毎年恒例、何より一番楽しみにしている広島遠征の日が来た。今回も2ヶ月ぐらい前にメンバーの確定、釣船予約と交渉、ホテル予約を行った。今回は調整の結果、固定3人と中鹿丸で知り合ったT川氏(ニックネーム:おにぎり男)の4名で行くことになった。今回は、あいにく天気予報が2日とも雨であった。
前日は、会社を定時で脱出して帰宅、晩御飯を速攻で食べ、風呂に入って20:30就寝、そして0:15に起きて、クーラーに餌の冷凍エビとドリンクと氷を入れて、毛糸先生の到着を待った。
1時前に「もうすぐ到着する」との電話があり、荷物をマンションの1階まで運んだ。ウマヅラ釣りだけなので道具は知れているが、発送用の発泡スチロールやホテルでの着替えと靴も持って行くので、どうしても荷物が多くなる。1時丁度頃に車が到着し、荷物を積込み出発した。次にJR六甲道で金魚さんを拾い、おにぎり男の家へ向かった。おにぎり男の家は、私が通っていた高校のすぐ側で場所は熟知していた。1:20頃に家まで行くと家の前で待っておられ、すぐに荷物を積込んで出発した。
山陽道に最短で乗れるルートを考えて阪神高速から入り広島を目指した。この日は出発する頃から「雨」であった。今まで7,8年釣行しているが、雨の出発は記憶にないということで、「おにぎり男は雨男と違うか」という話題になった。今回の釣行で釣れなかったら、そのように言われても仕方無い…と言っていた。車は雨なので無理せず走り、5:20頃に乗船場に到着した。
廿日市港の乗船する桟橋から何隻の釣船が出るのかしらないが、待っている間に5,6隻の釣船が出港して行った。6:20頃に美咲丸が横付けし乗船が始まった。今回我々4名は右舷のミヨシから4名座るように指示された。この船はたいてい船尾から流す。今回初参加のおにぎり男に4番目の釣り座に入ってもらい、前から私、毛糸先生、金魚さんの順に座った。6:30頃に出船、パターン通りだと山口県の屋代島東端辺りのポイントに行くことが予想され、やはり一番最初のポイントはその辺りであった。
エンジンがスローになったところで皆さんキャビンから出て準備を開始、私は竿に糸を通してきているので、準備が一番早く終わっていた。最初のポイントは、何時来ても良型のウマヅラが良く釣れる場所であり、今までに何回も良い目に合っている。暫くして準備が出来たところで釣り開始、「20mです」とのアナウンスに合わせて棚を決めた。緊張のひと流し目、朝は食いがいいのではっきりとしたアタリが出た。一匹目をバラすとその日一日良くバラしてしまうので、慎重に玉網で掬った。その後、アミエビの底カゴを付けているお客が多いためか、食い気が更に上昇し、放り込めば確実に食って来た。しかも今年は型が良かった。昨年は相対的に30cmを下回る型が多かったのであるが、今年は平均30cm前後の型が揃った。
私はスタートダッシュの1時間に22匹のウマヅラをゲット出来た。これだけ釣れただけでも満足であるが、広島ではこんなものではすまない。食いが落ちてくると船は別のポイントに移動した。その間20分ほどの間に発送のための処置をした。このウマヅラは出来るだけ早く内臓を取り除かなければ、内臓の臭い(アンモニア臭)が身に移ってくる。首の動脈にナイフを入れて絞めた後、肛門からナイフを入れて腹を開け、そこから内臓を引っ張り出して除去する。この処置をすることにより、魚が臭くなることはない。
処置が完了して暫くすると、2つ目のポイントに到着した。このポイントも昨年は小型ばかりであった記憶が残っている。釣れる棚が35mぐらいと深く、上げ下げに時間が掛る場所なので、型が良くないとやっていて達成感が出ない。しかし今年は違っていた。掛ってくるウマヅラの型がこのポイントも良かった。穂先から仕掛けの鈎先までを張っている状態にしていると、じわっと穂先が入って行くようなウマヅラ独特のアタリが連続して数を伸ばして行った。
