビキでも釣れているが、出来るならイカの疑似餌を使うべきである。
私は自分で釣って来た魚を、高級料亭並の一品に料理しようと勉強を重ねている。その本格的な料理の中で、良く使う野菜のうち、「木の芽」の良い物があまり手に入らない。私が言う良い物とは、葉が小さい物である。料理屋に卸している野菜屋には売っていると思う(過去に三宮市場では売っていた)が、そこらの高級スーパーには、置いていても葉が大きな物が殆どで、口に入れるとゴワゴワしてしまうような物である。
連休前、コープのチラシに「木の芽」の苗が掲載されていた。思わず嫁さんに「これ買って育てて使うからな…」と言って、早速29日に買って来た。私は魚のことは他人より良く知っているつもりであるが、植栽については何も分からない。売り場のおばさんに、全く知らないので、この苗を植えるために必要な物をセッティングして…とお願いしたら、植木鉢を筆頭に必要な土も選んでくれた。
←植えて2日目の「木の芽」である。今後、煮付けや潮汁には、ふんだんに使えそうだ。ちなみに苗2本と全てセットで2,000円程で購入出来た。枯らしてしまわないように毎日水やりをしよう。
連休は、あと一日ぐらい釣りに行こうと思っている。その後は広島のアコウ釣りに行く予定である。今回浮いていたぐらいのが釣れたら大喜びであるが…、そこそこの物でも釣って食べたい。