8月の1週目はお休みしたが、6月9日からそれまで毎週釣りに出掛けていた。今年はマアジが釣れているので、釣って食べたいから釣行が自然と増えたためだ。また、開発した自作のサビキが余りにも良く釣れるので、そのことも釣行を増やした要因である。
釣行は多かったが、納得した釣果を得たのは、河合釣船で52匹釣った時だけであった。その他の日はマアジとタコの日が多く、たいていタコを釣る時間が長く、マアジの釣れる時合も短かったので、毎回不完全燃焼の気分であった。そんな中、毛糸先生から火曜日に電話があり「浦島でマアジを40匹以上釣った」とのことであった。詳細を聞くと午後船での釣果で、 マアジ専門に狙っており、釣れる時は入れ食いだった…という。今度の土曜日に行きませんかと誘われた。
私の心には、このところの釣果にモヤモヤしたものが残っていた、そのモヤモヤを消し去るために、もう1回どっさり釣りたいという願望があった。そんなに好調なら一度チャレンジしてみようかと、金曜に毛糸先生に連絡した。また、高校の同級生Jが、一回隣で魔性のサビキで釣っているところを見たいということで、結局3人で行くこととなった。予約連絡を毛糸先生にお任せしていたら、暫くして連絡があり、午後船で予約したのだが、午前に良い潮があり、マアジを希望するお客が多かったので、午前船でマアジ釣に出ることに変更となったという。そのあとすぐにJにも連絡して、5:30に現地集合となった。
4:30に迎いに来て頂き出発。 出発前にインターネットで天気を見ていると、淡路島の南部で大雨が降っていた。高速を走っていると、その方向で稲妻が光るのが見えた。但し須磨の辺りでは、雨雲も無く薄曇りのような天気であった。途中、寸前にあるエサ光で氷と刺し餌を買って乗船場に向かった。 J氏に連絡した時に教えてもらったのだが、駐車場から乗船場まで結構な距離があるということであった。我々は2人なので、出来るだけ乗船場の近くまで車で行って荷物を降ろし、その後、車を駐車場に入れてきてもらった。
乗船場に行くと、左舷のトモにお客さんが座っていた。先着順で好きな所に座れるようなので、毛糸先生のはからいで私は右舷のトモ、次にJ氏、毛糸先生の順で座った。お客は少ないと思っていたが、結局13人ということであった。全員が揃って5:40頃出船した。
船がヨットハーバーの波止を抜けると明石海峡が見渡せた。ポイントはたいてい近くだろうと思っていたが、やはり近く5分ほど走った所で、魚影を確認した後、すぐに「やって下さい」とのアナウンスが流れた。いつものサビキタックル(魔性のサビキ)にアミエビを詰めて第1投、すぐに1匹目をゲットした。隣を見ると、初めから3人祭りが繰り広げられており、釣り復帰に暫く掛かっていた。その間も降ろせば釣れるという入れ食いモードに入った。
この日、船はトモから流してはいなかった。横流しなので、私が一番良い釣り座という訳ではなかった。左舷のことは見えてないのでわからなかったが、右舷は私と毛糸先生だけは入れ食い状態が続いた。J氏は鉤にオキアミを刺して釣っていたが、餌をつけているから ということで、その分良く釣れているということななかった。むしろ魔性パワーに負けて、両隣が入れ食いの中、「何でやねん…」状態で釣れていなかった。
3人祭りが終わった頃には、私は既に10匹ほど釣っていた。浦島丸のイケスの桶には、良型のマアジを10匹ほど入れると一杯になった。お客がちょっと少なかったので、4人分の釣り座に3人座っていたためイケスが1つ余っていた。全然釣れていないJ氏が、使うイケスを移動してくれて2個目を使わせてもらうことになった。入れ食いはまだまだ続いたため、すぐに2個目のイケスも一杯になった。
ちらりと横を見ると、オオトモの後ろ向きの釣り座にイケスを置くことが出来ることがわかった。あと2,3匹釣ったらイケスを作ろうと思っていたら、船頭が来てくれてイケスを準備し、良かったら使って下さいと言ってくれた。どこで一杯になったことを見ているのか不思議であったが、親切な船頭だと感謝した。釣り始めて2時間ほどすると30匹を優に越えることが出来た。額は汗でびっしょり、時計を見ると時刻はまだ7:30…、まだ4時間はある。このまま続くと3桁やなあと思いつつ、缶ビールのミニ缶を何個も飲みながら釣り続けた。
隣のJ氏は頑張っているものの、全然釣れていない模様である。3人竿が並んでいる中で、釣れる場所に来たら、私と毛糸先生の穂先が海中へ…、結局餌を付けていても我々のようには釣れない。魔性サビキ使ってみるかと言うと、今日はこのサビキでやる、来年は教えてくれという返事であった。しかし、マアジが来年も釣れるという可能性は低い。今年釣れるのも4年ぶりである。そのことを伝えると、それなら使わせてくれということで、3人魔性サビキとなった。J氏が付け替えた時は前半の食いが終わってきていたため、すぐに結果には繋がらなかった。
この日は良く釣れたためか、アミエビが底をついたので、途中、一旦港に戻って補給するということになった。その頃になると食いも止まってしまい、休憩タイムとなった。 前半、私は40匹ほど釣ったのだが、J氏はまだ一桁であった。そして10時頃にアミエビを補給して再出港した。船頭の奥さんが「もう餌切れはしないので、たくさん使って下さい」と言ってくれた。そう言えば、私は朝の入れ食いの際に3回ぐらいおかわりした。J氏から「お前が使い過ぎたからや」と言われた。と言いつつも、3人みんなおかわりしていた。
後半は、朝より西の海釣公園の沖あたりのポイントであった。ここでは、船の右舷と左舷を交互に潮先にして流してくれた。そして釣れ出すと、魔性効果が出て3人とも竿が舞い込むようになった。良く釣れることがわかると、J氏が「何でかわからんけど、ほんまに良く釣れるなあ…」と言って 数を伸ばして行った。 この釣れるサビキを考案し、成果を出すまでの研究と実験に、どれだけ費用が掛かったことか…。
朝ほど入れ食いにはならなかったが、ポイントに入るとバタバタと釣れ続き12時前に納竿となった。何匹釣ったか数えていなかったが、3つのイケスに40匹以上活かしており、途中、酸欠で弱ったアジ を10数匹シメてクーラーに入れていた。シメ終わって勘定すると、全部で69匹であった。心のモヤモヤを晴らすことが出来た。毛糸先生も40匹、J氏も魔性効果で25匹釣ることが出来た。
船から降りる際、奥さんから何匹釣れたのか聞かれたので「69匹」と言うと、「シックスナインか、あんたスケベやろう…」とのご発言が帰ってきた。このオバハン、なかなか言ってくれるやないかと笑ってしまった。69匹はこの船のレコードだと言っていた。船の屋根が無かったら、あと10匹ぐらい 数を伸ばせたであろう。こんなに型のいいマアジを船べりで落とすと勿体無い気がする。