毎年6月から7月の大潮の日に、西田釣船の鯛釣りに行くことが恒例となっているが、昨年、秋の鯛釣りに初めて釣行した。その結果、釣り方が若干違うが良く釣れた。また、秋の方が鯛が美味しいことを知っていたのだが、自分で釣って食べてみて、本当に肥えていて脂が乗っており美味しいことがわかった。プレゼントした方からも「あんなに美味しい鯛は初めて…」と喜んでもらえた。明石海峡の鯛釣りは、初夏は数、秋は味が楽しめる。
夏の鯛釣りの帰りに、秋も釣行しようということで調整した結果、10月4日に釣行することが決まった。夏の場合は、釣果が気候にあまり左右されることが少ないが、秋の場合はその年によって、アタリ、ハズレがある。結果的に言って、昨年はアタリ、今年はハズレだったのかもしれない。1ヶ月以上前に予約するので、どんな状況か行ってみなければわからない。
夏とは違い、今の季節となると日の出が遅い。暗くても釣れるかも知れないが、明るくなってからの出港となる。西田さんとは、垂水漁港の桟橋に5:15に迎いに来てもらう約束となった。毛糸先生が4:30に迎いに来てくださり出発した。停滞も無く、途中買い物などして40分程で垂水港に到着した。5時を過ぎていたのでゲートはオープンしており、すんなりと駐車場に止めることが出来た。
桟橋で待っていると、5:20ぐらいに西田さんが迎いに来てくれて、すぐに乗船し出港となった。この日のメンバーは、私と毛糸先生、そしてアオリ運悪男であった。前日の確認で朝はメジロ釣りからスタートすることになっていた。そのことは事前にメンバーに伝えており、乗船後、各自メジロの準備を開始した。私は、竿に糸を通して準備してきているので、2,3分で準備は完了した。ポイントは淡路側のケーソン付近で、既に漁船やプレージャーボートがたくさん集まっていた。西田さんは状況を確認しながら仕掛けを流すラインを考えていた。
そして、ラインが決まったのか「やってみよか」の合図で、一斉に仕掛けを投入した。タックルは、50号の丈夫な船竿にハリス7号、オモリは60号、エサは活きた小アジを使った。同じラインを沢山の船が流して釣っているのであるが、本当に1匹も釣れているところを目撃することが無かった。2時間ほど頑張ってみたが、完全にお手上げの状態であった。餌を食わないでは無く、居ないと感じた。
これ以上続けても無駄と判断し、メジロは諦めて鯛の餌釣りをやることになった。ポイントは、夏に攻める場所であった。ポイントに到着すると、本職の釣船が大きな鯛を取り込んでいるところであった。西田さんは潮を見てラインを決め流してくれた。その2流し目、魚探にも出ていたが魚群を直撃、4人中3人同時に魚がヒット。まず船頭が45cm程の鯛をゲット、次に私が65cm程のメジロをゲット、そして毛糸先生が50cm超えの鯛をゲットした。よし、これからと思ったのだが、前の2人がオマツリしてしまい、ほどいている間に潮が終わってしまった。西田さんを見ていると、この間かなりイライラしているように見えた。さすが本職だと思った。
不思議なもので、同じ場所なのに潮の加減で魚は何処に行ってしまうのか?と言いたい気分である。本当に一瞬で魚影は消えてしまった。その後、何回かポイントを流してみたが、本当に何の反応も無かった。船は、昨日良く釣れたと西のポイントに行くことになった。潮の時間がまだ早いということであったが、何も釣れないので早めの移動となった。ポイントに到着すると、何と鯛網の船が居り、どうも網を揚げた後であった。見ていると船上で鯛を持っている人が居た。西田さんも流石に落胆しているようだった。
小さい希望を胸にポイントで釣り始めた。何回か流していると餌を取られ出した。神経を集中して穂先を見ていると遂にアタリが出た。すかさず合わせると鈎に乗った。上がってきたのは本命の鯛、但し大きさは30cmほどであった。事前に西田さんからこのポイントでは大きい鯛は釣れないと聞いていたが、その通りであった。次の流しにも私に同じような鯛がヒットした。それからこのポイントでは、鯛よりもツバスやハマチがメインに釣れ出した。
