明石海峡周辺の釣果を検索していると、今年は須磨でマアジが良く釣れていた。良く釣れていた…と言っても純栄丸しかマアジ釣りに出ていない。他の釣船は、タコとキスがメインになっていた。かつては、須磨のマアジ釣りと言えば浦島丸に乗船していたが、昨年廃業されたので、今行くなら純栄丸しかない。釣果を見ると日によって多少バラツキがあるものの、安定した釣果が続いていた。毛糸先生と相談の結果、7月18日の午後に行くことになり予約を入れたが、ご存じの通り台風11号の影響により中止となった。どうしても行きたかったので、調整した結果、私が24日に有給休暇が取れて行くことになった。
予約の際、ゲートに5時集合と言われたので、当日の朝は、4:15頃に毛糸先生が迎いに来て下さった。乗船場が須磨なので、私の家から高速に乗らずに国道を走った。夜間は空いていてエサを買うために立ち寄る「エサ光」にすんなりと到着した。ここでアミエビのブロック大を1個購入し、ゲートに向かった。ゲートには1台だけ開門を待っていた。
純栄丸は初めてなので、5時にゲートに並んでいる車は全て純栄丸に行く客と思っており、我々は2番目かと勘違いしていた。5時丁度に船頭がゲートに来て並んでいる車に何処の船に行くのか聞いて回っていた。すると、前の車は仙正丸に行く客であった。船頭からゲートの前に車を移動するよう指示され車を動かした。船頭はゲートを操作して開門し、駐車場の場所を指示した。何故か駐車場には既に車が止まっており、船を見るとかなりの人が既に乗船されているのが見えた。
後でわかったことであるが、5時集合とは5時までにということを意味しており、ゲートは4時から言いに行くと開けてくれるらしい。車を駐車場に置き、釣り座確保のため船に向かった。船に到着して空いて居る場所を確認すると、右舷のトモから2,3番目か右舷ミヨシであった。毛糸先生と相談の結果、トモから2,3番目に座ることになった。出船までに撒き餌のアミエビ2個分と刺し餌のオキアミとザルが配られた。氷について聞いたところ、ゲート側の箱にあり各自が勝手に取りに行くルールになっていることを教えてもらった。すぐに毛糸先生と取りに行くと、まだたくさん残っていた。何かと初めての船は、ルールがあるもんだと感じた。
5:30頃に出船、海水浴のオイルフェンスの開いて居るところから沖に出て、まず向かったのが須磨沖のポイントであった。この日のタックルは、磯竿1.5号4.8mにリールは軽量なステファーノ200、道糸PE1号に先糸フロロ4号3m、仕掛けはハリス1.5号のご存じ「魔性のサビキ」にアミカゴ30号をセットした。暫く色々とポイントの上を通って魚探で群れを探していた。そして映りが出たところで船頭のアナウンスがあり釣り開始となった。
私の釣り方は、一度底までドンブリカゴを落とし、底を切って暫くした後カゴをシャクって撒き餌を出しアタリを待つ…という単純な釣りである。左舷後方からトモに居られる方は常連のようで、皆さん胴突き仕掛けに餌を刺すという釣り方をされていた。そのことは、昨年釣友から聞いて知っており、私はそんな中「魔性のサビキ」でどれだけ釣れるか試すことにした。
須磨沖のポイントは、皆さん初めから好調に釣れていた。底にカゴが着いたらシャクって待っていると、ガキゴキと激しく穂先が揺らされ魚の引きが伝わってくる。慌てず竿の弾力を活かして巻き上げるとマアジが水面に顔を出す。マアジ釣りのスリルは水面から引き上げる時にある。唇が開いて今にもモゲてしまいそうな時、「落ちんといて…」と心で叫んでも、水面で切れたり手元まで来ているのに切れたりと、確実に取れないところが面白い。
マアジ釣りは今年度初めてであったせいか、初めのうちは、やたら巻き上げ途中で口切れしてしまうことが多発した。毛糸先生も同様であったので、2人で何が悪いんだろう…と考えた。私の答えは、竿4.8mでドンブリカゴ30号では、竿のクッションが死んでしまっており、魚の引きがダイレクトになり過ぎて口切れしてしまうということであった。すぐに5.4mに伸ばすと、口切れはだいぶ減少出来た。
釣果の情報に「マルアジ」のことは一言も書かれていなかったが、この日釣った1/3は同じ大きさのマルアジであった。当然持ち帰ることなく、全て海に帰って頂いた。また、ポイントによりゴマサバも釣れていた。食べても美味しそうに思わなかったので、カサゴ釣りのエサ用に持ち帰った。須磨沖のポイントで、最後ぐらいに35cm程のマアジが釣れた。かなり強い引きであったので、サバと思っていたらマアジであった。盛り上がりが無くなったので、船は神戸沖の方向に移動した。この時点でマアジは5匹であった。
暫く走るとエンジンがスローになった。岸を見るとそんなに東に移動しておらず、感覚的には長田沖という感じであった。近くには大きな船が停泊していた。ひと流し目はどうもポイントから外れてしまったのか、誰にも釣れなかったが、2流し目から快調に釣れ出した。そしてこの2流し目が延々と続くのであった。隣の常連の方を見ていると、エサ釣りは好調に釣っておられた。浦島丸でエサ釣りされていた時の刺しエサはオキアミであったが、純栄丸での刺し餌はエビの切り身のようであった。
確かに刺し餌の釣りは好調であったが、刺し餌を刺さない魔性のサビキも捨てたものでは無かった。ただ一番の欠点は、マルアジも良く釣れてしまうので、マアジが掛る前にマルアジが釣れてしまうことであった。また、小アジもサビキには良く掛ってしまった。逆にサビキの良いところは、刺し餌を付けなくていいので、釣りの回転が速いことである。魚を外して撒き餌がカゴに残っていたらすぐに再投入…そしてまたゲットと短時間で数を伸ばすことが出来た。
ちょっと食いが落ちて来たので、船は再び須磨沖に移動した。魚探で確認して何度か流してみるものの、潮が速く結果が出ず時間だけが過ぎて行った。すると船は、またまた長田沖のポイントに移動した。朝ほど釣れなかったが、ポロポロと釣れ続けた。この日は、このポイントが良く釣れたと思う。また、根掛りすることもなくカゴの損失はゼロであった。この日は、燃料補給のため11:20に納竿となった。結果、マアジ42匹、サバ5匹(持ち帰り)、マルアジ20匹以上(全て放流) マアジは、非常に脂が乗っていて肥えていた。
この釣りは、撒き餌にアミエビを使っているので、魚の腹にはアミエビがたくさん入っている。美味しく(臭く無く)食べようと思うならば、出来るだけ早く内臓を取ってしまうことだ。私は帰宅してすぐに内臓を除去した。やはり腹の中にはアミエビがたくさん入っていた。帰宅してすぐに刺身にして食べた。本当に肥えていて脂の乗りが良く美味しかった。しかし、更に美味しいのが塩焼きである。夕食では塩焼きにしたのであるが、それはそれは美味しかった。この塩焼きを食べるため、近々純栄丸にまた行こうと思っている。
今までの経験上のことであるが、不思議なことに同じ大きさのマアジでも、淡路の沖で釣れる物はそんなに脂が乗っていないし肥えていない。しかし、須磨沖周辺で釣れる物は、本当に良く肥えていて脂も乗っている。これから更にもう少し大きくなると思うのであるが、そうなると細いハリスでは取り込めなくなるかもしれない。皆さんマイ玉網が必須になるかも…。