明石海峡は死んでしまったのか…。前回の4月12日以降、ほぼ毎日ネットで状況を検索していたが、コレといって良い釣果は無かったし、何より出船していない船が多かった。このところ季節が来たというか、やっとのことでタコが釣れ出し、乗合船もコンスタントに出船するようになってきた。また、先日テレビでは、神戸空港沖辺りでのマアジ釣りが放映されていた。なぜ今頃中型のマアジが釣れるのか不思議であったが、夏場に須磨沖で釣れることが期待出来る情報であった。
←生口島の垂水港 奥の遊覧船が停泊している桟橋が、秀丸ホームページに書かれた桟橋。
私は、今年から明石海峡周辺がダメなら遠征する…と明言していたが、今回遂にそのことを実現した。ネットで調べて釣行を決意したのが、広島県生口島にある秀丸という釣船である。ホームページを見ると、タイラバで釣れたと思われるのであるが、アコウの写真がたくさん出ていた。タイラバで釣れるなら餌釣りでも釣れるはずである。魚種別の料金表に「餌釣り」のことも書いてあったのでメールで確認した。すると乗合料金とは別に餌代を払えば、船で用意してくれることがわかった。仲間と相談した結果、6月13日に行くことが決まった。
明石海峡でもタイラバの外道でアコウがポロポロと釣れることはあるが、専門に狙ってもなかなか釣れるものではない。過去を振り返ってみても、明石・釣船鍵庄で数回しかたくさん釣った記憶がない。また、私の知人で秀丸に行った方が居ないので、どんな船でどんな釣り方をするのか、全くわからない状況であった。しかし、今回のように結果はどうであれ、自らチャレンジして釣れる船を見つけて行かなければ、良い釣りが出来ない時代となった。
前日に出船時刻を聞くことになっていたので連絡すると、6時出船なので5:30には港に来て下さいとのことであった。メンバーに連絡して、私の家を1:30に出発することになった。通常の広島釣行より距離が短いため30分遅くした。1:30予定通り毛糸先生が迎いに来て下さり出発、成金竿男の家に寄って2時に神戸を出発した。深夜の山陽道は混むことも無く福山西まで走り、しまなみ海道に乗って生口島のローソンに4:30頃に到着した。
この生口島には2軒コンビニがあることを事前に聞いていたので、地図で位置を確認していた。ここで食糧を調達して5時前に垂水港に到着した。駐車場は地図でわかっていたが、広くて何処に駐車したら良いのかわからなかった。とりあえず桟橋の入口付近に駐車した。この時、我々以外の車は1台だけであった。その後、乗船時刻が近づくにつれて、来るわ来るわ広い駐車場に福山や岡山ナンバーの車がたくさん集まって来た。
たまたま隣に止められた方が話掛けてこられて、秀丸のことについて教えてくれた。ホームページには1号艇から10号艇まで紹介されている。私はその一部しか出船しないものと思っていたが、休日にはその半数以上の船が出船するとのことであった。5時前に船頭が来られて挨拶すると、我々が乗船する船は向うの桟橋から出船するのでと、北側桟橋に行くように指示を受けた。たまたま先程話しかけてこられた方も、アコウの餌釣りであったので、駐車場所までナビゲートしてくれた。
桟橋を降りると複数の船が出船を待っていた。初めてなので、どの船が秀丸なのか確認して乗船した。この日の同乗者は6名で、我々4名はトモの釣り座に座らせてもらった。じゃんけんの結果、右舷トモに成金竿男、次に毛糸先生、左舷トモに私、次にT一氏が座った。6時頃出船、まずは餌の活けエビを買いに伯方島に向かった。到着した港で、船頭からエサ屋の場所を教えられ、一人に1個のバケツが貸し出された。どれぐらいの量を購入すれば足りるのか聞いたところ、千円から千五百円分ぐらいあれば足りるだろうと言っていた。
みなさん一緒に数分歩いてエサ屋に行った。正直言って汚い店で、何故か入口には古い洗濯機かたくさん置いてあった。店の奥にはエビを活かしておく場所があって、そこで量りながらバケツに入れてくれた。まず毛糸先生が千五百円分購入した。量はどのぐらいと聞くと、600グラムとの返事があった。バケツの中を見せてもらうと、まあこれぐらいあったら足りるだろうということで、皆さん同じ量購入することにした。船に戻って後方にあるイケスにみんなで入れて共同で使うことになった。
エサを買った後、最初のポイントに向かった。約20分ほど南西に走った所であった。「入れて下さい」とのアナウンスでアコウ釣りがスタートした。この日のタックルは、竿:先鋭マダイ360、リール:ForceMaster400DH、道糸:ソルティガセンサー2号、仕掛けはアコウ仕様胴突2本鈎仕掛け、オモリは船頭の指示で30号に統一、エサは買った海エビを鼻掛けして使った。(慣れてなければ尾掛けでもOK)
一流し目、初めての場所なので、仕掛けをあまり引きずらないように注意しながら棚を合わせるも何も無し、結構潮が速く流れていることがわかった。二流し目、着底して暫くするとコンコンとアタリが出たので少し送り込むと、オモリが根に掛ってしまった。糸を巻けるだけ巻いて根を切ると魚が付いている。巻き上げると25cmほどの本命アコウであった。
