2012年11月24日 美咲丸のウマヅラ

計画していた一泊二日の広島遠征だ!練習となる前回の10月27日は、昨年と違い良型を41匹釣ることが出来た。しかも時期が早い割には結構キモが入っていたので、一か月後となる今回は、更に詰まって「キモパン」になっていることを期待していた。仲間も前回良く釣れたし美味しかったので、今回の釣行を楽しみにしていた。

広島には、ウマヅラ釣りに出てくれる釣船が数隻あり、今まで乗船した中で納得出来る釣りをさせてくれたのが、美咲丸と友香丸であった。そのことは、私だけで無く仲間も同じ認識であった。ただ、この美咲丸は廿日市市からの出船であり、神戸から行く広島の釣船では一番遠い場所となる。そのため、このところは車の運転のことを考えて一番近い友香丸に乗船していた。しかし、今回は一泊の釣りとなるため、久々に一日目は美咲丸に乗船することに決まった。

■ 24日、美咲丸のウマヅラ

石鯛

前日は祝日であったので、嫁さんと六甲有馬ロープウェイに乗って紅葉を見に行ってきた。雨は殆どやんでいたが、山の上は濃い霧で真っ白であった。しかし、霧の切れ目から見えた六甲の紅葉は、なかなかの美しさがあった。帰宅後、早めの夕食を取り、20時に寝ようとしたが寝つけず、結局21時ぐらいに寝た。そして0:15に起きて、紅茶を飲みながらインターネットで前日の釣船の釣果を見た。美咲丸はカワハギに行ってたようで、型の良いカワハギを釣っていた。中には30cmを超える物も釣れていた。

いつものように1時頃に毛糸先生が迎いに来てくれ、荷物を積んで次は金魚さんをJR六甲道で拾い、成金竿男の家に1:30頃に到着し出発となった。 今回のメンバーは前回と同じく、毛糸先生、金魚氏、成金竿男と私の4名であった。山陽道を走り今回は廿日市を目指す。道中2回休憩して、5:20頃に乗船場となる桟橋前の駐車場に到着した。出船は6:30なのだが、駐車場には結構たくさんの車が止まっていた。というのも、同じ桟橋からたくさんの乗合船が出船するからである。

6時頃から入れ替わり2隻の乗合船が出港して行った。美咲丸は3番目に来た。すぐに乗船して道具を前部に積み込みキャビンに入った。出港後は、ポイントに到着するまで仮眠した。この辺りの釣り船は、ポイントまで1時間以上走るからだ。その間30分ほどは寝ることが出来て、頭がスッキリとなった。7:20頃エンジンがスローになり、全員準備に取り掛かった。この日は、東寄りの風が結構強く、場所により波も高かった。

竿と海

だいたい全員の支度が終わったところで、25mの指示が出て釣り開始となった。そして一投目、下すとすぐにアタリが出た。かなり強い引きなので、スプールをフリーにして竿を起こしあしらった。引きからウマヅラでないことはわかっていたが、こんな引きは味わったことがなかった。慎重にあしらって水面に浮かせたのは何と石鯛。30cmを超える型で良く肥えていた。しかし、このポイントではウマヅラが殆ど釣れず、船はポイントを移動した。

美咲丸の行くポイントは、何故か中小型が居ない。釣れれば大型ばかりである。次のポイントは緑色の灯台の側で、過去に大型が入れ食いになった場所だ。このポイントは潮がぶつかりあっている場所で、この日は、風波とも強くアタリが非常に取りにくい状況であった。私はミヨシに座っていたので、その影響は尚更であった。しかし、今まで20年以上もの間、ウマヅラ釣りをしてきて最悪の状況でもアタリを取って釣ってきた経験があるので、私だけが入れ食いになった。要は、船が激しく上下しても、穂先を静止させて魚に餌を食わせる時間を作れば良いのだ。口で言うのは簡単であるが、かなりの経験が無かったら出来ないことである。

