今年の一大イベントである広島遠征だ。先々週は、日帰りでの「練習」であり、今回が「本番」である。船、ホテル共に2ヶ月以上前から計画して予約していた。広島の釣船は、ウマヅラとアジやイサギなどとのリレー釣りのパターンが多い。そこで我々が行く時は、船頭と事前に交渉してウマヅラだけで一日通すようにしてもらっている。今回お世話になった美咲丸と友香丸は、快く受け入れてくれた。
いつものように、2日の午前1時に毛糸先生が迎いに来て下さり出発。六甲道駅で金魚さんを拾って成金竿男の家へ、そして高速に入って山陽道を広島に向け走った。今回からは、前回地元の方に教わった最短ルートで行くことにしていた。五日市インターで降り、教えてもらった一般道を走るルートだ。今回は前回帰りに通った道を逆に走った。このルートを通ると、確かに近くなったし、道が良くて分かりやすかった。近く行けた分、同じ時間に出発していたので、乗船場には5時ぐらいに到着した。出船は6:30なので、車の中で待つことにした。
出船が早い船は、桟橋から5:20頃には出船して行った。我々は、6:30出船ということで6:15頃に桟橋に移動した。6:20頃に美咲丸が桟橋に横付けされ、他のお客さん達と一緒に乗船した。我々の釣り座は前回と同じく、左舷ミヨシから4席と指示された。全員が荷物を積み込んだところで出船、いつものように屋代島の東端か片島辺りのポイントに行くものと思っていた。
出船して1時間程で屋代島の東端を通過して進路を西に取ったので、皆さんそろそろ支度するのだろうと思い、キャビンから外に出て来た。しかし、船は止まる気配を見せずに更に南西方向に走った。待つこと20程で大水無瀬島の側に来てやっとエンジンがスローになり、一斉に準備が始まった。時計を見ると8時前、家を出発して釣り開始まで何と7時間が経過していた。
本日のタックルは、ロッド:がま船・うまづらはぎ3.3m、リール:ステファーノ200、道糸:ソルティガセンサー1号、先糸:フロロ4号、仕掛は、幹糸4号でハリス3号、鈎はカワハギ王の7号6本鈎である。今年のメバル釣りからリールをステファーノに替えたのであるが、とても軽くてウマヅラ釣りが更に楽になった。餌は、明石の魚の棚で仕入れた川津エビで、丁度良い大きさのエビを、真空パック冷凍した物を使った。
だいたいの準備が整ったところで、「はい、38mです」のアナウンスがあり釣り開始となった。これだけ遠くまで走ったということは、デカイのがたくさん釣れるからだろうと勝手に確信していた。ひと流し目、棚まで下して糸を張った瞬間、穂先がオモリの重さによる曲がりよりだいぶ曲がった。ええ…アタリかな?と合わせてみたところ、やはりアタリだった。但し、魚が掛ったものの、何となくその引きからサイズがわかる。そんなに大きなサイズでは無いとわかっていたが、釣り上げてみると、やはり23cmほどの小型であった。
周りも30cm以上のウマヅラが釣れず、殆どが25cmぐらいで、中には20cm程の小型も居た。入れ食いではあるが型が小さいので、広島まで来ていることを思うと満足感が出ない。しかし、食いは恐ろしいほど良く、指示棚付近では20号のオモリを止めてしまうほどであった。我々4名の竿は曲りっぱなしの状態に…、一時間ほどの間であったが、ダブルも頻発して私はこのポイントで32匹釣ることが出来た。毛糸先生もこのポイントで29匹ゲットされていた。
次のポイントは屋代島のすぐ前辺りに移動したが、魚探に映りが出ていないようで更に移動した。「20分ほど走ります」というアナウンスが流れたので、その間に釣ったウマヅラの皮剥きと内臓除去作業を実施、32匹の処理が完了した。次に来たポイントは、片島のすぐ沖であった。20mぐらいのポイントで、一流し目からアタリが出て中型が食って来た。同乗者の撒き餌カゴの効果も出たのか、その後は入れ食いになった。このポイントでも型は小さいものの、はっきりとしたアタリが出て、数を稼ぐことが出来た。
