この数年、6月から7月にかけての大潮の土日に、西田のおっさんの船で鯛釣りに行くことが恒例となっている。去年はイマイチであったが、この頃に行くとだいたい安定した釣果を得ることが出来ている。この釣船に来る人も良く知っており、かなり早めに予約を入れなければ、希望する日を押さえることが難しい。今回の予約も1月に入れた。14日に状況を聞くと、今まで釣れていなかったが昨日ぐらいから釣れ出したとのことであった。
最終調整のため、金曜に電話して確認したところ、今日は船全体で、そんなに上手くないお客が20匹ほど釣ったとの情報に、更に期待が膨らんだ。早く出船した方が潮が良いということで、4時に明石港まで迎いにきてもらうことになった。また、通常は疑似餌で釣ることが多いのであるが、活きた海エビを鼻掛けしての餌釣りが良く釣れるということで、メンバーにもそのことを伝えて仕掛けを用意してきてもらった。
3時に毛糸先生が家まで迎いに来てくださり出発、3:30頃に魚市場前に到着した。既に他のメンバーは準備を済ませて待っていた。この日のメンバーは、毛糸先生、成金竿男、T一氏、W辺氏と私の5名、まずは出船前にじゃんけんして釣り座を決めた。たまたま私が一番になり、右舷トモに座った。4時丁度に西田さんが迎いに来てくれて出船、ポイントとなる岩屋沖を目指した。明石港を出た時はベタ凪であったが、西田さんによると東風により岩屋沖はウネリがあると言っていた。
15分程でポイントに到着、潮の流れを確認してすぐに釣りがスタートした。魚探を見てたくさん映りがあるとの情報通り、すぐに3人にアタリが出て取り込みに入ったが、何と3人とも痛恨のバラシ…。次の流しも当たって鈎に掛っているのに途中でバラシ。私も朝から2回連続でバラシてしまい、ものすごく慎重になってしまった。しかし、バレた原因を考えると、わたしは竿が長い(磯竿3号5.3m)ので、十分に合わせが出来ていないことに気づき、3回目のアタリからは力強く合わせるようにした。やはりこの策が良かったのか、その後は途中で外れることなく、取り込めるようになった。
始めの3流しほどの間は魚探に良い映りが出ていたようだが、すぐに潮が速くなり一瞬のうちに魚探から映りが消えてしまった。すると、正直なもので本当に釣れなくなってしまった。それでもたまに映りがあるところがあり、ポロリポロリと鯛が食って来た。特に毛糸先生が65cm程の大鯛を釣り上げたのには驚いた。この日は船頭が言っていた通りウネリが出ており、小さい漁船は揺れに揺れまくるような状況で釣り難かった。
余りにも食わなくなったので、船は明石海峡大橋の岩屋側ケイソン近くにあるポイントに移動した。ひと流し目私に鯛がヒット、磯も無さそうななだらかなポイントであったが、この場所で昨日良く釣れたと言っていた。しかし、その後の流しでは誰にも釣れず、更にケイソン近くのポイントに移動した。潮はかなり速かったので、この場所でホンマに釣れるのか?と思ったのであるが、さすがに漁師の判断は素晴らしい。
本当に潮が速いので、投入が少し遅れるとポイントを過ぎてしまうような状況の中、ちゃんと仕掛けが入ると鯛が食って来た。そして何匹か鯛が上がった後、私に強烈なアタリがあり、ドラグを滑らせて糸が出て行った。この掛った魚を取り込んでやろとスタンディングで竿を操るも、ウネリでどうしようも出来ない状況であった。やっとのことで船べりまで寄せてきて、幹糸を掴んで魚を手繰り寄せた。魚の正体は何と「ハマチ」、この時期に今まで私は釣ったことが無い。この一匹のためにヘロヘロになってしまった。その後、他のメンバーにもハマチが釣れて計4匹上がった。
このポイントも暫くすると釣れなくなったので、船は朝イチのポイントに移動した。しかし、潮の速さは変わっておらず、暫く釣ってみたが魚探に何も映らないため、岩屋港に入って休憩することになった。30分ほど休憩して再出船、朝のポイントに行ったが、やはり潮は速いままであった。そこで見切ってカサゴ釣りに行くことになった。この日の準備として、鯛、鬼アジ、カサゴの用意をしてきてもらっていた。