この度は良く釣れたので、ガイドを「トルザイト」に替えたことによる差異が良くわかった。まずは持っている竿が軽くなったと思えた。このことは、替える前後のガイドの金属部分の量を見るだけで顕著に出ている。次に数を増やしたことによるものか、感度がアップしたように思えた。エサをかじっているガリガリという様子が、穂先に出ていないのに良くわかった。最後にアタリの表現力がアップ、毛糸先生も同様に付け替えたのであるが、今までに分からなかったアタリが分かるようになったと言っていた。感度を要求する釣りには適しているガイドなのだと思った。今後はアオリイカの竿も付け替えてみる。
2つ目のポイントを終わった段階で40匹近くになり、型がいいので27リットルのクーラーもそろそろ満タンに近づいていた。3つ目のポイントは、沖屋室大橋が間近に見えるポイントだ。このポイントの時間頃からアタリがもう一つはっきりしないようになってきた。釣れるのは釣れるのであるが、並んだ4人全員が魚を掛けるというような状況が無くなってしまった。
その後も何箇所かポイント移動したものの、ポロポロと釣れる程度で盛り上がる状況の無いまま14時前に沖上がりとなった。船頭さんは、まだ途中の段階で私のクーラーの写真を撮っておられたが、最終的な釣果が左の写真となった。私は54匹、おにぎり男44匹、毛糸先生39匹、金魚さん38匹であった。但し、去年と違い殆どが30cm前後の良型であったため、匹数がそこそこでも充実な釣果であったことは確かである。2日間の釣行1日目の魚は宅急便で送ることになる。船が帰路につくと、私は送り先の方が簡単に食べれるように、更に皮ムキとエラの除去を行った。丁度この時間は雨が強く降った。釣りをしている時は、幸いにしてショボショボぐらいであったので、釣りには支障が出なかった。
港に帰港した時は雨が降っていた。発送の準備を雨の中でやるのはちょっと辛いので、クロネコの営業所まで行ってやることにした。この営業所は、昨年ホテルに行く途中の道でたまたま発見した。営業所に到着後、各自用意してきた容器に魚と保冷剤を入れて受付てもらった。私は、伝票から包装するための準備を仕込んでいたので、あっさりと発送が終わってしまった。他の3人は、手慣れていないのか結構時間が掛っていた。
営業所を出てホテルに向かう車中では、今日の釣果が良かったことについての話題ばかりであった。特におにぎり男は初参加であったが44匹釣れたことが、今年一番の納得する釣りであったと非常に喜んでおられた。私が良く「広島はええで、良く釣れるで」と言っていたことが、本当であったと感激しておられた。ただ、毛糸先生が2日間良く釣れたことは無いことを聞いて、明日も頑張ろうということになった。
ホテルに到着後、各自チェックインして18時にフロントに集合することになった。そして18時から今回も広島焼きを食べに行った。2年前はお好み焼き村に行った際、有名な「広昌」も誰も客が居ないような状況であったので、同じ時刻に行ってみると、行列が出来ている状態であった。そのため諦めて近くの店で広島焼きを食べた。そんなに美味しさの差があるとは思わなかった。
食事中もウマヅラ釣りの話題が絶えなかった。特におにぎり男は、こんなに良型のウマヅラをたくさん釣ったことがなかったので、本当に面白かったと言っていた。面白い…これは皆さん共通なことである。難しい釣物だけに達成感がより大きいのではなかろうか。簡単に釣れるのであれは、こんなに広島まで来るような魅力は無いと思う。
ホテルに戻る途中、セブンイレブンで朝飯を買って帰った。ホテルに戻った頃には、皆さん夜中走ったことと、良く釣れたのでクタクタになっていた。明日5:30にフロント集合ということでこの日は解散した。天気予報によると、明日は風か吹くように予想されていた。
「おにぎり男」の名の由来:出発時から奥さんが作ったおにぎり(7個)を車中でもぐもぐ、美咲丸を降りる時には、その7個全てたいらげていた。そして2日目、乗船前にコンビニで6個も買っていたらしい。その6個も降りる時には完食…。何でこんなにおにぎりばかり大量に食べるのか…ということで「おにぎり男」と決まった。