2015年12月29日 美咲丸のウマヅラ②

橋

今年の釣納めは、広島のウマヅラに決めていた。例年であれば、12月の末となれば、水温が低下してウマヅラ釣りには向かない。しかし、今年は暖冬で水温が高いようで、ウマヅラがたくさん釣れることが期待出来た。この日の釣行については事前に募集したが、年末のためか誰も希望者は無かった。この2日間の結果は…、今日と明日のページを読んで下さい。

今年の1月に一緒に釣行したO高さんが、29日のみご一緒されることが事前の連絡であった。釣行日が近づくにつれ、結局29,30日とも予約は満船になっていた。地元の乗船者の話によると、船頭が「ウマヅラの名人が来る」と言っていたらしい。私の釣りを見るために来られた方もあるような感じがした。

前回の釣行で知り合いになったH氏に、「がま船うまづらはぎ3.3m」の穂先ガイドをトルザイトに付け替えると、アタリが取り易くなることを教えてあげたところ、付け替えて欲しいということで穂先を宅急便で送ってこられた。マタギに行ってガイドを買ってきて付け替え、この日にお渡しした。特に穂先のトップから20cmぐらいの間は、ガイドを1個増やす配置の方がアタリが出やすいと思う。

1時前に「もうすぐ到着する」との電話があり、荷物をマンションの1階まで運んだ。今回は一泊の2日釣りであり、一日目の魚を送る準備と、ホテルから夕食を食べに行く時の服や靴などを持って行くため、自然と荷物がたくさんあった。一階まで降りると既に車が到着していた。荷物を積込み出発、一路広島を目指した。この日は帰省と輸送会社の最終営業日なのか、トラックも乗用車も結構多かった。2回途中休憩して、乗船場に5時頃に到着した。この日の出船は7時ということを知らなかったので、6:30出船のつもりで6時まで車中で仮眠した後、外に出て準備を始めた。

美咲丸は7時出船であるが、それまでに複数の釣船が出船して行った。私と毛糸先生の意見だが、ポイントまで1時間以上掛るので、6時に出船していても釣りを始めるのは7時を過ぎることになる。その時間になると夜も明けているので問題なく釣りが出来る。我々の考えでは、特に季節に関係なく同じ時刻に出船しても良いのではないかと思う。桟橋で待っていると、O高さんが声を掛けてこられてきた。朝は冷え込んでいたので、今日は釣れるか不安だと言っておられた。

6:45頃になっても穂先をお渡しするH氏がまだ来られていなかった。6:50ぐらいに美咲丸が接岸し、みなさん乗船されたのであるが、H氏はまだ来られていなかった。すると、船頭に連絡があり、忘れ物を取りに帰られたということで、7時ぎりぎりに来られて乗船し出船となった。船頭から指示された釣り座は左舷ミヨシから3席で、私、O高氏、毛糸先生の順番に座った。

今日の初めのポイントは何処に行くのかなあ…、期待を胸にエンジンがスローになるまでひたすら待った。道中、この日使う分の海エビをカットして準備した。キャビンの中では、私の事を知っておられる方も居て、色んなコミュニケーションを取ることが出来た。

1時間ほどで周防大島東端を通過して西方向に舵を取った。そしてそれからも長々と走り8:40頃に最初のポイントに到着した。エンジンがスローになったところで皆さん一斉にキャビンから出て準備に取掛った。この度は、魚を活かすために、自分でイケスを持ってきた。船で貸し出されるイケスは、ちょっと小さ過ぎると思ったからだ。

到着した頃はまだ潮が速かったが、暫くしてすぐに釣れ出した。魚の棚は水深32mのアナウンスがあり、仕掛けの上がその棚に合うようにオモリを降ろした。仕掛けを張ってアタリを待っていると、潮が速いためなのか、結構穂先を大きく曲げる重みのあるアタリ出た。バシッと合わせると鈎に乗った。途中コンコンと顔を振って上がって来たのは、当然の30cm超えサイズのウマヅラであった。玉網で掬ってボーズ脱出となった。

一箇所目

それからも、毎流し最低鈎に掛けることまでは出来るのであるが、この釣りの辛い情事「途中バレ」が発生し、確実にはゲット出来なかった。しかし、この日は寒いのに意外と食いが良くて、途中バレは少ない方であった。このポイントで私は13匹ゲットすることが出来た。本日の目標は魚を送るため、最低20匹としていた。この状況ならクリア出来ると確信が持てた。一箇所目のポイントで想定外の食いの良さに、この後も期待が膨らんだ。