時間が経過すると食い気が無くなってきたので、すぐ近くの灯台がある磯の側にあるポイントに移動した。このポイントは、昨年釣行した際も先々週も、大型が良く釣れたポイントである。しかしこの日は、他の遊漁船が、何とイカリを打ち船をポイントの上に固定して釣っていた。さすがに美咲丸の船頭も怒ったのか、その船頭にイカリを打ってはダメだとマイクで一喝していた。イカリを打つことは、どうもルール違反のようである。近くを流した時に、私はこの日初めて玉網を使うサイズをゲットすることが出来たので、もっとこのポイントで釣りたかったが、船頭は別のポイントに移動した。この時点で時刻は12時を回っていた。
新しいポイントは、潮通しの良い島と島の間であった。海面を見るだけでも潮流が結構速く流れていることがわかった。こんな速い潮でも釣れるのかな?と思ったが、このポイントは食って来た。しかも良型揃いである。当然ポイントの上をすぐに通過してしまうのであるが、ポイント上で棚が合っていると、絶対というほどアタリが出た。後は釣り人の腕だけである。
30~38cmの良型が連発し、やっと「広島サイズ」が釣れる状況となった。毎流し確実に鈎掛りさせる事は出来るのであるが、100%取り込むことは出来ない。他のメンバーはアタリが出ない…と言っているものの、餌はちゃんと取られていることからして、アタリが分かっていないだけである。大型は警戒心が強く、釣り荒れているポイントでは大きなアタリが出ない。しかし、食っている時に合わせれば鈎に掛ることは間違いない。
いつも車中で話題になるのが「その日のアタリのパターンと取り方」である。ウマヅラ釣りでは、アタリが分からなければ釣ることが出来ない。その日の天気や水温、ポイント毎に異なることが多い。自分の経験か、何か実験して、自分なりのパターンを掴むしかない。わかるまでには、何より時間と経験が必要である。
このポイントで1時間30分ほど釣らせてくれた。潮が速くワンサイクルに時間が掛るため、そんなに数は伸ばせなかったものの、私は大型ばかりを2桁釣ることが出来た。13:45に「次の流しで終わりにします」というアナウンスが流れ、流し終わったところで沖上がりとなった。この日は前半中型が良く釣れたので、ちょっと不満が残るが、私は68匹、毛糸先生49匹、成金竿男39匹、金魚さん26匹という釣果に終わった。数からすると良いように思うが、広島で当たり前と思っている良型が少なかったように思えた。
我々の釣り方が認められたのが、この日の右舷前方のお客さんのタックルを見てビックリ。がま船「うまづらはぎⅡ」や、私と同じ3.3mで釣られており、刺し餌も冷凍の海エビを使われていた。ただ、見えた3人のリールがみんなシーボーグ150S…、何でウマヅラ釣りで電動なのかという疑問が残った。
船は高速であるが、1時間ぐらい走って15時頃に廿日市港に帰港した。陸に上がった後は、皆さん宅急便の準備となった。各自2,3箱のスチロールを、すぐ隣にあるナフコで購入して魚を詰めていた。そしてホテルに向かう途中、たまたまクロネコの配送センターを発見したのでそこから発送した。前回まで使っていた営業所は、結構南にあったので、どこか近くにないものかと思っていたので見つかって良かった。
16:30頃ホテルに到着したので、フロントに駐車場は空いて居るか聞いたところ、ラッキーなことに空いて居り止めることが出来た。一昨年は一杯で近くの駐車場に止めることとなり、ちょっと不便を感じていた。夕食は、みんなで広島焼きを食べに行った。知り合ったTさんに聞いた店を探してみたが、わからなかったので、情報誌に載っていたホテル近くの「越田」に行った。18時からの開店であり、たまたま18時に店の前に行ったので、待たずに食べることが出来た。10分ほどで満席になり待ちが出る状況になっていた。もっと有名な「八昌」は、途中で見えたのだが、店の前に30人ぐらい行列を作っていた。
ここの広島焼きには、お菓子のエビ天が入っていた。焼き上がるまでにホルモンとカキの鉄板焼きを頼んで食べた。カキは冷凍の物を使っていたが、結構美味しかった。夕食後、ホテルに戻り私の部屋でウマヅラの造りを作って食べた。料理の途中、まな板が滑って自分自身の人差指を刺身にしてしまった。大量の血が出て参ってしまった。包丁は、良く研ぐと良く切れるが、人間も良く切れるなあと実感した。バンドエイドの水に強いタイプを貼って、翌日の釣りは難なく出来た。明日は友香丸、どうも天気が良くない予報であった。