7月3日は、悪天候により無念の中止となった。6月18日は、真鯛がイマイチの状況であったので、もう一回真鯛を釣ろうと、7月の中止になった直後に10月1日の予約を入れた。そして1週間前に状況の確認をしたところ、鯛の状況は良く無かったが、このところ型は小さいが、胴突きのエサ釣りで鯛が釣れ出したとのことであった。そもそもこの日の予定は、一つテンヤであったので、エサ釣りと一つテンヤの真鯛釣りをやることにしていた。
そして最終確認の木曜日に電話をしたところ、鯛の調子があまり良く無いということで、アオリイカも釣らせてもらうことにした。その夜、参加メンバに3種のタックルの用意をお願いした。金曜日の夕方、西田船頭から珍しく電話が入った。内容を聞いてみると、今日はブリが釣れた。明日も釣れる可能性が高い、エサとなるイカを釣る必要があるが、やってみるかとの連絡であった。
エサとなるハリイカは、アオリイカの外道であり、意図的にも棚を深くすれば釣ることが出来る。昨年、同じ釣りをさせてもらったが、乗船メンバの誰にもアタリすら無かったし、メーター級で浜値で1匹1万円もするブリ…を見るだけでも見たかった。帰宅して、すぐにメンバに連絡した。ハリス10~12号の仕掛けで折れない竿と、巻けるリールを準備してもらった。
10月なので日の出も遅いため、西田さんとは、垂水漁港の桟橋に5:15に迎いに来てもらう約束となった。毛糸先生が4:15に迎いに来て下さり出発した。途中買い物などして5:05頃に垂水漁港に到着した。5時を過ぎていたのでゲートはオープンしており、すんなりと駐車場に止めることが出来た。乗船場所がわからないということで、珍テスターと駐車場入り口で待ち合わせ落ち合った。
荷物を担いで桟橋のたもとに行くと、5人全員が揃っていることが確認出来た。この日のメンバーは、毛糸先生、珍テスター、青物男(最後に解説)、K氏と私の5名であった。すぐにチキラーズくじを引いてもらい、釣り座を決めた。左舷トモに毛糸先生、次に珍テスター、ミヨシにK氏、右舷トモに青物男、次に私が座った。出船前に船頭と当日の予定を確認し、まずは、アオリイカからスタートということになった。
アオリイカと言っても、アオリイカとハリイカを釣ることを意味する。ハリイカを釣らなければブリ釣りは出来ない。まずは垂水港を出船し、平磯の沖でイカを狙った。タックルは、齋藤作のエギ用シャクリ竿、リール:ステファーノ200、道糸PE1号、中オモリ20号、ハリス5号、エギはダートマックス。初めはアオリイカの棚で持っていたので、アオリイカが乗って来た。少し大流しになったが、その間、良型のアオリイカ3杯とハリイカ1杯ゲット出来た。
次に真鯛の時合があるということで、淡路島の北端のポイントに移動、到着後すぐにスタートとなった。ひと流し目、仕掛けを投入するも、何故か仕掛けの落下が遅い。チェックすると、事前に道糸をガイドに通して準備していたのであるが、ある1つのガイドの間において、道糸が一周していたためとすぐに分かった。しかし、仕掛けは既に棚に降りていた。するとコンコンコン…と鯛のアタリが来た。どうであれ合わせて魚を鈎に乗せた。その後、巻き上げに抵抗あったので、道糸を手でだぐって魚を取り込んだ。一旦、ガイドの糸通しを訂正して仕掛けを下すと、すんなり降りるようになった。
このポイントに到着直後から、トモの2人にはハマチがアタリまくりの状態となり、青物男にはハマチの3連も発生していた。ミヨシ側もハマチが釣れたが、意外とマダイが多かった。このポイントではかなり上まで真鯛が浮いているようで、5本鈎の一番上の鈎に釣れることが多かった。しかし、殆どの鯛は小型(25cmぐらい)でエサのエビが大きかったため、エサを噛み切られるか、潰されていることが殆どで、鈎にはなかなか掛らなかった。
