数年前までは、明石海峡周辺でマアジが釣れるのは、3,4年に1回の周期があった。しかし、このところは嬉しいことに毎年釣れている。昨年は、アオリイカが全く釣れなかったり、かつての法則性も崩れて、海の中が何かおかしくなってきているように思える。そして今年もマアジが釣れ出した。去年はアコウや真鯛の時季と重なっていたので、好調な時に行けなかった。今年は釣れている時に行こうと、6月5日に行くことにした。この日の午前便はタコ釣りに出るということで、マアジは午後便での釣りとなった。
前日の釣果を検索してみると、トップ55匹と好調であった。ただ、今までと違うのが、ポイントが「神戸沖」となっていた。昨年は、長田港の沖ぐらいで釣ったが、毛糸先生の話によると、神戸空港の側まで行くらしい。どんな場所で釣るのか楽しみな釣行となった。
前日の天気予報では雨のち晴れであった。当日は朝7時に起床したのであるが、予想通り結構風が強く雨が降っていた。まあ、これぐらいの雨や風で中止にはならないという判断で釣行の準備をした。
純栄丸は早い者順の乗船ルールである。神戸沖での潮の流れが何時どのように流れるのか、行ったことが無いのでわからなかった。そこでお客が多い日は、トモかミヨシか端っこに居れば、祭り地獄になることだけは避けれると、現地に10時に到着するように早めに行く予定を立てて、私の家を9:40に出発した。(集合ルールは12時)
駐車場の入口に到着した時、たまたまか純栄丸のスタッフが居たので、待合所まで行くことも無く駐車場に入ることが出来た。到着した時は雨が降っていて、結構風も強く朝便は出なかったということを知った。待合室に居るとスタッフの方が来て、乗船順の付箋紙に1,2と書いたものを渡された。乗船順は先になっても、座る場所によって明暗は分かれてしまう。予報では北東の風であったので、西に流れるという仮定で左舷トモの釣り座に座ることにした。
11時頃に車の中で昼食を済まし、身支度をしてまずはクーラーに氷を一杯入れた。純栄丸は、この氷のサービスが有り難い。たくさん釣れた時は、釣りながら釣れたマアジを締めて冷水で冷やしてクーラーに保存しなければならない。この処置を怠ると、折角の美味しいアジが美味しい物で無くなってしまう。この日は午前便が出ていなかったので、11:30頃に乗船順の乗船となり、我々は左舷トモから2人の座席に座った。
全員揃ったのか、12時に出船した。いきなり神戸沖に行くのかと思っていたが、まずは須磨沖でマアジが居るのか確認してみるようであった。この日のタックルは、磯竿1.5号4.8mにリールは軽量なステファーノ200、道糸PE1号に先糸フロロ4号3m、仕掛けはご存じ「魔性のサビキ」にアミカゴ25号をセットした。
初流しすると毛糸先生に何やらヒット、上がって来たのは本命のマアジであった。私は、1mぐらい切って下さい…との指示通りのことをしようとすると、一発目から根掛りしてカゴを失った。但し、この後何度も流すが、須磨沖でマアジ釣れたのは、この一匹だけに終わった。私はこのポイントで2回も根掛りして2個カゴを失ってしまった。
須磨沖では釣れないことが分かると、船は本命の神戸沖を目指して移動した。途中昨年釣れた長田沖のポイントで仕掛けを下してみたものの反応は無かった。移動中は東寄りの風が強く、神戸沖のポイントに到着するまで、結構波しぶきを被るような状況であった。そして船は、神戸空港の西端の誘導灯の側に到着した。毛糸先生の話によると、前回釣行された時は、このポイントでは全く釣れなかったらしい。
←頭上を着陸する飛行機を撮影したかったが、余りにもスピードが速過ぎて構図が設定出来なかった。
到着しての一投目、どんな場所にアジが居るのか見当も付かない状況の中、仕掛けを下した。すると私にはアタリは無かったが、ミヨシのお客にマアジがヒットした。釣れた場所からして鉄柱の間に居るようであった。次の流しは、トモ側をその鉄柱に向けてくれ、やっとのことで一匹目のマアジをゲットすることが出来た。
