私は高校を卒業してからすぐにヘラブナの同好会に入会した。当時は 先輩方も若く、どこの会も会員は多かった。しかし現在は年々会員数が減り、消えてゆく会も多い。そんな中、我ら「神戸釣好会(こうべきんこうかい)」は、会員数は減ったものの 、まだまだ元気な会員が多く、毎月楽しく例会が開催されている。
その例会も案内はがきによると「第453回」となっていた。会長の話によると、会が発足してから30年以上続いており、神戸では最古の会ということだ。
ただ、これだけヘラブナ釣り人口が減ってくると、問題となってきたのが「釣り池」の数だ。釣り池も客が来なければ商売が成り立たない。このところどんどん減ってきており、 現在のところ年間を通じて使える管理池は3つしかない。その中の一つが今回の舞台・新松池だ。 この池の魅力は、ヘラブナの型が良いことで、平均30~35cmの元気なヘラブナが引きを楽しませてくれる。
釣好会では、例会が年間10回ある。(理由はわからないが、8月,12月は無い)今年は、先月までの9回のうち5回優勝している。 朝、庶務のN氏が9回までの成績表を見せてくれた。すると私はダントツの1位で、2位に10点以上差を付けていたので、年間優勝が確定していた。しかし、釣りには手を抜かないのが私流。来年の順位のこともあるので、今日も優勝を目指しての闘いとなった。
当日の釣り座は 4番桟橋。14人が横一直線に並んでの競技であるが、桟橋の表と裏は自由に選択出来るルールとなっている。風向きや過去の釣果を参考に好きな方を選択する。途中で変更してもOKである。釣り座は入る前 にくじ引きが行われる。私は6番を引いた。
釣り座に着いて、過去の実績からまず北側(表)に構えた。 前日、毎週ヘラブナ釣りに出かけられるN氏に電話で状況を聞いたところ、底も宙もどちらが良いとも言えないとの返事。それではと、私は底釣りが得意なので、18尺の底釣りから始めた。
スタートして1時間ほど寄せ餌を打ち込み続けたが、ウキに何の変化も出なかった。前の桟橋の釣り人も殆どがまだボーズである。そんな中、隣の反対側を向いて釣っていた会長が、立て続けに3匹釣った。私は辛抱しきれず、すぐに反対側を向いた。これが正解で、5,6投目に一匹目をゲットすることが出来た。
ヘラブナは、エサを打ち込んで寄せて釣るのが腕の見せ所ではあるが、いくら打ち込んでも、魚の居ないところでは釣れない。表側は魚が居なかったが、裏側には魚が居た。始め表向きで釣っていた会員の殆どが、途中から裏側に替わっていた。
その後は、10投ほど寄せ餌を打った後、グルテン餌で喰いを待つという作戦で釣った。ヘラブナが寄ってくるとウキの周りにプツプツと泡が出だした。寄せたら主導権は釣り人側のものとなる。自作のウキのトップが一節ほど「ツッ」と入るアタリがコンスタントに続き、昼休みの11:30までに7.5キロほど釣ることが出来た。
昼休み、ご飯を食べながら他の桟橋を見ていたが、宙釣りよりも底釣りの方が良く釣れていたので、午後も底釣りで通すことにした。宙釣りは、ツボにはまると短時間にたくさん釣る事が出来るので魅力的である。しかし、寒くなるにつれ釣果は落ちてゆき、丁度、季節的に今が終わりの時期である。
12:00から午後の釣りがスタートした。せっせと寄せ餌を打ち込み、グルテンを着けてアタリを待つ。午前ほどではないが、寄ってくるとバタバタと釣れ、釣ってしまうと間が空く…という状況が続き、終了の15:00を迎えた。計量すると、午後も7キロほど釣れた。
結果、2位のN氏と同重量となったが、去年の成績の下の者が上位となるルールのため、私が最終戦も優勝することが出来た。今年度、10戦中6優勝となり、来年のランクが楽しみだ。
ただ、来年は仕事柄、情報処理技術者試験を受験するため、4月か10月の例会を休まなくてはならない。そのため、来年は年間優勝は厳しい。何で国家試験は第3日曜なんだろう。第2の日曜に変えてくれ。