昨年12月に広島からの帰りの車中で、鳴門では冬でも真鯛が釣れ、脂も乗っていて非常に美味しいと聞き、では今年の12月に一回行ってみましょうということになった。11月にスケジュールを調整し、15日に釣行することが決まった。私は鳴門が初めてなので、T一氏から仕掛けについて聞いたところ、幹糸4~5号で間隔は2mほど、ハリス3号で50cmぐらい、鈎は船頭仕掛けにはグレ鈎の7号が使われており5~7本鈎で、ビニールの擬似餌で釣っていると教えてもらった。当然そのような仕掛けは持っていないので、当日までに3セット準備した。
前々日、天気予報がかなり悪いと言っていたので、T一氏が「明日の19時頃に船頭に出船するかどうか聞いて連絡します」と電話してきてくれた。折角用意もしているので、はっきり言って行きたいと思っていた。しかし、天気だけはどうしようもなく前日を迎えた。17時頃に天気予報を見ると、夜中は風波が厳しいが、朝6時の時点では風も雨も収まるという予報になっていた。後は、船頭の判断だけになる。
行けるかどうかわからないが、支度をしておかなければならないので、定時過ぎに会社を脱出し帰宅した。だいたいの支度は済ませていたので、再度忘れ物が無いかチェックをした。19時頃に予定通りT一氏が電話してきてくれ「行くことになった」とのことであった。
毛糸先生によると、鳴門までは1時間ちょっとで行けるので、雨が降っているという前提で、余裕をもって4時に迎いに来てもらうことになった。そして当日、予定通り4時に迎いに来て頂き出発した。出発時点からあいにく雨が降っていた。途中、淡路島に入ってからはところどころで強い雨が降っていた。鳴門大橋の寸前でT一氏の車が我々の車を抜かして行った。毛糸先生はすぐに気が付き、私がT一氏に電話して鳴門インターチェンジから後ろを着いて行った。そして暫く走って亀浦漁港の駐車場に到着した。
到着した頃は、雨風がかなり強かった。とりあえず釣り座を確保するため、みなさんクーラーだけ持って船に乗り込み釣り座を確保した。私は右舷のミヨシを押さえた。その後は出船まで時間があるので、毛糸先生の車の中で情報交換をした。T一氏と毛糸先生は、先週、徳島の牟岐でイシガキをたくさん釣ったとの報告があった。私は、来週に中鹿丸で収録したスカパーの釣り番組が放映されるとを報告した。
色々な話で盛り上がったが6時になったので、船で釣りの準備をすることにした。そして6:30に船頭さんが来て、船頭のお父さんの船も出るので、何人かそちらに乗船して下さいとのことになり、我々3人はお父さんの船に移り出船することになった。
6:50頃出船、船は海峡より北に針路を取った。鳴門と言っても大橋より北と南のポイントがある。この日は北側のポイントで釣ることになった。港のすぐ前で釣ることもあると聞いていたが、初めのポイントは20分ほど走った場所であった。プーと釣り開始の号令が出て釣り開始となった。期待をこめての第一投であったが、誰にもアタリが無かった。2流し目もアタリは出なかったが、3流し目にT一氏にヒット、2匹掛かっていたが鯛が外れてサゴシだけが上がってきた。棚を聞くとオモリを底から1m切って持っていたとのことであった。
私もすぐさま1m切って持っているとすぐにアタリが来た。穂先が入ったのですぐに合わせたのだが、鈎に乗らなかった。船頭から合わせるのではなく、ずっとゆっくり同じ速さでリールを巻くだけで良い…と指導を受けた。初めての釣りなのでその意味が分からなかった。穂先が入るということは、鈎まで食っていると思っていたのだが、それが間違っていることにすぐに気が付けた。疑似餌が長いので鈎まで到達するには時間が掛かるのだ。すぐに心を入れ替えて鈎まで食わせる釣りに切り替えた。
すると次のアタリでは、ずっと同じスピードで巻き続けた結果、暫くアタリが続いた後、うまく鈎に乗せることに成功して40cm弱の真鯛を初ゲットすることが出来た。仕掛けにより色んな釣り方があるものだと思った。初めのアタリから鈎掛かりさせるまでは、この日だけでも色んなパターンがあったが、何より初めのアタリで鈎に乗るということは無かった。
朝の時合ではこの一匹に終わってしまった。ボーズは回避出来たものの、何か不満の残る前半戦であった。その後は何箇所かポイントを移動したが反応が無かった。そして西の岸近くのポイントに移動して数流しした際、私の釣り座が潮先となりアタリが出て一匹追加出来た。そしてすぐに仕掛けを下したところすぐにアタリが出て、何と小さいながらもダブルでヒットしてきた。次の流しを期待したが、何故かアタリは出たが釣れずにそのポイントの時合も終わってしまった。この時点で4匹であった。
これから後が暇だった。まずは亀浦漁港のすぐ前のポイントに移動したが潮の流れが速く、仕掛けを下すも潮が速くて底が取れない状況で、その後はウロウロするだけであった。そのうち携帯で情報をつかんだのか、海峡近くのポイントに直行した。到着して確認してみたところ魚探に映りがあると言っていた。仕掛けを下すとトモの釣り人にヒットした。私にもアタリが出るか期待したが、アタリは無かった。しかし反対側で釣っていたT一氏は、竿掛けに竿を掛けているだけなのに鯛がヒットした。しかも何故か船で一番大きい鯛であった。
何で真面目に巻き上げ釣りをしている人に釣れずに、怠慢置き竿に釣れるのか怒りを覚えた。しかし自然が相手だと、何が起こってもおかしくはない。その後はまたアタリが無くなり、何もない時間が過ぎて行った。最後となるポイントは亀浦漁港の前辺りであった。一流しだけアタリが出て数匹の鯛が上がった。私にもアタリがあって5匹目をゲットすることが出来た。次の流しに私にとって最大のアタリが出たが、鈎掛かりせずに終わってしまった。
殆どの釣り船が帰港してしまい、本日の終わりを告げるような状況であったが、結局14:30頃まで釣らせてくれた。釣れている時の延長は嬉しいが、これだけ釣れていない時のサービスは、逆にストレスと疲れが残ってしまった。結果5匹とマアジが一匹であった。
帰りは一時間ちよっとで帰宅出来て、すぐに一匹刺身にして食べてみた。やはり冬の真鯛は夏の物よりかなり脂が乗って美味しかった。娘の二十歳の誕生日が近かったので、カルパッチョを作ってステーキも焼いて、夕食にパーティーを開いて祝ってやった。今回は思っていたより大物は釣れなかったが、この時期の鯛は美味しいことが良くわかった。今度は1月にもう一度チャレジしたいと思った。