2013年12月7日 美咲丸のウマヅラ③

前回の広島遠征に行った日から約1ヶ月が経った。その間釣りに行っていないのかというと、ヘラブナの例会しか行ってない。行こうとしたが、11月前半の土日は天候が悪かったし、後半は行きたい釣船の予約が多かったので、良い釣りが出来ないと思い行くことを諦めた。

お客が多いと何かと被害を受けることが多い。特に初心者に適合しないタックルで釣られると、お祭りが多発して時間のロスが多くなり、「俺はお金を払って何しに来ているんだろう…」と思うことがある。乗合はそのリスクがあることを承知の上で乗船しなければならない。

11月24日は、天気予報が外れて好天となったため、アオリに行きたくなり、中鹿丸に連絡してみると13人とのことであった。13人はあの船ではちょっと多いなあ…、本当に行きたかったが色々と考えた上で諦めることにした。この「決断」が良かったことになるのか、悔しい思いになるかは結果を待つしかない。

結果は「諦めて良かった」であった。トップで1杯という最悪の結果であった。財布の中の7000円が「行かなくて良かったね、私も無駄にならなかったわ…」と微笑んでいた。この度の決断は良い方向に向いたが、逆のこともある。全員凄く釣れたという日で、行っていれは大漁になったと思われることもある。そんな時は悔しさが湧き上がるが、人生、自分の決断が全てを決めることになる。失敗しないためには、知る限り集めた過去の情報と「カン」しかない。

今のメンバー4人は、広島遠征が2回では済まないことがわかっている。広島は、ウマヅラがたくさん釣れるという期待を裏切らないからだ。前回の帰りにもう一回行こうということになり、その後、調整の結果12月7日に決まった。早めに決めて船頭とウマヅラだけで出てもらう交渉をしなくてはならない。美咲丸に予約の電話を入れると、ウマヅラだけで出てくれることになった。

エサ切り

12月7日、いつものように、午前1時に毛糸先生が迎いに来て下さり出発。毎度同じパターンで乗船場に5:10ぐらいに到着した。12月になり出船は7時に変わっており、早く着いたので1時間ほど車中で仮眠した。そして6:40頃に支度を済ませて桟橋に移動して船を待った。他に2つの乗合船が先に出船して行った。6:45頃に美咲丸が迎いに来た。我々はいつもの左舷ミヨシから4席に座るよう指示され乗船した。

皆さん乗船したところですぐに出船した。いつもと同じならポイントまで1時間以上かかる。その間、我々はエサ作りの時間となる。各自作った真空パックの海エビを解凍してハサミで切る。だいたい頭を取ったエビを100gずつにパックしているのであるが、良く釣れる日で300gぐらい使っているのが実態である。とりあえず2パック分のエサを切った。エサの準備はすぐに出来たが、船はこの日も1時間20分ほど走って、沖屋室島の前まで来てやっとエンジンがスローになった。

皆さんキャビンから出て準備に取り掛かった。私は竿に糸を通してセッティングしているので、すぐに用意が終わった。エサを鈎に刺して待っていると、暫くして「はい、35m」と釣り開始のアナウンスが流れたので仕掛けを投入した。仕掛けを下すと35mで丁度オモリが底に着いた。私は仕掛けの上の位置で棚取りしている。仕掛けが3mなので、水深は38mということになる。余り底に近いとベラが来ると思い、2m上げた棚を基準にした。

ボックス生簀

この日の活性は高く、ひと流し目から綺麗なアタリが出た。毎回そうであるが、朝は特に活性が高く大きなアタリが出ることが多い。この日も私からすると、ウマヅラ釣りとは思われないような大きなアタリが出て、しかも入れ食いとなった。こんな時は、一匹掛けた直後にゆっくり巻くと、周りに活性の高いウマヅラがたくさん居るので、追い食いしてくる。ダブル、トリプルが結構あり、数を伸ばすことが出来た。しかし、何故かこのポイントでは、私には中型しか釣れないのに、他の3人には玉網サイズが釣れていた。私は、この一つ目のポイントだけで40匹ほど釣ることが出来た。