ここでは、底を2,3メートル切って待っているだけでは、中々鈎に乗るアタリは少なかった。そこで底からゆっくりと巻き上げると、アタリも結構竿先に出て、掛け合わせることが出来た。しかし、釣れた真鯛の殆どがカスゴサイズであった。ここでカスゴを8匹とハマチ4匹釣ることが出来た。
←釣れた魚全てではないが、真鯛の大きさはこんなモン。
暫くすると潮も動かなくなり、アタリを感じずにエサが取られる状況となった。船頭は、鯛を諦めてアオリイカを釣ると言うか、ブリの餌のイカを釣りに行くことにして、花博会場の辺りに移動した。ここで初めに釣れたのはアオリイカであった。しかし、船が潮に流されてポインを移動しているうちに、ハリイカばかりが釣れ出した。丁度エギが底に当たるぐらいの棚で持っていると、釣れる釣れる…連続で釣れて、皆さんも釣って最低限必要な15杯ほど確保することが出来た。
ブリの潮の時間があるため、11:30ぐらいにブリ狙いのポイントへ移動した。私のブリ狙いのタックルは、竿:剣崎TRAD80-270、リール:アンバサダー9000CA、道糸:PE3号12本撚り、鈎素:グランドマックス10号、鈎:グレ15号、オモリ:60号で狙った。
ポイントに到着して、皆さんイケスからハリイカを1杯ずつ持って行かれた。デカイ鈎にイカを刺すが、イカの大きさが余りにも大きいと感じる。しかし、西田船頭の説明では、一気に食い込むらしい。イカを鈎に刺す際、イカをつかんでいるだけの時はイカに噛まれることは無かったが、鈎を刺そうとすると、嘴で掌を何回か噛まれた。イカの嘴は小さいイカでも強力なので注意した方がいい。
←ホンマにこんなイカに魚が食い付くのか?どんな魚や?釣れるまでは信用出来なかった。(この写真のイカにブリが食い付いた)
西田さんから、水深xxメートルで初めから持っているようにとの指示があった。海底の地形は、丁度富士山を横から見たような形をしており、そのてっぺんでブリが食ってくるようである。指示棚で持っていると根掛りは無い。何か変化が出れば、それは魚からの反応ということになる。
ひと流し目、何とアタリらしきものがあったが、イカの付け方がわるかったのか、鈎掛りせずにエサだけ取られていた。周りのメンバにも何回かアタリはあったようであるが鈎掛りまでは至らなかった。しかし、遂にその時が来た。トモの青物男の竿に、間違いなくブリのアタリが来た。初めはドラグに任せて糸が出るだけである。やがて走りが止まったところから、やり取りが始まった。
この魚は走り回るので、一人掛けたら他のメンバは仕掛けを上げるように船頭から指示が出た。私は、仕掛けを上げてトモの青物男の格闘している現場に行った。そのブリの引きは、メジロクラスの物の比ではない。正に力と力の勝負という感じがした。5メートルほど巻けば、また5メートルほどリールから糸が引き出される…を何回も繰り返した。
そして、やっと水面に姿を現した。デ・カ・イ…、今まで明石海峡で見た魚で一番大きいと思った。確かにブリであるが、その太っている体形が凄かった。西田船頭が「肥えてデカイ」と言っていたが、本当に言葉そのものであった。数分後、やり取りの末、やっと私の差し出す玉網にブリは収まった。デカイ!玉網を持ち上げる時の重量感は半端でなかった。
体長は1mに届かないような気がしたが、肥えていて10kgはありそうなブリであった。これがイカに来る巨大ブリか…、また一つ勉強になった。次は、私も釣りたいよ…、せめて糸が切られても、あんな引きが味わいたいなあ…と直後は思っていた。暫くして、メンバにアタリはあったものの鈎掛りはせず、またまた青物男にブリがヒットして、この日2本目のブリをゲットされた。
←この太さ!!!私もビックリであった。
このポイントで釣り開始直後の潮は緩かったが、やがて時間が経つに従って、かなり速くなってきた。しかし、アタリのある流しがあり、何となく気配は有り続ける状況が続いた。皆さんブリにエサを殺されてイカも付け替えたので、残っているイカは大きい物だけになってきた。私も結局この時点まで2回アタリはあったものの、鈎掛りには至らなかった。