カサゴのポイントは、鯛の場所の結構近くですぐに到着した。昨年来た時は、大潮でも潮の緩い時間があり、カサゴが良く釣れたが、この日は潮がそんなに緩くならず、根掛りが頻発するような状況であった。私も何回か根掛りして切ろうとした際、少し竿が曲がったままの状態で引っ張った瞬間、「バキッ」と大きな音がして極鋭マダイのグリップ上から竿が折れてしまった。この竿、同じ部分で折れたのが2回目である。軽くて調子が好きなのであるが、2回も同じ部分で折れるとは、ちょっと信頼性が薄らいでしまう。
30分ほどカサゴを狙ったが、大したこともなく再び鯛狙いに戻った。朝のポイントに移動すると、丁度潮の方向が逆に変わった時であった。ひと流し目、私は仕掛けの投入が少し遅れてしまった。すると仕掛けが降りている最中にに他のメンバーにアタリが…。船頭から齋藤さんちょっと遅かったわ…、確かに釣れるチャンスを逃してしまった。その後は、すぐに潮が速くなって来たが、磯の上に来ると小型の鯛が食って来た。初めから根掛りしないような棚で持っていると、必ずと言っていいほどアタリが出た。しかし、釣れる鯛は30cmぐらいの小型であった。
そんな中、私に鯛ではないアタリが来た。アタリがあったのでガツンと合わせ巻き上げに入ってのであるが、引く時はかなり力強いのに、途中はフワッと軽く上がってくるのである。魚が見えて鱸だとわかった。美味しそうな肥えた鱸であった。12時頃になって、潮が更に速くなりアタリもなくなった。すると船頭から「15時ぐらいに潮が緩くなってくるが、それまで釣るか?」と聞かれた。しかし、みなさん何とかオカズは釣っていたし、船の激しい揺れで腰が痛くなっていたので、相談した結果帰ることになった。岩屋沖はずっとウネリがあったが、帰りの明石海峡はベタ凪であった。
明石港に入り、船頭に釣った魚をシメてもらった。シメると言っても、この船頭は神経抜きをしてくれる。その技術はさすがに上手く、かねてから一度教えてもらいたかったので、今回はやり方を教わった。尾びれの付け根から少し前の側線の少し上から金属棒を差し込み、骨の上部にある神経の通った管状の中を金属棒を通す技術である。何回かチャレンジするも、骨のある所はわかるのであるが、神経の通った所に棒の先が入らない。船頭が入れると綺麗に入り、棒を押し込むと魚は表面の色を変えてビリビとケイレンする。
齋藤さんは釣りは上手いけど、神経抜きはまだまだやな…と船頭から言われたがその通りだ。刺身にして残った骨を使い、どのように棒を差し込んだら上手く行くのか検証してみるつもりである。シメ終わって魚を並べてみた。鯛、鱸、ハマチと食べて美味しそうな魚が揃った。この日はそこそこしか釣れなかったので、自分で釣った魚を持って帰ることになった。私の釣果は、鯛6匹、はまち1匹、鱸1匹であった。ただ、成金竿男は小型一匹しか釣っておらず、毛糸先生から一番大きな鯛をもらっていた。あんなに大きい鯛は、正直言って美味しく無い。
今後の予約状況を聞いたところ、大潮の日はほぼ予約が詰まっているようだが、小潮の日は結構空いているようだ。小潮の日は、狙うポイントがちょっと深場になるが、良く釣れると言っていた。もし、この仕立船に行きたい人が居れば、このホームページ表紙にメールアドレスが書いてあるので、私宛に西田釣船に行きたいのことを伝えて下さい。西田釣船の連絡先とかお教えします。5人までで一日4万円です。明石港まで迎いに来てくれます。仕立てなので時間も相談が可能です。釣り物によりますが、原則船頭も釣りをしてくれて、船頭が釣った魚がもらえます。
ただし、貸竿はありません。手釣りの道具は借りれます。仕掛けも自分で持って行くように。ある程度腕の揃った釣人が、グループを組んで行くのがベストだと思います。