2012年9月14日 仙正丸のタチウオ

海峡

マアジ釣り も終わり、次のアオリイカやウマヅラが釣れ出すまで暫く間が空いてしまう。暇を持て余していたところ、たまたま何故か会社が平日の14日(金)休みということなので、このところ好調になってきたタチウオに行くことにした。前日の13日はトップ20匹ほどの釣果であった。

タチウオのポイントへは、須磨港からが一番近い。どこの港から出船しても行くポイントが同じなので、何より一番長い時間釣が出来る船が徳と言えば徳である。後は船頭さんのポイントの見極めと流し方である。釣りをしていて、自分の道糸が垂直にならず、あっちに斜め、こっちに斜めになるような釣船では、必ずお祭りが発生し、高価な道糸が途中カットされたり、解くのに時間が掛かって一体何をしに来ているのかわからないということになる。

最近の大型船は「ドラフター」という船体の横にスクリューを備え付けていて、船の方向を自由自在に操ることが出来るようになっているので、補正は簡単に出来るはずである。しかし、そのような装置を搭載しているにも係わらず、操船が下手な船も多い。 一回乗船して操船が下手なことがわかったら、次回からは避けることだ。 棚取りが大事なメバル、アオリイカやウマヅラ釣では、ポイントが一番大事ではあるが、棚が狂うと釣果に大きく響いてしまう。下手な船頭が途中から上手くなったという話は殆ど聞かない。

JRの一番電車に乗り須磨駅を目指す。電車が六甲道に着いた時は、座席はほぼ一杯であった。大学生ぐらいの若者が、旅行バッグを持って乗車しているのが結構居た。私の子供も同じ年頃なので、夏休みに旅行に行き、安いバスで大阪まで帰ってきたことがすぐに分かった。須磨駅で降りると、駅の海側に軽トラで船頭が迎いに来てくれていた。もう一人仙正丸のお客さんが居て、2人をすぐに乗船場まで送ってくれた。私は右舷のトモに座らせてもらった。

2人が乗船するとすぐに出港した。穏やかな海を仙正丸はポイントを目指して走った。冒頭に書いた通り、ポイントへは一番近いので、あっという間にポイントに到着した。「44mです」とのアナウンスがあり釣り開始。暫くして1本目が上がりましたとのアナウンスが流れた。するとパタパタと周りでも上がり、私も2,3回目の合せで鉤掛かりさせ、1匹目をゲットすることが出来た。しかし、型が小さい…隣の人は鉤を外した後、即リリース。仲乗りのソーハチ君がダービーやっているので、とりあえずキープしておいてのことで、私はイケスに入れた。

この日は、それからも船全体で皆さん一斉に全員にヒットするような盛り上がりは無かった。ポロポロと釣れ続くような時間が続いた。時計を見ると9時ぐらいを確認した直後、私にちょっと大物が来た。底まで落として電動巻上げを開始し、2,3m上げたところで「クン」と穂先が激しく動いた。これはちょっと大きいなあと瞬時に判断出来た。そのまま電動巻上げを続行すると、竿が一直線になるほど穂先が入って 行った。すかさず合せると、穂先の位置が全然動かず竿だけが大きく曲がった。5秒ぐらいそのままで停止した後、大きく竿を絞り込みながら巻上げ開始となった。

大きいことがわかっているので、出来るだけ無理せずに慎重に巻き上げた。途中の締め込みも凄かった。大きい魚体が見えたのでソウハチ君を呼んで抜き上げてもらった。大型の場合は下手に竿で持ち上げるより、抜き上げてもらう方が取り込める確率が上がる。メーター越えのタチウオであった。ダービートップの120cm級には到底届かない大きさであったが、帰って塩焼きすることを思うと嬉しかった。

その後、ポイントを転々とするが盛り上がることは無かった。後半に食いが良くなることを期待していたが、11時を越える頃にはその期待も薄れて行った。それでも根気良く上げ下げを繰り返すものの、何の反応も無く時間だけが過ぎて行った。 たまに釣れるのではあるが、かなり上層で小型ばかりであった。そして13時頃納竿となった。結果14匹で、持ち帰りサイズは4匹、仕方なかったが10匹は帰る途中にカモメが拾ってくれた。

生簀

帰港中、持って帰るタチウオを船上で料理した。すると何故かまだ卵が腹に入っていた。もう既に産卵は終わったのではないかと思っていたがそうでは無かった。本日の結果から、数はそこそこ釣れても、これだけ小型が多いと…タチウオの本番はもうちょっと先になることであろう。やっぱりもっと肥えた中型中心に、数が釣れなければ旬とは言えない。帰って夕食に塩焼きを食べた。久々であったので美味しかったが、美味しいマアジを沢山食べていた 後なので、今のタチウオならマアジの方が美味しかったというのが、我家の答えであった。

夜、中鹿丸から連絡があり、試し釣りでアオリイカがそこそこ釣れたので15日の半夜から出船するということであった。今年は20周年なので、記念に胴長25cm以上釣った方先着5名まで5000円のサービス券を出すらしい。今後は、明石海峡周辺の釣船はアオリイカの季節に突入する。初期は小型中心になるが、数が上がるので初心者の練習にはうってつけの季節となる。本番は10月中頃~11月初旬で胴長25cm~30cmをトップ2桁が狙えることが出来る。

今年の広島遠征のスケジュールが決まった。11月に一泊二日で廿日市市の美咲丸と広島市の友香丸に行くことになった。明石海峡のカワハギは、結局小さくて魅力が無いので、カワハギに行くよりも10月にも練習ということで、日帰りで広島に行く計画を策定中である。これだけ厳しい社会状況となると、釣りに行くことについて楽しみもあるが、費用対効果について家族から問われるようになってきた。「釣れないのに無理して行くこと無いのと違う…」が最近耳にする言葉である。

逆に先月のように、山盛りマアジを釣って帰ると「そんなに釣って帰ってどうするの?」と言われるし、手頃な結果だと私自身が不完全燃焼状態になるし…どれだけ釣れば、みんながハッピーに終われるのだろうか?その調整が私にとって釣る技術よりも難しいと思える。