例年であれば、10月といえば釣行回数が多い月である。しかし、今年は1回しか行かなかった。特に今季はアオリイカに一度も行くことなく終わってしまった。こんなことは前代未聞の出来事である。明石海峡だけが釣れていないのかというと、全国的に釣れていないように思える。近くのフイッシングMAXでは、エギのコーナーが早々と上の階に移動していた。釣れていないから売れないのであろう。
毎年恒例、何より一番楽しみにしている広島遠征の日が来た。今年は、予定を組むのが遅れたため、3連休の土日に行く一泊釣りのホテルの予約が出来なかった。そのため日帰りでの釣行となった。このところの状況を見ていると、型は良いが数は釣れていないようであった。しかし、18日に釣友のO氏が釣行され、30~40cmを30匹以上釣ったとの連絡が入った。その連絡の中で、今年は全て良型で、しかもアタリが多かったそうだ。
0:30頃、毛糸先生から「高速道路の通行止めがあるみたいだが、山陽道は大丈夫か確認して欲しい」との連絡が入った。すぐに調べたところ、中国道の神戸JCT付近が通行止めになっており、我々の行くルートには支障が無いことが分かった。インターネットは好きな時に欲しい情報を入手出来る、本当に便利な時代になったもんだと感じた。
1時前に「もうすぐ到着する」との電話があり、荷物をマンションの1階まで運んだ。すぐに車が到着して荷物を積込み出発、JR六甲道で金魚さんを拾い一路広島を目指した。六甲トンネルを抜けて北六甲有料道路を経由し、神戸北から山陽道に入った。道中は、日曜のためかいつもよりトラックが少なかった。2回途中休憩して、乗船場に5時前に到着した。出船は6:30なので、車中で1時間ほど仮眠した。
仮眠している間に車がドンドンと到着し、6時に準備のため車外に出ると駐車場が一杯になっていた。そして、6時を越えると桟橋には釣船が次々と接岸し、お客を乗せて出港して行った。そして、6:15頃に美咲丸が接岸した。我々は、いつも通り左舷ミヨシから3人座るように指示を受け荷物を置いた。港からポイントまでは1時間は走るので、鈎に刺すエビを切って準備するためのエビと容器とハサミを持ってキャビンに入った。
ポイントに着くまでの道中に、大体一日分に当たるエビをハサミでカットした。早々と終わったので、疲れないように到着するまで仮眠した。7:30頃に最初のポイントに到着し準備が出来たが、魚影の映りが悪かったのかすぐに別のポイントに移動した。しかし、次のポイントには既に別の釣船が釣っており、入り辛いのかその近くの別のポイントに入った。ここで本日初めての仕掛け投入となった。時刻は7:50、家を出発してから7時間が経過していた。
ひと流し目はアタリなし、二流し目、潮の流れが速かったが、はっきりしたアタリが出て本日お初の一匹目をゲット出来た。30cmほどのまずまずの型なので玉網で掬った。その次の流しも釣れたが、盛り上がりがあるような状況でも無かったので、船頭は更に西の方に移動した。昨年の12月に来た時、好調に釣れたポイントであった。そのポイントには一隻の地元の船が釣っていたが、釣れている状況では無かった。
ひと流し目は誰にも釣れなかったが、二流し目、アタリが出て1匹ゲットすることが出来た。しかし、釣れたのは一番潮下の私のみであった。全体的に食いが悪く、船頭は更に別のポイントに移動した。食いが良い…と思っていただけに、この移動の繰り返しは想定外であった。
次のポイントは、港から一番遠い島の側で、過去に小型ばかり釣れたポイントであった。しかし、この日は最低30cmぐらいの良型ばかりで、毎流しコンスタントに釣れ出した。ウマヅラ釣りで活性が上がると、一匹釣って仕掛けを上げて来た時、釣れている鈎以外の鈎のエサが取られていることが多いが、この日はそんなに餌を取られていることは少なかった。ここまでで11匹しか釣れていなかった。しかも時刻は10時になっていた。
そこそこ釣れたのであるが、あまりパッとしないので移動となり「20分ほど移動しますので、キャビンに入って下さい」とのアナウンスが出てキャビンに入った。移動の際、地元の釣り人と話をしたら、その方はこのホームページを見て下さっているということであった。山口の方からメールが来たが、広島の方も見てくれていることを知った。
船は東北方向に結構走り別のポイントに到着した。このポイントは、潮が速く流れていても良く釣れた実績がある所だ。ひと流し目からますまずのアタリが出て、コンスタントに釣れ出した。このポイントでは、何故か金魚さんにダブルが多発した。どうも一匹掛けた後、意図的にゆっくりと巻き上げて追い食いさせているようである。仕立てでは問題ないと思うが、乗合船ではポイントの移動が遅くなるので、ちょっとエチケット違反のように思える。私は、この日の最低の目標を30匹に設定していた。しかし、この時点では20匹を超えるのがやっとかなあと思えた。