次のポイントは、結構潮通しの良いポイントであった。30mの指示棚に合わせて下すと、このポイントも活性が高く、ひと流し目から活発なアタリが出た。下手にじっと待っているような釣り方をすると、一瞬で全てのエサが無くなってしまう。そのため仕掛けを棚まで下して仕掛けを張ると、絶対にアタリが出るという前提で竿を操作した。すると思い通りに仕掛けが張るとムニュと竿先に重みが乗り、素早く合わせると鈎に乗った。本当に釣れる時は、この動作の繰り返しとなる。大事なことは、「エサを丁寧に付けることと、一回刺して残ってきたエサも点検すること」である。エサの刺し方が悪いと、本当に鈎に掛らない。

成金竿男

左舷の我々4人は絶好調で、同時に4人竿が曲がることも多かった。船頭が魚探の映りが良くなってきたと言った後、たまたまか私に5連が発生した。私は、速攻のリズムで釣り続け、余程の型でない限り抜き上げた。毛糸先生は出端にバラシが連続したため、途中から水面で玉網を使い掬っておられた。このポイントで、毛糸先生が30cm級の石鯛を釣った。口の周りが黒くなった立派な石鯛であった。2つ目のポイントも少し食いが悪くなったところで移動となった。時刻は12時を回っていた。この時点で、シメてクーラーに入れた数は70匹であった。イケスには、持って帰って刺身にしたいのを6匹活かしていたので、76匹となる。あと1時間30分ほどあるので、80匹台は確実な状況にあった。

次のポイントは、屋代島の東端近くのポイントで、友香丸で行ったことのあるところであった。そのポイントには別の遊漁船が居たが並んで釣るようになった。見ていると、あちらの船は全員底カゴ撒き餌の釣り方である。ポロリポロリというペースで釣れていた。しかし、こちらの4人は、ポイントに入ると確実に食わして釣っていた。暫くすると、潮の流れがこのポイントに来た時と逆になった。

その後、潮が逆になっても映りのあるところに来ると、確実にウマヅラは食って来た。時刻はそろそろ14時を迎えようとしていた。すると「次で上がります」というアナウンスが流れて、次の流しが終わった時点で沖上がりとなった。最後にイケスのウマヅラをシメて、クーラーのフタを開けて積み上げた。80匹以上釣ったことは確実であったが、正確な匹数は数えていなかった。

てんこ盛り

実はこの日、普段は途中で実施する「皮むきと内臓除去」を実施していなかった。理由は、一回料理しなかったらどのぐらいの体積になるのか、自分でも確かめてみたかったからだ。すると当然、クーラーのフタが閉めれるなんてモンではなかった。船頭が、その山盛りに積み上げたクーラーを見て、環境破壊だ…と言いながら写真を撮っていた。自分もこのHPに載せるため写真を撮った。

← クーラーは、ダイワのイズム27Lです。

当然、家に持ち帰るためには「皮むきと内臓除去」を実施しなければならない。ポイントから港に戻るまで1時間はあるので、道具を片づけた後、皮むきからスタートした。中型は、頭を残すとクーラーに入り切れないので、キモが勿体ないが首から先を捨てた。数にして60匹分あった。残りの大型は皮を剥いて綺麗に内臓を除去した。全て完了するのに40分ほど掛った。そして最後に数を数えると91匹居た。

船頭も見て数えていたようだが、私が一流しでバラシたりエサを完全に取られたりして釣れなかったのは、5,6回だけだったと言っていた。その認識は私も同じであった。全体的に型はちょっと小ぶりではあったが、私91匹、毛糸先生51匹、金魚さん51匹、成金竿男44匹という結果に終わった。

帰りの車中は皆さん明るかった。相対的に良く釣れたからだ。全員の魚の数を合わせると、何と237匹になる。行きと同じく帰りの山陽道も渋滞は無く、自宅には20時頃に帰ることが出来た。帰ってすぐに刺身と煮付けを作って食べた。広島で釣れるウマヅラは、明石海峡で釣るものと味は変わらなく美味しかった。

一服して美咲丸のHPを見ると「神戸のS氏が神業のような…」と釣果を掲載していた。しかし、その横には、石鯛を持って写された「偽装釣果」が掲載されたいた。成金竿男は毛糸先生からプレゼントしてもらった石鯛を持ち、写真を撮ってもらっていたのであった。これはウソの釣果であることを内部告発します。

このところ、アオリイカも完全に終わってしまったので、タチウオに一回行こうということになった。14日に釣れていたら行くことにしよう。