2番目のポイントは、美咲丸が攻めるポイントで最高の実績があるポイントであった。潮の流れが複雑な所であるが、ウマヅラは何時行っても釣れる場所である。何時でも釣れると言っても、船頭が釣れる潮の時に攻めているからだと思う。最初の流しは魚影から外れたようであるが、2流し目からは、いつもの入れ食いモードに突入した。但し、潮が速いので一流し一回しか仕掛けを降ろせなかった。

ここでは22mとの棚を指示されたが、潮が速いため道糸が斜めになることが多く、仕掛けが浅く浮いてしまうので一番下の鈎に掛っていることが多かった。そのため、自分で水深をコントロールして少し深めにしたことがが良かった。水深を変えてから仕掛けの真ん中ぐらいに掛って釣れるようになった。また、棚が合っているので毎流し確実にアタリが出た。このポイントも潮が速かったためか、大きなアタリが出て簡単に鈎掛りさせることが出来た。ただ、潮が速いと、掛った魚が横に走って隣近所とオマツリすることが多発した。このポイントで私は20匹ほどゲットすることが出来、最低目標の20匹は楽々達成出来た。

唇掛り

魚の活性が落ちて来たところで、本日3つ目のポイントに移動となった。移動の間は、魚の内臓除去タイムとなる。ナイフで絞めた後、肛門からエラの下ぐらいまで皮を切って内臓を取り出す。特に「ニガ玉」と呼ばれている「胆のう」のことなのか、黄色や緑色した小指の指先ほどの袋状の内臓を確実に除去する。コイツを残して煮付けなど作ると、苦くて食べられない。特に他人に魚を送る時は、非常に注意して除去している。この日釣れたウマヅラには、結構大きなキモが入っていた。

3つ目のポイントは、11月に来た時にも良く釣れたポイントである。このポイント周辺には複数のポイントがあるのか、複数の船が近くで釣っていた。船頭は魚探で魚影を確認した後、20mとの指示を出し釣り開始となった。この日は大潮のためか、どのポイントも到着した直後は潮の流れが速かった。しかし、今日攻めたポイントは、何処も食いが良いのであった。

美咲丸は、殆どトモ側が潮先となるので、私が座る左舷ミヨシは一番潮下となる。しかし、このポイントでは、潮が止まるまでミヨシが潮先となった。私は船頭の指示に遅れることなく仕掛けを投入出来るためか、投入して棚を取った直後にアタリが出て、まだ仕掛けが棚まで到達していない方が居られる時に、既に魚を掛けていることも多々あった。その後も潮が緩くなるまでの間、入れ食いは続いた。

釣果

我々3人は、初めから終わりまで好調であった。釣れる時は3人同時に魚を掛けることが当たり前のようにあった。ポイントを変わる度に、ホテルで食べるウマヅラ3匹以外は料理して空にしていたのであるが、ポイントを変わるまでの間に都度イケスは満杯になった。潮が変わり暫く経った13:40頃に、「次で終わります」とのアナウンスがあり、流し終えて一日目の釣りは終了となった。

この日の釣果は、私50匹、O高氏45匹、毛糸先生32匹と、この時期としては、素晴らしい釣果となった。何よりほぼすべてが30cm以上の型なので、27Lのクーラーが満タンになってしまう。この日は、2軒の関東の友人宅に魚を送る予定をしていた。いくら良く釣れても30匹までと予測して、1軒分10~15匹ぐらい用のスチロールしか用意して行かなかった。しかし、50匹も釣れたので出来るだけ沢山送ろうと、乗船場の裏にあるナフコで大きめのスチロールを買ってきて送った。釣果の予想は、良い方の誤算であった。

朝、乗船前に地元の方が、大きな袋に入った氷をクーラーに詰めておられた。以前、広島の方に氷が安く手に入ることを聞いていたが、地元の人間でないので地理感が無くわからなかった。この度は、その方が詳しく場所を教えてくれたので、カーナビを頼りに氷屋さんに行ったところ、確認することが出来た。明日の朝はここで氷を買うことにして、ホテルに向かった。

途中、宅急便もすんなり出せてホテルに17時頃到着した。一服して18:00から夕食を食べに出た。H氏に紹介して頂いた鉄板焼きに行ったが、予約でいっぱいと断られた。仕方なくお好み村の八昌で広島焼きを食べてホテルに戻った。そして釣ってきたウマヅラを刺身にして食べたのであるが、それはそれは美味しかった。ウマヅラ釣りの楽しみは、釣りが難しいこともあるが、食べて美味しいことが本当の理由かも知れない。今日、これだけ釣れたのならば、明日はもっと期待出来ることを祈って照明を消して寝た。