2014年11月29日 鳴門の真鯛①

鳴門橋

この29日は、仙正丸にタチウオ釣りに行く予定にしていた。今年、まだタチウオ釣りに一回も行っていなかったので、一度は行こうと思っていたからだ。その一週間前に毛糸先生から予約を入れてもらったところ、既に満船になっていた。人気の無い船はガラ空きなのに、この仙正丸の人気は凄い。暇で時間があったので、何が要因なのか近隣や関東、広島の釣船について、サービスの比較表を作って比べてみた。

分析したのは、同じ釣り物について出船から帰港までの時間と料金から計算した時間単価、エサが付いているか、駐車場の有無・費用、中乗りが居るか等…。複数の船について一覧にすると、各釣船において一回釣行するのに船代以外に最低いくら費用が掛かるかや、そのサービスの内容についての良し悪しが顕著に出てくる。皆さんも一度確認してみたらどうかと思う。人気の実態と比例していることが良く分かる。関東や広島の船も同時に比較してみたが、関東は色々とサービスが濃厚、広島はポイントが遠いためか共に関西よりか高かった。但し、地域内ではそんなに差は無かった。

他の船に行こうか迷ったが、毛糸先生から「確認したら鳴門のタイの乗合が空いて居る」という連絡があった。しかも、ビニールのサビキで釣れているということなので、29日は鳴門に行くことに決まった。29日は天気予報がかなり前から雨だったためか、空いていたようである。去年の暮から眠っていた鳴門の仕掛けを出して準備した。前日に毛糸先生が出船の最終確認を取ったところ、エビ餌でタイカブラのような仕掛けで釣るかもしれないので、道糸PE1号のタックルも持って来てくれとのことであった。経験上だいたい仕掛けについて予想出来たので、グラストップのカワハギ竿にPE1号を巻いたリールを用意した。

お客が少ないとは思えなかったので、場所取りの意味で私の家を4時ぐらいに出発した。阪神高速から明石海峡大橋を渡り更に大鳴門橋を越えたところで高速を降り、亀浦漁港に5時頃到着した。途中、雨が強く降っているところや、明石海峡大橋を渡る時から南寄りの風が強く吹いていることがわかった。駐車してすぐにクーラーを置きに行ったのであるが、トモの両端に2個置かれているだけであった。とりあえず我々はミヨシの両端に座ることにしてクーラーを置いた。結果となるが、この日は我々を含めお客は4人しか居なかった。

6:30頃に船頭が来たので、今日はどんな釣り方をするのか聞いたところ、まずはサビキからスタートすることが分かった。私は船頭に何色のビニールが良いのか聞いたところ、赤色が良いということで赤色のビニールを頂いて鈎に刺した。そして出船…、この漁港から出船する船は、港の外で一度全ての船が集まったところで各自ポイントに向かって出ていくような出船の仕方をしているように思える。鳴門丸は港を出て少し沖に出たところで東向きに進路を変えて、魚探を見ながらポイントを探していた。色々と移動しながら確認しているようだが、コレといったポイントが見つからないようである。

結局、初投入することになったのは、鳴門大橋西側近くのポイントであった。今まで4回ぐらい鳴門に来たが、必ず毎回来た時にやるポイントである。しかし、誰にも釣れずポイントを移動した。そして3箇所目ぐらいとなる港のすぐ前のポイントで結構アタリが出た。私は赤以外に、去年の実績から白のビニールを2個付けていたのであるが、一匹目は白に掛っていた。

毛糸先生にも白で釣れたことを伝えると、毛糸先生も白に良く当たるが、今日はすぐに離してしまうことが多いと言っていた。食いが良い日は、必ず噛みに来ると続けて食い込んでくれるのであるが、この日はすぐに離してしまうことが多かった。私も数回そのようなことがあった。逆に釣れる時は、いつもの「コンコン」が続いた後、クックックと竿を絞り込んで行ってくれるアタリが出て鈎掛りしてくれた。

この日は相対的に小型ばかりであった。40cmを超えるような型は見受けられなかった。港の前のポイントでは、一流しに一回ぐらいはアタリがあったのに、船はポイントを移動した。そして行く先々で魚探を確かめては更に移動を繰り返した。毛糸先生と「遊覧船やなあ、どうせなら渦潮が見たいなあ…」と苦笑いした。そして何箇所か気配がありそうなポイントで仕掛けを下したが、結局何も釣れないまま時間が過ぎて行った。11時頃、船頭も仕方なくエサ釣りをすることを決意して、仕掛けを配ってくれた。

