前回の西田釣船の釣行で、11月でも明石海峡で鯛が釣れるということを知った。また、「カブラ」で釣るということに興味を持った。西田釣船のお客で、この「カブラ」による鯛釣りが出来る方が、昔は1人居られたようであるが、その方も亡くなり、今は出来る客が居なくなったということであった。
私は、この「カブラ」による釣りについて、もう30年以上前であるが、須磨・岡田釣船が仕立てしかやっていなかった頃に初めて教わった。その後、アブラメの小突き釣りが良く似た釣りで、明石浦・鍵庄で、更にその釣り方を教わることが出来た。それ以来、昨年鳴門に行くまでは、この釣り方に触れることはなかった。
私が知っているこの釣り方は、ビシマ糸を使った手釣りが基本であった。しかし昨年、鳴門でカワハギ竿、道糸PE1号、リーダー4号、カブラ20号で60mぐらいの水深のポイントで鯛釣りが出来ることを知った。今回は、この「カブラ」をメインに、このところ好調というブリも狙うという2本立てで出船することになった。
木曜日に最終の打ち合わせの結果、日の出も遅くなったので、6時に垂水漁港から出船することに決まった。この日、毛糸先生が5:00に迎いに来て下さり出発した。朝は高速を走らなくても国道が空いているので国道を走った。途中、ブリ釣りをするということで、太いハリスを購入するため、エサ光で糸と氷を買った。本当は、12号のハリスが欲しかったのであるが、10号までしか置いていなかったので10号を購入した。グランドマックス60mの値段は、10号だと何と定価が6,000円もすることに、ちょっとビックリした。
道中停滞も無く、5:50ぐらいに駐車場に到着した。車から乗船場となる桟橋に歩いて行くと、桟橋のたもとに、本日のメンバK氏が居られた。K氏は、このホームページで知り合った方である。一緒に釣行してみたいということで、今回の釣行が実現した。暫くするとM氏も来られて4人揃った。皆さん揃ったところで「チキラーズくじ」で釣り座を決めた。トモに毛糸先生、左舷にM氏、右舷にK氏と私が座った。
6時頃に西田さんが迎えに来てくれて出港、カブラのポイントは、港から近くのポイントMである。この日のタックルは、竿:がま船玄人カワハギⅡ210、リール:ステファーノ200、道糸:ソルティガセンサー12ブレイド1号、リーダーフロロ4号1.5m、カブラは、10,15,18号の物を作って用意した。
ポイントに到着すると、既に1隻の乗合船がこの釣りをしており、玉網で取り込むところが見えた。よし、釣れることはわかった。後は、自力で釣るだけである。西田さんは、暫く流す筋を考えながら走った後、バックを入れて船を止め「やってぇ~」との掛け声が出て釣り開始となった。
明石海峡で竿釣りでのカブラ釣りは初体験である。まずは、確実に底がわかるものか18号でやってみた。水深は20mぐらいと浅く、18号でははっきりし過ぎるほどであった。西田さんから、この釣では出来るだけ重さの軽いカブラが良く釣れると聞いていた。開始早々、船頭にヒットし小型の鯛があがった。それからは、何故か西田さんの一人舞台となった。我々にはアタリも無いのに、西田さんだけが入れ食い状態という状況が続いた。
その後、M氏が1匹釣った後、私にも待望のアタリが来たが、鈎に掛らなかった。そして、重さの軽い10号に変更して下したところ、カブラが底に降りて行く途中に止められた。典型的なアタリである。次の瞬間ビシッと合わせを入れたら決まった。掛けた時の重さで魚の大きさの察しがつく。これはデカイと思った。竿がのされそうになり、リールをフリーにして糸を出すが、水深が浅いためか底を這うように走った。走りを竿の弾力で止めて巻きに入った瞬間、ピンと穂先が戻り魚が外れた。上げてみるとカブラの糸が切れていた。このカブラの糸は、パラゴンの12号だったので切れるとは思わなかった。
暫くすると、乗合船が明石の方に移動して行った。西田さんもこのポイントに最近来たことが無く、状況があまりわかっていなかったので、この船も移動することになった。次のポイントは、明石海峡大橋の西側あたりであった。まずここで最初に釣れたのがヒラメ、私の竿に来た。裏面に少し表と同じようなシミみたいな模様があった。養殖のヒラメによくある模様である。西田さんによると、稚魚放流されたヒラメだと言っていた。
次に隣のK氏に何か大物のアタリが来た。仕掛けを降ろす途中に来たというこで、穂先を見ていると鯛の小気味よい顔の振りが見受けられなかった。上がって来たのは、何と60cmほどのカンダイであった。そしてその後、今度は西田さんが60cmぐらいあるマゴチをゲット。一年で1,2匹しか釣れない魚だと言っていた。そして船が明石港の近くまで流れた所で、ポロポロと小型の鯛が釣れた。私は、このポイントで3匹連続で釣ることが出来た。
暫くして、そろそろ淡路に渡ろうかと、船は東浦の方に走った。この日は天気予報ほど風が吹かず、海は穏やかであった。ポイントに到着してすぐに釣り開始となった。このポイントは、10月4日に狙ったポイントで、大型が釣れたところである。気合を入れて釣ったが、根掛りも多くたいして鯛も釣れなかった。そして13時頃、そろそろブリに行ってみようということになり、皆さん準備に取り掛かった。
本日乗船の4人にとって、今回の「活けイカ餌のブリ釣り」というものを体験したことは無かった。餌を見てビックリ、活きたシリヤケイカ(簡単に言うとスミイカ)であった。餌の付け方を事前にレクチャしてくれた。こんな大きな餌を食ってくるぐらいなので、余程の大きさのブリが釣れると期待した。
ブリのポイントに到着して釣り開始、周りにはメジロ・ブリを狙うジギング船が数隻居た。しかし、釣れているところが見えなかった。案の定、この時はメジロ・ブリはこのポイントに回遊していなかったのであろう。2時間近く頑張ってみたが、結局誰にもアタリが出ないまま退散することになった。せめてアタリだけでも体験してみたかった。
この日の釣果は、鯛23匹(小型中心)、マゴチ1匹、ヒラメ1匹、カンダイ1匹と、思っていたよりも寂しい釣果になってしまった。4人で釣った鯛の数が、西田さん一人で釣った鯛の数に及ばなかった。なぜ釣れなかったのか…私は、西田さんが使っていた「カブラ」が良かったのだと思った。作り方も教えてもらったので、来年はこのカブラの自作版で釣ってみたいと思っている。
今年も残る所あと僅かである。明石海峡での釣りは、今回で最後とする。29,30日は広島のウマヅラを予定している。それまでに釣れていたら鳴門のマダイ釣りに行こうと思っている。今年は本当に良い釣りが少ない年であった。最後のウマヅラに期待する。