広島-3

他のメンバーはそれが出来ないので、殆ど釣ることが出来なかった。私が釣れていることについて、なぜ釣れるのかがわからないと言っていた。私が良く釣れているところを、近くに居た遊漁船が発見しポイントに割り込んできた。船は仕方なく別のポイントに移動した。私はこのポイントで短時間に9枚釣ることが出来て、絶対にプレゼントしたい人への宅急便の魚を確保することが出来てホッとした。その後、見ていてわかったのだが、美咲丸が移動すると、ポイントを知らない釣り船やプレイジャーボートが後をつけて来た。船頭もポイントを教えたくないのだろう、暫くの間仕掛けを下すことなくウロウロするばかりであった。

船頭は、仕方なくやりたいポイントに見切りをつけて全く別のポイントに走った。数か所回ってくれたが、どこも入れ食いになることはなく、盛り上がらない状況が続いた。また、この日は船尾からポイントに入る流し方のためか、トモは釣れてもミヨシではアタリが出ないことも結構あった。メンバーも余りに釣れていなかったので、その後の展開を心配していた。しかし、広島の釣り船は、こんな状況では終わらないと信じて釣った。

移動を繰り返しているうちに最後から2番目に入ったポイントは、他船が先に入って釣っていたがその船は殆ど釣れず、我々が仕掛けを下すと一流し一回ではあるが、トモからミヨシまでみんなにアタリがでるような状況となった。この場所で1時間ぐらい釣れ続き、何とか十分持って帰る魚を確保することが出来た。

時計を見ると12時を回っていた。この時点で私は15匹であった。最後のポイントとなった場所は、確か船井丸で来たと思う所であった。仕掛けを下すといきなり良いアタリが出て大型が釣れた。そしてその後、暫くは全員入れ食いとなった。このポイントは、磯場の近くで、見ているとそんなに潮が流れていなかったためか、長時間ポイントに居座る形となった。島の陰になり、アタリも取り易くずっと釣れ続いていた。但し、磯に近づくと水深が浅くなるため、決められた棚で釣っていると磯ベラが掛かってきた。

広島-4

何回か小移動して同じポイントを流してくれた結果、ラストの1時間ほどは本当に良く釣れた。 ダブルも1回あり、このポイントで14匹ゲット出来て、トータル29匹釣ることが出来た。数には入れていないが、何故かこのポイントで今まで釣ったことのない小型が6匹釣れた。食いも止まった14時に船頭のアナウンスで沖上がりとなった。メンバーの釣果は、トモに近かった金魚さんが31匹、毛糸先生24匹、成金竿男13匹であった。宅急便をするために船上で料理したのだが、期待通りかなり肝が入っていた。この肝の入りなら、受け取ってくれた方も喜んでくれることは間違いないと思った。

帰りにいつものクロネコの営業所に行き、本日の獲物を各自発送した。みなさん良く釣れたので2箱送っていた。ホテルに到着した後、暫く休憩してみんなで夕食に行った。今回は広島駅近くのホテルだったので、HPで探した結果、駅近くの「大福」という広島焼きの店に行った。18時頃に行ったのだが、混んでいて2階で20分ほど待たされた。この店は、正直に言って店内が綺麗とは言えない状態であったが、出された広島焼きは美味しかった。去年は「お好み焼き村」なるところで食べたのだが、この店と比べると値段が高かったように思う。

帰りに明日の朝食を、駅の地下で買い込みホテルに戻った。その後、本日釣った石鯛を浴室で料理して食べた。肥えていたし、やはり脂が乗っていて大変美味しかった。そのため、ついつい酒がすすんでしまった。すると疲れていたのか睡魔が襲ってきた。明日も大漁することを願い、目覚まし電話をセットして21時頃に就寝した。

翌日、友香丸の船長から「昨日、美咲丸で40匹ぐらい釣ったのですね、HPに写真が載っていた」と聞いた。帰宅後、美咲丸のHPを見ると「神業の如く…」と吹き出しに書かれていた。我々の釣りは、広島の方にとっては「神業」的な釣りに見えるのだろうか。