しかし、このポイントではその後が続かず、暫くしてポイント移動となった。船はポートアイランドと空港島を結ぶ橋の下を潜り、空港島の東側に移動した。次のポイントも鉄柱のある所であった。まずは一投目、先程のポイントパターンからしてヒットしそうだと思っていると、左舷トモが良いホジションに当たっているのか、マアジが入れ食いになった。潮が殆ど流れていないのか、結構長い間船を同じポジションに止めてくれたので、10匹以上釣ることが出来た。
暫くすると食いも止まってしまい、更に船は移動した。次のポイントは、単に立ち入りが出来ない岸壁の前であった。こんな場所でマアジが釣れるのかと疑問を持つようなポイントであった。毛糸先生の話によると、オセンが多いが、マアジも交じって釣れたということであった。まずは船の真ん中辺りのお客さんに何やらヒット。上がって来たのは立派な青ベラであった。その後は、私と毛糸先生にマアジが釣れ出した。他のお客には殆どマアジが釣れなかったが2人だけ釣れているような状況であった。
しかし、このポイントも釣れ続く事無く、またまた移動となった。次に着いたのは、神戸で一番有名な防波堤の前であった。毛糸先生が行く道中で教えてくれたポイントであった。初めのうちは盛り上がりが無かったが、暫くすると食いが立ってきた…と言っても、私には釣れて隣の毛糸先生には何故か釣れない状態が続いた。私はここで15匹ほどゲットすることが出来た。
食いが止まってきた頃、神戸港から豪華客船の「飛鳥」が出港して行った。写真を撮ろうと、釣りを休憩してシャッターを切ったのであったが、船の長さが長いこと長いこと…。お金がたんまりあったらこんな船で旅をしたいものだ…とふと思ったが、船旅は時間が掛るので釣りに行けなくなると思うと、やっぱり乗るのは止めておこうと思った。
次のポイントは、ほんの少し移動した所であった。初めのうちは釣れなかったが、撒き餌が効いてきたのか、船のあちこちで万遍なく釣れ出した。釣れ出すと我々2人のサビキには確実に食って来た。ダブル、トリプルも発生してお祭りムードになってきた。一度4連があったが、さすがに船べりで一匹外れてしまった。
こうなってくると、釣果の差は手返しの速さとなる。アミエビは全て融けているので、問題なくカゴに詰めることが出来る。このエサ詰めを片手で出来るかが手返しの速さに比例すると思う。また魚を外す速さも大事なことでもある。私はこの釣りにおいて、何がムダかということを研究し、出来る限りのムダを無くすように考えて実践してきた。その答えが今の釣りスタイルなのかもしれない。
このポイントでは、不思議と一度船が観音周り方式でホジションを流し初めの場所に移動すると、釣れなくなってしまった。そしてこの日最後となるポイントに移動した。いきなり7mで映っていますので、底まで下さずにやって下さい…とのアナウンスがあった。すぐに仕掛けを下すと、本当に中層に居ることがわかった。こんな時は一匹掛っても暫く上げずに持っていると、ダブル、トリプルと掛って来る。
船頭が用事があるということで、最後のポイントは短時間で終わりとなったが、数を稼ぐことが出来た。そして17時頃、「終わりにします」というアナウンスが出て沖上がりとなった。道具を片付けた後、バケツに氷水を作り魚をシメて入れた。冷やし終わった後、数を数えると55匹釣れていた。毛糸先生も49匹釣られていた。序盤はどうなることになるかとちょっと心配したが、後半に良い状況となりますまずの釣果を得ることが出来た。
この日は日曜日であったので、翌日に料理して干し物を作ることが出来ない。帰宅して必死で開いて塩水に漬け込み、夜から干し籠に入れて干した。翌朝見ると、まずまず乾いてきており、会社から帰宅した頃には結構乾いていた。試しに焼いて食べてみたのであるが、噂以上に脂が乗っており、魚焼きのグリルの底板には、脂が大量に落ちていた。食べても凄い脂が出ていて美味しかった。
当然生の塩焼きも最高であった。刺身は、ちょっと脂が乗り過ぎていて、たくさん食べる気にはならなかった。今釣れているのは神戸沖であるが、今後は須磨沖に移動してくるのではないかと期待している。あと2回ぐらい釣行して、たくさん干し物を作り、フリーザに冷凍したいと思っている。
去年、思っていたよりも早く釣れなくなったので、行くなら早めに行くことをお薦めしたい。なお、駐車場に入れる時は、他の船に乗る車が前に居ても、純栄丸の待合所に呼びに行くと、何時でも開けてくれるので呼びに行くようにして下さい。