そして終了時刻が近づいてきた13:30頃、遂にブリのアタリが来た。一番浅いポイントの横ヤマは把握していたので、ポイントに入ったことはすぐわかっていた。自分の仕掛けを信じ、釣れることを信じて待ち続けた結果、ブリの鈎掛りするアタリが来た。ゴンと穂先に重みが乗った後、一気に突っ込んでリールから糸が引き出された。確かにその重量感は半端でなかった。
とりあえず、走りが止まるまでは堪えるしか無かった。ドラグをかなり絞めていたが糸が引き出された。15メートルほど走ったところでやっと止まり、ポンピングして引き上げにかかった。しかし、相手の重量と力が半端で無かったので、その時のドラグ加減では糸を巻くことが出来なかった。10号のハリス…殆ど使用したことが無いので、はっきり言って切れる限界が分からなかった。しかし、巻き上げなければ根ズレなどで糸が切られる恐れがあった。
アンバサダー9000CL…、種子島でオオカミクラスの縞アジを仕留めたリールである。ドラグをもう少し絞めて巻き上げに入った。するとジワジワであるが巻き取れる状況となった。途中何回か凄い突っ込みをされた際、糸が切れないか心臓ドキドキであったが、数分後、遂にブリが水面に姿を現した。やはり巨大ブリであった。竿が硬かった分、魚の疲れもあったのか、比較的すんなり玉網に収まった。
←手尺で95cmぐらいであった。本当に重たいと感じた。そのままではクーラーに収まらなかった。
掬ってくれた青物男も重い!!!と言っていた。尾びれの付け根を持って持ち上げると、持ってきたクーラーより重いなあと思った。その後、2流しほど流したが、誰にもヒットせず沖上がりとなった。今回釣れたブリは、船中3本であった。アタリは全員にあったので、状況的には良かったと思った。その他、真鯛、ハマチ、アオリイカと美味しい魚を釣ることが出来た。
私の釣果は、ブリ1匹、真鯛(小)8匹、ハマチ4匹、アオリイカ7匹という結果に終わった。ブリは青物男が2本釣られた。その他皆さんハマチにアオリイカに真鯛と各種の獲物を釣られて持ち帰られた。今日は、それぞれの獲物を釣るタイミングがバッチリであったと思った。流石、明石海峡を知り尽くした西田船頭だと思った。来年、またお願いするつもりである。
但し今回、皆さん一生懸命作り上げた「一つテンヤ」は、出番の無いまま御蔵入りとなってしまった。もし、鳴門に行くこととなり、エビで釣る機会があれば是非試してみたい。私は、オモリ6,8,10号で一つテンヤを作った。中オモリや鋳込み天秤を使えば、潮の早いポイントでも、軽いテンヤで釣ることが出来るという実験をしたかった。
今回釣れたブリ、浜値で高値が付くぐらいなので、食べることも楽しみであった。帰る前に、頭を捨てて尾びれの少し上に包丁を入れて折るとクーラーに入った。帰宅して、とりあえず3枚に下そうとしたのであるが、長さがまな板の範囲外の大きさであったので本当に苦労した。天然物なので脂がひつこくないと思い、海鮮丼に鯛・アオリイカの刺身と一緒に盛って食べてみた。すると本当に脂が乗っていて、美味しいと思った。
しかし、量が半端で無かったので、残った身のプレゼントする先に苦労した。しかし、嬉しい悲鳴であった。結局、実家と近隣の魚好きの方に配った。皆さんに「明石海峡の天然ブリ」だと言って渡した。来週は、広島遠征の2回目である。宿泊して2日間ウマヅラを釣る予定である。この日の帰りに魚の棚で川津エビを買って帰り冷凍した。ウマヅラに行くためには、準備も大変である。
青物男:T木氏はカワハギ釣りもかなり上手い方であることは知っている。しかし、今日は、ハマチに始まりブリ2匹も釣ったので「青物」の名手と判断した。これからも「青物男」と呼ばせて頂きます。