これでボースを免れたものの、この日の目標は、型は40cm超え、数は5匹以上である。最初のポイントは潮が既に流れていたので、船はすぐに移動した。2つめのポイントは、大きな浮標の近くで水深は60mぐらいあった。底を丹念に探っていると、少し水深が浅くなったところでググッとアタリが出た。慌てずテンションを張ったままにしていると、更に大きなアタリが出たところで大合わせした。掛った!間違いなくこの重量感はアコウだ。慎重に手巻きで巻くこと2分ほど、水面に姿を現したのは本命の良型、40cmほどあった。
この時点では、船のトモから流している流し方であった。右舷の成金竿男も潮先である。すると暫くして成金竿男にも本命のアタリが…まずまずのアコウをゲットした。調子が出て来たのか、その後すぐに2匹目をゲットした。それからは、同じポイントを流すもアタリが出ず、少し離れたポイントに移動した。私は集中力を持続しながら穂先を見つめていると、何やら岩礁帯の上に来たと分かった瞬間、グッと魚の反応が来た。慌てずテンションを張っているとグッグッとアタリが出たので大合わせ、こいつも鈎に乗った。水深があるし型も良いのでかなりの重量感かあった。これはさすがに電動の力も借りて水面に…姿を現したのは40cmオーバーのアコウ、一つの目標は達成出来た。
その後、何度となく同じポイントを流していると、まずは右舷ミヨシの方が良型の真鯛をゲット。すると暫くして毛糸先生に何やらヒット、上がって来たのはやはり真鯛、その直後、私にもアタリが…私は、アコウだろうと思って巻いていると、顔を途中で振りまくるので、これは真鯛とわかった。45cmほどの雄で上の鈎に掛っていた。この時、真鯛の群れに当たってのか、成金竿男にも真鯛がヒットした。成金竿男は魚の切り身で釣れたらしい。
暫くすると、潮が流れて来たということで船は次のポイントに移動した。船頭の解説によると、人口漁礁が同じ間隔で並んでおり、高さは3mぐらいあるので根掛りに注意するようにということであった。水深は25m前後と浅かった。投入して暫くの間、誰にもアタリも根掛りもなかったが、このポイントでの一号は私に来た。根気よく棚取りしていると、いきなりグッグッグッと強いアタリが出て、そのまま合わせて巻き上げた。上がって来たのは30cmクラスのアコウであった。こんな浅いところでもアコウが釣れることがわかった。
その後、釣っていて他人の根掛りや釣れた時の状況から、この人口漁礁は縦横が小さいことがわかった。すぐ隣が根掛りしたので、私も根掛りするのかと思っていると何もなかったり、逆のことがあったりと、その根の大きさが何となく判断出来た。どれだけの間隔で並んでいるのかわからないが、時々漁礁に当たり、そこで根掛るかアコウが釣れるかという状況が続いた。このポイントでアコウ2匹と大型メバルを2匹ゲットした。その後は、数回ポイント移動するも釣れるのは殆どがカサゴであった。
14時頃になって移動してきたのは、朝の浮標側のポイントであった。何回か流してみたものの、誰にも何も釣れなかった。すると朝は流さなかった近くの別のポイントを流した。しかし、釣れたのはカサゴが少しだけであった。その後、しまなみ海道のどの橋かわからないが、その橋の下ぐらいに移動した。初めのうちは、カサゴしか釣れなかったが、途中からポロポロとアコウが当たった。そして私も1匹ゲットすることが出来た。
終盤は、その橋下のポイントをこまめに移動した。ここでは、良くアタリは出るもののカサゴのアタリが殆どだった。しかし、たまにはアコウが当たってきたので、気を抜けなかった。隣のT一氏は、この橋の下のポイントに来るまでアコウボーズ…、しかし、釣り方がわかったのかこのポイントに来て3匹ゲットして、全員ボーズなしとなった。
14:30頃、船頭から15:20頃に沖上がりするとのアナウンスが流れた。私は最後まで気を抜くことなく頑張り、終了直前にアコウを一匹追加した。結局、数は目標をクリア出来たものの、2桁には届かなかった。しかし贅沢な目標である。15:20にアナウンスが流れて長い一日が終わった。
結果、私がアコウを8匹、真鯛1匹、メバル2匹、ワニゴチ2匹、ガシラ少々、毛糸先生がアコウ5匹、真鯛1匹、ガシラ少々、成金竿男がアコウ3匹、真鯛1匹、ガシラ少々、T一氏がアコウ3匹、ガシラ少々という釣果であった。アコウを狙いに行って全員ボーズなし…明石海峡では考えられない釣果であった。
←左列の真鯛から上が私の釣果
この秀丸は、乗船時間が長く朝6時出船で16時帰港ということを途中で知った。16時まで…それで9,000円の船代は安いと思った。氷も港の所定の販売所があり、100円でクーラー一杯入れてくれる。今回掛った費用は、船代9000円、餌代1500円、ガソリン・高速代15,000円(一人5000円)、合計一人当たり15,500円でボーズになり難いアコウ釣りに行けることが分かった。明石海峡周辺の釣り2回を1回にするだけで、期待値がまるで違う釣りが楽しめることが出来る。船が港に着くまでに、27日にもう一度行くことが全員一致で決まった。
釣船までの距離が短くなった分、19:30に帰宅することが出来た。帰って早速、刺身と煮付けを作って食べた。明石で釣れるアコウと味は変わらず、とても身に味があって美味しかった。こんな釣りを知ってしまうと、更に明石海峡周辺の釣りから離れてしまう。人生あと何年生きられるかわからないが、賢くなって良い思い出をたくさん作ろう。