カブラ

用意して来たカワハギのタックルにリーダー4号を付けて、カブラのようなオモリに糸を通し、鈎の付いたサルカンを結ぶと準備完了。リーダーの途中に30cm程の枝鈎を付けると、その鈎にも釣れることがあるとの指示があった。私は過去に、同じような仕掛けで釣りをした経験があり、この釣りでは枝鈎が有効なことを知っていたので、指示通りクレン親子サルカンを付けて枝鈎を出した。ただ鳴門ということで、海底の地形や流れがわかっていなかった。

一投目、約60mほどで着底し糸が止まった。糸ふけを取り、カブラを海底から持ち上げて再び海底に落とすという動作を繰り返す。だいたい駆け上がりを流していたので、初めは深く段々と浅くなってくるポイントであった。そのためカブラをちょっと高く持ち上げながら釣らなくては、底を引きずってしまい、根掛りを誘発してしまうようになる。わかっていてもひと流し目、根掛りしてカブラを失った。

一流し目はアタリも無かったので、根掛りしてしまったのであるが、次の流しからは、究極の入れ食いが始まった。着底後、カブラを底から持ち上げるまでに「コンコン」とか何やら違和感を感じる前触れがあり、持ち上げるとアタリが来ることが予想出来た。グクッと押えることが多く、その時にスプールを押さえて大合わせを入れる。竿が短いし水深もあるため、中途半端なアワセでは鈎掛りが甘くなるのでそのように合わせた。

掛け合わせるとさすが鯛である。コンコンと顔を振りグググッと突っ込むのであるが、竿が短いしPEの糸なので、動きが手元までリアルに伝わってくる。これは面白い…、何でもっと早くからこの釣りをさせてくれなかったのかと思った。潮とポイントのことはわかっていないが、一時は入れ食いであった。他にワニ鯒や銀フグも釣れた。この釣りをわかっている私は入れ食いであるが、初体験の毛糸先生は悪戦苦闘のようで、アタリが無い、アタリがあっても合わせるタイミングがわからない…と言っていた。

ただ、この釣りで釣れるマダイは小型中心であった。鳴門丸のホームページで過去の釣果を見た時に、エビ餌で釣った時の写真も、小型が殆どであった。それでも30cmクラスが食って来た時の引きは、かなりの強さがあった。約2時間の釣りであったが、私は、マダイをこの釣り方で13匹釣り上げることが出来た。逆に毛糸先生は2匹しか釣れなかった。これは慣れの問題だと思った。

釣果

丁度根掛りしてテンヤを無くした時、もう14時ということで沖上がりとなった。このカブラ釣りは、今年から始めたと言っていた。ただ、エサのエビが手に入らなければ釣りが出来ないので、年末頃は出来ないと言っていた。結果、私15匹、毛糸先生9匹であった。この度は、型の良い鯛をゲット出来なかった。この日はどこの船も釣れて居なかったようである。

実は、12月28日と30日の鳴門丸の仕立てを2ヶ月前に押さえていた。昨年良い目にあったし、この頃に近隣の釣船に行っても、これと言って価値のある魚が釣れないからだ。事前に検討した結果、行くなら広島か鳴門ということになり、出船予定から広島のウマヅラは日程が合わず断念し、鳴門の真鯛に決まった。好きそうなメンバーに声を掛けたところ、参加者が早々と決定した。

テンヤとカブラ

← 所持しているテンヤとカブラ

左の写真は、鯛釣りのテンヤとカブラである。①~③がテンヤで関東の釣船に行った時に買ったものだ。ちょっと大きめの冷凍の海エビをメインの鈎に刺し、孫鈎を更に別の部位に刺す。タックルは、鉛を鋳込んだ天秤の下にハリスを取ってテンヤを付けて釣る釣り方であった。④はどこで買ったのか忘れたが、関西のエサ用のカブラである。今回の鳴門のものよりそれらしい仕掛けだ。⑤は40年ほど前に、須磨の岡田釣船で手釣りて使っていたカブラである。真鯛は釣ったことが無いがカサゴやキビレチヌ、アイナメを良く釣った。夏にはアコウやスズキも釣った記憶がある。

今年もあとひと月となった。今年はマアジ以外、良かったと思える釣り物が無かった。今年のメバルは昼も夜も過去最悪であった。このままだと、釣船の釣り物の選択肢からも消えそうである。自然の回復力以上に乱獲し過ぎているように思える。東京湾のように、釣船の組合を早く立ち上げて、禁漁期間や放流活動をしなければ未来は無くなることになるだろう。釣り人は、行く釣船を選択出来るが、釣船の業者はそこで経営しなければならない。何もしなければ、更に悪くなるだけである。本当に早く行動すべきが私の提案である。