何回か流していると、金魚さんに強力なアタリが出てリールから糸が引き出された。過去の事例からすると、真鯛の可能性が高い、しかし良く見ていると、真鯛ほど重量感が感じられなかった。暫くして上がって来たのは「ハマチ」であった。その後もコンスタントに釣れて、ここまでトータルで21匹となった。あと9匹で30匹か…、達成したいなあと少し弱気になっていた。まだ釣れ続いていたが、船はこの日最後となるポイントに移動した。この後、最高のクライマックスを迎えることとなるのであった。
←ハマチと戦う金魚さん
船頭さんの本日の狙うポイントの組み立ては、この最後のポイントへの移動を、予定ではもう少し早い時刻にしていたらしい。一つ前のポイントが良く釣れたので移動が遅れたようであった。最後のポイントは、毎回美咲丸に乗ると攻めるポイントで、一番良く釣れる実績のあるポイントである。私も毛糸先生も大好きな場所である。
ポイントには、プレージャーボートのような船が一隻居たが、狙っている魚が違うのか美咲丸が流すラインから外れた所に居た。船頭は魚探で魚影をチェックした後、「はい、やってください」とのアナウンスを出した。そして、怒涛のウマヅラ祭りが始まった。時計を見ると12時、残り時間は僅かになっていた。
この日の棚は、25~35mぐらいであった。良く釣れる時は、もっと浅い時が多いのであるが、何故か深い棚ばかりであった。仕掛けを投入し、アナウンスの棚まで下して仕掛けを張りアタリを待った。我々以外のお客さんは、底にドンブリ籠を付けてアミエビを撒きながら釣られている。釣り始めは撒き餌が効いていないので、結構深い棚でシンプルなアタリが出て釣れた。
その後、撒き餌が効いて来たのか、棚も35mから一気に25mと浅くなり、入れ食いが始まった。釣れ出すと皆さん手返しが早くなるので、撒き餌が更に効いてエサの食い方が良くなり、はっきりとしたアタリが投入直後から出だした。食わせエサだけで釣っている我々は、入れれば即鈎掛りさせれる状況となった。
こうなると、出来るだけ早く鈎掛りさせて、一匹釣り上げるサイクルを短くすることが大釣りするためのコツである。私もエンジン全開…さっきまでは、あと9匹で30匹…と弱気であったが、9匹は一瞬で釣ることが出来た。後は50匹を目指そうと思った。そんな時、何と私に30cm以上の4連が来た。それは重くて重くて…4連来ても大抵水面で何匹か外れることが多いが、不思議と全て取り込めた。
この日は、型と食いが良かったためか、途中で口切れして逃げられることが少なかった。型が良かったので、殆ど玉網で掬ったこともバラシが少なかった要因であろう。そんな中、玉網で掬った魚の鈎を外そうとしたら、唇に掛っていた魚を見つけた。巻き上げ途中で口切れする時は、このような掛り方をしているのだと思う。良くぞ持ちこたえた!と言いたかった。
←唇に掛ったウマヅラ
最後のポイントで、広島のウマヅラ釣りらしい釣りが出来て納得することが出来た。14時前、何故か食い気も無くなったところで、「次の流しで上がります」とアナウンスが流れた。最後の一匹を釣ってやろうと神経を集中したが、最後の流しではアタリも無く沖上がりとなった。結果的に、最後のポイントだけで24匹釣ることが出来た。
道具を片付けた後、最後のポイントで釣ったウマヅラを絞めて内臓を取り除き数を数えた。その結果45匹であった。型も30cm未満は2匹だけで、平均30~33cm、最大37cmほどあり殆どの魚にキモがたくさん入っていた。毛糸先生は32匹、金魚さんは26匹とハマチ1匹という釣果であった。皆さん、今回は数が伸びなかったが、型が良かったので満足されていた。朝攻めたポイントでの食いがもう少し良ければ、50匹は軽く越えていたと思った。
←27Lのクーラーが満タンになりました。
この広島のウマヅラ釣り、通い出してからかれこれ10年以上経つ。その間、広島の釣船も色々と乗船してみたが、ウマヅラ釣りでは、この美咲丸が一番良い型をたくさん釣らせてくれた。その他、友香丸も良いのだが、今年は、我々の予定と出船の予定が噛みあわなかったため、予約出来なかった。
左の写真は、美咲丸の船長とのツーショットである。見た目にイカツイおっさんであるが、以外にも親切で優しい。通常は、ウマヅラ五目で出船する際、ウマヅラと何か別の魚を狙うのであるが、「ウマヅラだけで通してもらえませんか…」とお願いすると、いつも快く受け入れてくれる。
船の釣果情報を見ると、今年は、ウマヅラにあまり出ていないようであるが、今回の釣行と18日のO氏の情報から、今後も30cm以上のウマヅラが期待出来る。ということで、12月29,30日と一泊釣りを予定しており、美咲丸には予約を入れた。何故か我々が釣行する日は、結構前から満船になる確率が高い。これだけ型が良くて数も釣れたら、ウマヅラに行きたくなるのは当たり前だと思う。早く29日が来ないかと思う日々が続く…