釣友の毛糸先生と「年に1回は西田のおっさんの船で鯛釣りに行きましょう」ということになっている。しかし、昨年からは鳴門にも行くようになったので、「鯛は明石」という概念が薄くなってしまった。そのため、去年は正月に予約を入れたが、今年は2ヶ月ほど前に予約の電話を入れることになった。潮を見ると、大潮の一番速い日で、土日となると6月23日しか無かった。空いて無かったら今年は行くのを止めるつもりで電話してみたところ、たまたまその日は予約が入っておらず、予約することが出来た。
2週間ほど前に状況を聞くと、今年は何年かに一度の悪さで、鯛が釣れていないとの状況であった。本当に今年は例年より良い釣り物がない。どこの釣船も今はタコがメインで、キス釣りを少しやるのがパターンとなっている。そして前日に最終確認の電話を入れると、今日は2人で9匹鯛が釣れたということであった。この情報を聞き、何とかボーズを免れるのではないかと思った。
出船は出来るだけ早い方が良いとのことで、明石港に4:15に迎いに来てもらうことにした。この日のメンバーは毛糸先生と成金竿男と3人であった。仕立てなので人数が少ないと高く付くが、広々としていているし、好きな釣りに行ってくれるのが魅力である。この日は、鯛⇒タコ⇒ガシラというプランとなった。
3:30頃に毛糸先生が家まで迎いに来てくださり出発、4:05ぐらいにジャリ置き場に到着した。既に成金竿男の車が止まっており、我々が到着すると車から出てきた。暫くすると西田のおっさんの船が港に入ってきた。携帯で港のどの辺りに居るか説明するも、何か違う方向に行くので、再度携帯に電話して乗船となった。乗船すると船はすぐに岩屋港を目指して走った。
10分ほどで到着するので、その間に支度を済ませなくてはならないが、竿にリールをセットした状態でガイドに糸も通しているので、竿を継いで仕掛けをセットするだけである。後は電動のコードとバッテリーの接続を済ませると、準備万端となる。鯛のタックルは、極鋭マダイ360にシーボーグ150S、道糸PE2号で先糸フロロ6号、ミミイカの疑似餌5本鈎仕掛けでオモリは40号とした。
船頭は、ポイントに到着して魚探を見て「鯛が映っとるぞ」と言った。期待が膨らむひと流し目、毛糸先生にヒット…、35cm程の鯛が上がった。私と成金竿男、そして船頭にもアタリは無し。魚探には結構映っているのに、食い気が無いようである。そして3流し目に私と成金竿男にヒット、釣れたのは共に30cm程の鯛であった。次の流しは、私に大きなアタリが来た。掛け合わせると一気に底に走った。しかし、そこまで大きとは思えない引きであった。途中何回か突っ込みはあったが、難なくかわして水面まで引き寄せた。この日最大の50cm程のベッピンさんであった。
その次の流しは毛糸先生にヒット。ちょっと時間が掛っているなあと思っていると、上がってきたのは35cmと45cmの鯛のダブルであった。その後、数流しは誰にもアタリは無かったが、ある流しに仕掛けを入れて棚を取ったらすぐにアタリが出た。鯛は意外とポイントから外れたところでも釣れることがあるが、これだけ潮が速い時に釣れるのは珍しい。45cmほどの黒っぽい雄の鯛であった。その後は潮がどんどん速くなり、何回か流したが魚探から映りが消えたということで、タコ釣りに行くこととなった。鯛の結果は、私3匹、毛糸先生3匹、成金竿男1匹、船頭ボーズ…。
タコのポイントは西浦で、20分ほど走ったところである。このところタコ釣りの船がたくさん来て、浅いポイントでは釣り荒れてタコが居ないと言っていた。本日狙うのは、水深50~60mのポイントで釣るとのことであった。タコ釣りのタックルは、剣先80号にシーボーグ400、道糸PE2号にタコテンヤを使った。問題は付けるエサである。最近、豚の背脂とイワシかアジを縛り付けるのが流行っているらしい。私はまずは背脂とイワシを使った。
船がポイントに近づいてビックリしたのが、釣船の数の多さであった。船頭が釣り荒れるという意味が良くわかった。ポイントに到着して、予定通り少し沖合の深い筋で釣り始めた。流し出して暫くすると毛糸先生に1パイ目のタコが釣れた。1キロぐらいのまずまずの型であった。次は成金竿男にヒット、彼は電動では無いので、掛けてからの巻き上げが大変のように思えた。本人もこんなに深いところで釣るとは…とボヤいていた。
そして暫くしてやっと私にも1パイ目が乗った。テンヤが止まって重量感を感じたので、少し穂先を引っ張ったが動きが無いことを確認し、思いっ切りしゃくった。ズシっと重みが乗ったので電動のスイッチを入れた。重い…これを手巻きするのはしんどいだろうとカウンタを見る。50,40…水面までは時間が掛った。電動が止まったところで手巻きしてタコを取り込んだ。500gほどのタコであった。
どうもタコにもポイントがあるみたいで、釣れる所に来ると4人全員に乗るということが良くあった。船頭は手釣りで2本のテンヤを操りコンスタントに釣り上げていた。船頭はテンヤにアナゴの切り身を使っていた。イワシだと1,2回釣るとボロボロになって付け替えなくてはならない。そこで切り身をもらってイワシの代わりに縛り付けた。これが良かったのか、その後、タコ釣りが終わるまで、一つの切り身で通すことが出来た。9時を過ぎると潮が速くなり、周りにあれだけ居た船もいなくなった。我々もタコ釣りを終了し、カサゴ釣りに向かった。
20分ほど走って岩屋沖のポイントに到着した。142匹釣った日に最後に攻めたポイントである。タックルは鯛釣りのロッド・リールをそのまま使い、仕掛けだけカサゴ用に替えた。船頭はヤマを見た後、「やって」と言った。3人一斉に仕掛けを下すと、予定通りひと流し目から入れ食いとなった。オモリが底に着いたら、ほんの一呼吸の間を置いてオモリを持ち上げると、クックック…とアタリが出て電動のスイッチを入れる、簡単な釣りである。
我々が余りにも良く釣るので、船頭が仕掛やエサについて聞きに来た。毎日釣船か漁に出ているのに、カサゴは対象に釣っていないとのことであった。早速ビシマの先に仕掛けを付けて、アナゴをさばいてエサにしていた。すると船頭も好調にカサゴを釣り出した。明日の客にもカサゴを釣らせると言っていた。2時間ほど釣ると、皆さんバケツ一杯カサゴを釣っていた。
出船時刻も早かったし、鯛もタコも釣っているので11時頃に終了とした。結果、3人で鯛を7匹、タコ1人10パイほど、ガシラ1人30匹ほどの釣果であった。鯛もだいぶ肥えてきていた。カサゴも冬より肥えてきていて美味しくなっていた。乗合船であれば1種類の釣りしか出来ないが、仕立ては好きなようにアレンジ出来る。また来年、仕立てて来ようということで3人合意した。西田さん、宜しくお願いします。