久々に土曜日が若潮だったので、4月6日にカサゴ釣りを予定していたが、爆弾低気圧の影響で中止となってしまった。13日は2週間前に毛糸先生と、鳴門にマダイ・セイゴの乗っ込みに当ることを期待して予約していた。しかしこの2週間は、3月下旬にマダイとセイゴがパタパタと釣れたようだが、それ以降はメバルオンリーの釣果であった。しかも釣果の日付が毎日ではなく、間が飛んでいたので良く無いことは察しがついていた。但し、いつもそうだが自然は読めないので、当日はマダイが乗っ込んできて、大漁する夢を抱きながらの釣行となった。
6時前に出船ということなので、5時に亀浦漁港に到着することを予定し、3:45に毛糸先生が私の家に迎いに来て下さって出発した。高速道路はガラガラで、約1時間ほどで亀浦漁港に到着した。途中、T一氏と合流しており、3人でまずは釣り座を確保するため、船にクーラーを置きに行った。すると既に他のお客さんは全員来ており、空いている釣り座に座ることとなった。私と毛糸先生は、左舷のミヨシから2,3番目に座った。T一氏は右舷3番目に座った。この後、道具を積んで準備に取り掛かったのだが、とんでも無いことが起こるのであった。
この季節、5時を回ると夜も明けて電灯が無くても準備に取り掛かれる。私は釣り座で、さっそくメバル釣りの準備に取り掛かった。そして間もなくすると、船がエンジンを掛けたような振動を感じた。しかしブリッジを見ても船頭は居ない。おかしいな…もしかして今のは地震やったの?と思った瞬間、その辺りに居る人全員の携帯が一斉に鳴った。当然私の携帯も鳴ったので見てみると「緊急地震速報、震源地播磨灘」ということであった。船では横揺れは感じられなかったが、船を降りて頭上の高速道路の照明塔を見ると、風も無いのに大きくゆっくりと揺れていた。すぐに嫁さんからメールが入り、神戸でもかなり揺れたし、震源が淡路島の南部ということも伝えてくれた。更に会社の緊急安否確認もあり、返信を行った。全てが初めてのことであったので緊張が走った。
震源に非常に近いところに居たので、まず頭をよぎったのが「津波」、しかし、冷静に考えてみて播磨灘で大きな地震があっても、大きな津波は起こることは考え難い。すぐに毛糸先生の車に行き、テレビで確認しようとしたが電波が入らずラジオで確認した。震源地は淡路島南部で震度6弱、鳴門の辺りは震度5弱であった。津波の心配は、どうも無いようであった。こんな日にホンマに出船するのか、非常に疑問を持っていたが6時前に出船した。出船する前から、地震のあった日は釣れない事例が多かったため、みんな今日はアカンで…と諦めていた。
港を出て5分ほど走ったポイントで第1投、しかし、誰にも何も釣れなかった。船はすぐにポイントを移動、次は大鳴門橋の四国側の橋脚北側付近、急なかけ上がりがあり、カサゴが上がっていた。私は根掛りしたものの、メバルをゲットすることが出来てボーズから脱出した。ここもパッとしなかったので、船は橋を南下して別のポイントに移動した。船が数隻固まっているところがあり、その一つの付近に来ると旋回して魚影を探していた。仕掛けを下ろさせてくれるまで結構時間が掛かったが、やっと仕掛けを下ろせるようになった。
一流し目は誰にも釣れなかったが、2流し目に私だけまずまずの型のメバルが釣れた。しかしその後は誰にも釣れず、またまたポイント移動となった。この日地元の方は、前日にイカナゴ餌が良かったようで、グループでたくさん買って来て使っておられた。我々はシラサエビを用意して行った。結果的に我々(とは言っても私と毛糸先生)が大差でメバルを良く釣った。見ていると、はっきり言って餌の問題よりも、メバル釣りの技術に問題があるのではと私は思った。
この日は地震の影響で状況が良く無かったのか、かなりのポイントを移動した。その中で、一か所だけメバルが良く釣れるポイントがあった。水深40mぐらいから10mぐらいかけ上がってくるような地形で、その途中に6mぐらいに魚影が出ているとのアナウンスがあった。その魚影が出ているところかどうかは分からないが、毎流し釣れるようになった。しかもダブルで食ってくることもあり、ここで2桁を突破することが出来た。型も30cm近いのが2匹釣れ、マイ玉網で掬った。
その後、船は大橋より北のポイントに移動した。この船の船頭は、他の船が潮を読んで移動してから、結構後に移動するように思えた。要は良い潮で釣れる場所に行くのが、後手に回っているように思えた。操船も明石海峡の船頭からすると結構下手に思えた。何より同じ場所を流すにしても、2,3回ポイントをグルグル回って確認してから、仕掛けを下ろさせるようなことが殆どで、餌を早く付けてしまうと、実際に仕掛けを下ろせる時には、シラサエビが乾燥してしまっているようなことが多発していた。エビ餌ならまだマシな方で、イカナゴを使っておられる方の餌を見ていると、下せる時には、殆ど死んだ状態になっていた。あのような餌ではメバルは釣れない。
橋より北のポイントでは、数か所移動したが、結果的にどこも何も釣れなかった。こんな言い方は良く無いが、移動して時間を潰しているだけのように思えた。最後に船は、再び橋の南側の釣れていたポイントに移動した。このポイントでは、何故か良く釣れていたのにホイントを移動した。潮の加減かと思ったが、実際のところそうでも無いと思う。毛糸先生と何で釣れていたのに移動したのか?と愚痴を吐いていた。
流石にこのポイントは、船がきっちりと流れると釣れた。3,4匹追加したところで潮が緩くなり、このポイントもメバルが食わなくなった。毛糸先生が地元の方からもらったと言うイカナゴを一番下の鈎に付けると、カサゴが食ってきた。短時間に3匹釣った14時ぐらいに納竿となった。結果、メバル15匹とカサゴ5匹であった。
地元の方が、一昨年は一回の釣行で100匹以上釣れていたと言っておられた。去年も悪かったが、こんなに釣れないことは無かったらしい。今年は、明石海峡海峡に限らず、鳴門も状況は悪いようである。これからは、冬場はメバルを釣らないようにしなければ、このような状況が続くことになるだろう。
帰って夕食に、メバルのそのまんま塩焼きを作って食べた。鳴門のメバルは初めてであったので、どんな味か確認してみた。その結果、味は結構美味しかった。時期にもよるだろうが、ここのメバルは釣りに行ける。ただ、これぐらいの釣果で終わってしまう状況であるなら、行くことは無いであろう。
帰って夕刊を読むと、JRは止まっていたし、鳴門からすぐ近くの淡路島では建物に被害が出ていた。そんな状況の中で、何も気にせずに出船した船頭について、私個人としての意見であるが、本当に客の安全のことを考えているのか疑問を持った。津波は無いにしても、道路の状況とか確認して、客が帰れることを確認するなり、配慮が欠けているのではないかと思った。