周りに数隻の船が集まってきたのであるが、釣れるのは我々の船だけである。流しているラインが絶対に良いとは思えない。何が良いのか…私の回答としては「餌」、この日は「海エビ」が良かったのだと解析する。普通に考えると活きた小アジの方が良いように思えるのであるが、淡路の周辺では「海エビ」が良い時がある。また、同じ釣り方をしていると、鯛が釣れる確率も高くなる。
潮も速くなり時間もなくなってきたので、最後に鯛カブラをすることになった。昨年、鳴門に行った時に初めて鯛カブラを体験したし、昔、アブラメの小突きという釣り方で、鯛カブラとよく似た釣をやっていたので、釣り方のイメージは察しがついていた。アブラメ釣りの時に使っていたビシマ糸と、自作した鯛カブラを用意して行った。初めは写真のオモリ10号の鯛カブラで釣ってみたのであるが、潮が速く底が取り辛い状況であったため、途中から18号に変更した。
変更したことにより、底が良くわかるようになったのであるが、18号の鯛カブラのハリスがパラゴンの8号のためか、この日2回推定50cm以上の鯛が来たが、痛恨のハリス切れとなった。1回なら何かハリスにキズがあったのかと思うが、2回とも切れてしまったので、結論として8号では細過ぎたということになる。今度鯛カブラを作る際は、もっと太い糸か、別の強い素材の糸で作るようにする。(反省)
このカブラ釣りで毛糸先生は、55cm程の鯛を釣り上げた。アオリ運悪男も、最後にかなり良型の鯛を掛けていたが、途中で痛恨のバラシをしてしまった。この日は短時間の釣りであったが、何となく明石の鯛カブラがどのようなものか分かった気がする。毛糸先生ももう一度やりたいとのことであった。手釣りはかなりマニアックであるので、次回は鳴門のように、細い道糸で20号ぐらいの鯛カブラでやってみようかと思っている。
西田さんは、昔からの釣りをやっておられるが、この時代のタックルは、昔では考えられないような発展をしてきている。特に「糸」においては、強さと細さについて恐ろしいほど変わって来た。新しい物を上手く使って行くのも、今後の釣りに大事なことだと思っている。
漁師に頼んだエビを取に行かなくてはならないとのことで、13時に沖上がりとなった。結果、毛糸先生が大鯛2匹とツバス、私が小鯛2匹とメジロとツバス、アオリ運悪男はボーズであった。後で他船の釣果を見たが、やはりメジロは釣れていなかった。今後の鯛の予想は本当に難しい。しかし、西田さんに確認したところ、11月は鯛がまだ釣れると言っておられた。チャンスがあれば、鯛カブラにもう一回行ってみたい。
今回釣れたメジロを持って帰って食べてみた。2枚に下した時に脂が乗っていることが分かったのであるが、煮付けてみたところ、本当に脂が乗って美味しかった。鯛は言うまでも無く美味しかった。ツバスは…神経抜きをしていたのでプリプリであったが、脂の乗りがイマイチという感じであった。、
先日、近くの店で「海鮮丼」を食べた。美味しかったので、この日、釣ってきた魚も海鮮丼にしようということで作ってみた。鯛とツバスを刺身にし、残ってもらった川津エビを茹でて皮を剥いて添えた。食べた評価は、当然「◎」という判定であった。すし飯さえ作れれば簡単なので、一度試されてはと思う。
今年、アオリイカが絶不調である。折角道具を押入れから出してきたが、今年は使うことなく片付けることになりそうだ。広島のウマヅラに行く日が11月22日に決まった。エビは、この日に西田さんの知り合いから入手出来た。今年の明石海峡は、本当に何も良い釣りが無かったのではなかろうか。正しい根拠は無いが、西田さんの話によると、チリメン漁が好調な年は、チリメン以外の稚魚もたくさん捕ってしまうので、その年の釣りは、良くないことが多いらしい。確かに理に適っているいると私は思う。